聖獣達に愛された子

颯希

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初聖獣

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「ここが聖獣様が住む所なのか」

「すごく綺麗……」

「神秘的だ」

「空気が綺麗ね」

『よく来たのう。人間よ』

「せ、聖獣様」


聖獣が突如現れ、驚いたにも関わらず
冷静に判断し、膝まついた


『人間語じゃないとダメなんじゃない?』

『お、そうだった』

「聖獣様、お久しぶりでございます」

「挨拶はよい。何用でここまで来たのじゃ」

「はっ。聖獣様達のお姿が見かけなかった
 のでなにかあったのではないかと思い、
 訪問させて頂きました」

「……そうか」

「ねぇ?それにしてもアリコス王国って
 罪もない人間を殺す国なのね」

「へ?」


一気に冷たい空気になった


「な、何を申しているのですか?」

「お前は昔、神からのお言葉を聞いたはずだ」

「……!!」




ー数年前ー

「国王様、神父様がお見えです」

「通せ」

「御意」




「国王様、お久しぶりです」

「久しぶりだな。
 それにしても今日はどうしたのだ?」

「神からのお言葉を承りました」

「神からの?」

「はい神によりますと……」


時期に皇妃にお子ができる。
その者は時期に神になる。
性別はないが確実にお前らのお子だ。
立派な神になれるよう、大切に育てよ


「……とのことです」

「メアリーにか?!」

「おめでとうございます。国王様」

「あぁ、あぁ、本当に良かった。
 メアリーに伝えて来よう」





「メアリー、起きているかい?」

「はい。どうしましたか?」

「先程、神からのお言葉が届いた。
 メアリーの体に命を授けたそうだ」

「まぁ!!」

「その子は性別が無く、時期に
 神になるようだが確実に
 我らの子だ。大切に育てよ。
 とのことだ」

「どんな子でも、私は嬉しいです。
 本当に、本当に、良かった((グス」

「一緒に育てよう。立派な神になれるように」

「はい」








ー現代に戻るー


「……はい、ありました」

「その女と子はどうした」

「……」

「どちらも殺そうとしたのではないか?」

「断じて違う!!あの者達は大切だった。
 大切な家族だった。でも、でも……」

「なんだ」

「なにか気に食わない事でもあったのかしら」

「……2人は反逆者に殺されてしまった」

「反逆者だと?」

「子の方は見つかってない。
 ただ、メアリーは無惨に殺されていた。
 何度も刺され、痛々しかった」

「子は探さなかったのか」

「探しました。何度も、何度も。
 でも見つからなかった。その後、新しい皇妃
 を迎える気は起きず、奴隷や捨て子を広い
 自分の子にしてきました。でも今は、
 愛する皇妃と子供達が出来ました」

「そうか」

「ねぇ、もしもその子供が生きてたら
 貴方はどうするの??」

「謝りたいですね。
「守れなくてごめんな」と言いたいです」

「それだけ?家族になろうとか言わないのね」

「はい。生きているならば、
 あの子にも家族がいると言うことですから」

「あらそう……。それならば良い事を
 教えてあげるわ。その子供ならば、
 元気に暮らしているわよ」

「え……??」

「フフ」

「そう、ですか。あの子が」


そう言い、アリコス王国の国王は
マナの方を見た。
顔などは見えないが、生きているだけでも
嬉しく、泣きそうになってしまった


「だから安心なさい」

「はい。ありがとうございます。
 そして、これかもよろしくお願い致します」

「ええ、任せなさい。
 あの子も、貴方達を恨んでなどいないわよ」

「そうですか……」

「今日はもう遅い。
 お前たちが泊まるところに案内しよう。
 マナや、頼めるかい?」

「あぁ」

「使徒様、よろしくお願い致します」

「……着いてこい」







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