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続・魔界王立幼稚園ひまわり組
43:魔王特別ルール
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ひまわり組でも人数の都合で白のガルダのジル君父子は年中さんに混じって出たので、残りは十六人。身の軽いジル君は年少さんにも関わらず二位とすごく健闘した。パパの的確な花選びも良かったもんね。
まずは両チーム比較的おっとりな大人しい子ばかり集めた対戦。だが未知数な部分の多い子達でもある。それに運動神経だけで測れないのが障害物競走だ、意外な結果になるかもしれない。
「モコちゃんは無理しなくてもとび箱や縄の横を行けばいいからね」
小さくて動きのゆっくりな赤組岩魔族のモコちゃんには特別にハンデをつけてもらったのだが……。
「ハハハー、先生、大丈夫ですー。抱えてでもー普通にーやりますー」
ムキムキガチガチの岩男のパパは巨人族と大差ないくらいに大きい。いや、重すぎてとび箱さんや蛇なわの生死に関わるというのもあるので、ぜひともパパも回避していただきたい。バラ組の巨人族の双子ちゃんのところはパパもママも子供抱えて一跨ぎで超えてたけどね。
白組だがひまわり組なのできゅうちゃんにも声を掛けておく。
「パパの分もお水持った?」
「うん。大丈夫。持ったよ」
カッパのきゅうちゃん親子は長引くと頭のお皿が乾いてしまうので、水筒を下げての参戦だ。背中の甲羅も立派なパパは緑の肌のまさに水も滴る色男である……物理的に。
その他赤はラミアのえりちゃん母娘、スケルトンのルナちゃん父娘、猫又とめさん母子。白は蜘蛛のみかちゃん母娘に花魔族のちぃちゃん父娘。沼魔族ポメちゃんのところは……パパかママかどっちと呼べばいいのだろう? 性別は特に決まっていないそうで、気に入った相手と合体すると細胞分裂のように増えるのだとか。ホント謎な種族だ。
ぱーん、の合図とともに各親子一斉にダッシュ……ともいかず、まったりとスタート。身軽すぎるルナちゃんの骨父娘、蜘蛛のみかちゃん家がやや抜きん出ている。早くも大きく差がついた。お皿が乾く以外運動能力に問題ないきゅうちゃんのところとラミアのえりちゃんのところもなかなかのスピードだ。にゅるんという動きでとび箱を這って越えていったえりちゃんとママは流石は蛇という感じ。
早くも第二関門の網くぐりに到達していたスケルトンのルナちゃんのところが大変な事になっている。
「アバラが引っかかってっ!」
「パパ、おててはひろったよ」
……パパが分解してるので修復に時間が掛る。リタイヤかな、これは。
「絡まって~動けない~」
……蜘蛛のみかちゃん家もだ。親子合わせて十六本の手足が大変な事になってます! その隙にきゅうちゃん、えりちゃん、とめさん、ちいちゃん各親子がすり抜けて、順位はまったくわからなくなって来た。
『これ、本当に面白いな。ワシも出たい!』
肩の先代が何か言ってますが、気にしないでおきましょう。
「どっこらしょ」
小さなモコちゃんを小脇に抱えた岩石パパは、やっぱり重いゆっくりな動きで今やっととび箱を跨ぎ終えたところ。マイペースな親子はそれなりに頑張ってるのでいいだろう。
早くも二組リタイヤとなった波乱の障害物競走は第三関門蛇なわ飛びに差し掛かっているが、ここでもう一つ問題が。
「飛ばなきゃダメ……?」
トップを行っていたラミアの母と娘は固まっている。そっか、ジャンプできないよね。勝手を知っている年中さん年長さんはこの種族はパパが出ていた。男性はウロコがあるだけで下半身人型なので問題ないのだが、女性は蛇なのだ。
「乗っかってもいいから這って超えていいのよ!」
同じラミアのマーム先生が大きな声で助け舟を出してくれた。がんばれ、えりちゃん。
かけっこの時もそうだったが、意外にも瞬発力のあるとめさん、きゅうちゃんのところがえりちゃん母子を抜き去り、地味に堅実に進んでいるちぃちゃんのところも飛び越すというより触手をうーんと伸ばして蛇なわを跨いで行った。激しくのたうつ蛇をえりちゃんもやっと乗り越えた頃。
「パパ、お水」
「危うく干からびるところだった」
お花畑を目の前に、きゅうちゃん家は頭のお皿に水分補給です。とめさんの猫又親子はスタミナ切れ寸前。もう少しだから頑張ろうよ。
ん? そういえばポメちゃん親子は?
「ありがとう」
突然、さっちゃんの声で気がつくと、そのポメちゃんがニコニコ笑顔でお花を渡していた。その横でにゅる~んと人型に戻った怪しい水たまり。なんと、ポメちゃん家は誰にも気が付かれぬままトップでゴールです。
その後もきゅうちゃんパパ、とめさんママ、えりちゃんママはハズレの花に悩まされ、気が付くとのっしのっしとマイペースで歩いてきた岩石パパに追いつかれた。
「おーはーなー。どーぞー」
これまたダークホースモコちゃん、まさかの二位。やっと当りを引いたえりちゃん、きゅうちゃん、とめさんも無事ゴール。
とんだどんでん返しに大盛り上がりの障害物競争はいよいよ最後の組。
『次はリンデル達じゃの!』
「はい。大人しくここで応援しててくださいね」
姿は見えないが先代がうずうずしているのが伝わってくる。自分も出たいとか仰っていたので、本気でペルちゃんあたりに取り憑きそうで怖いので釘を刺しておく。
「ふふふ、いかに結婚式とはいえ、手加減はしませんよ魔王様」
「それはこちらの台詞だ、ウリエノイル」
スタートラインでは早くも熱い火花が飛んでおりますね。
「ペルちゃ~ん! 魔王様~! 応援してますわよぉ~!」
「リノちゃんもがんばってねぇ~!」
貴賓席のザラキエルノ様、メルヒノア様達もヒートアップしてますよ。一緒に出る他の親子に少々気の毒な気もする。
そこで突然、本部席から司会ジラソレの声が。
「わははは、突然だがユーリ王子から特別ルールの説明だ~! ははっ」
え? 特別ルールって何?
拡声草を手にしたユーリちゃんが咳払いを一つして立ち上がった。
「流石に差がありすぎるので、魔王親子だけは、最後の関門で三本の花を選ぶ事とします。見極めに魔力の行使も禁止です。なお、一部ハズレの花が増えている箇所があるので他組もご注意ください」
ユーリちゃんの涼やかな声に、おおーっと客席から声が上がり、拍手が鳴り響いた。いや、そこ拍手するところかな?
『魔王たるもの、それくらいでなくてはの!』
先代も納得しておいでだし、確かに他の親子の事を考えたらそのくらいのハンデがあっていいとは思うのだけど……魔王様のところだけって。
「あの、わたくし達は良いのでしょうか?」
ウリちゃんもちょっと気になる様子。
「よい。沢山の花を渡せたほうが華やかで良い」
魔王様、そんなカッコイイ事言っちゃってますが、お顔は少し緊張なさっておいでですよ。
ともかく、最終組のスタートです。
「リノちゃん、転ばないでね」
「らいじょぶ!」
「さんちゃん、きぃちゃん頑張ってね」
「あーい!」
何だかんだで、他の組も強者揃い。赤組はさんちゃんの火竜父子、運動神経抜群の犬獣人いく君母子、バランスのとれた蔦魔族ボウちゃん父子。白組は頭脳派、吸血鬼のジュン君父子、俊足サテュロスのカンちゃん父子、きぃちゃん母娘に至ってはママは狼族最強の女闘士だ。
「位置について……よーい」
ぱーん! 各組猛ダッシュでスタート……と思いきや、やっぱりかぁ。リノちゃんいきなりコケてるし!
「リノちゃん、大丈夫ですか?」
「あい、にゃきまちぇん」
半べそかきながらパパに手を引かれてとび箱に向かった娘。なんかもう、魔王様との勝負も何も無いよね、ウリちゃん。ゴメンね、ドジなところは私の遺伝だよねきっと。魔王様も走るのが苦手なペルちゃんに合わせてゆっくりだ。抱えて行けば早いのだろうが、子供に合わせるあたりが二人とも良いパパだ。
早くもさんちゃん、きぃちゃん、いく君、カンちゃん家はとび箱を超えてスライム網に向かっている。やや遅れてジュン君、ボウちゃんもとび箱を超えた。すでにトップからかなりの差が出来たペルちゃんリノちゃん達だが、今までを見てもわかるように、網くぐりは早く行けばいいってもんじゃない。
「ぬぉおお!」
勢い良く飛び込んださんちゃんパパは、角が網に引っかかった。その横ではカンちゃんパパの立派な角も。その隙にきぃちゃん、いく君、やや遅れてきたジュン君やボウちゃん家もすり抜けていく。ひょっとして後のニチームはこれが狙いだった?
やっと飛び箱を超えたリノちゃん達が網に辿り着いた頃には、網に引っかかってた角のあるパパ達もやっと抜け出せた。
「リノちゃん、掴まって」
「あい!」
ウリちゃんはリノちゃんをお腹の下にぶら下げて移動。魔王様も片手で網を持ち上げつつペルちゃんを行かせた。
蛇なわ飛びで意外にも苦戦していたきぃちゃんママ。
「へ、蛇は苦手なのだ」
「ママ、だいじょぶらぉ」
女戦士にも苦手はあったようだが、何とか超えられた模様。他の各チームも身軽に蛇なわを飛び越えている。ここで、遅れていたリノちゃんウリちゃんもダッシュで追いついた。
他のチームは既に花畑に到着しているが、魔王様チームはやっと蛇なわに辿り着いたところ。これって、ハンデいらなかったんじゃ……
「あの、抱っこでも……」
ペルちゃんが言うとおり、小脇に抱えてでも行けば差は無かっただろう。だが魔王様はそうはなさらなかった。
「共同作業だろう? 自分の力で母のところに行かねば」
……うわ、どうしよう。なんかすごい感動したんだけど! やっぱり良いパパだ、魔王様。さっちゃん、貴女は本当にいい選択をしたと思うよ。
「きゃーっ!」
「うわああぁ!」
お花畑では各親御さん達の悲鳴が上がっている。そういえばハズレの花が増えてるって言ってたよね。
きぃちゃんママ、蛇が苦手だって言ってたのに、手にした花が蛇に変わって気を失いそうになってます!
墨を吹く花を二本立て続けに引いたさんちゃんパパは真っ黒に。カンちゃん、いく君のところはなぜかくるくる回ってます。ボウちゃん、ジュン君のところは眠り効果でもあったのか、座り込んでしまいましたよ!
「だ、大丈夫ですか?」
目の前で繰り広げられるハズレの惨劇にゴールさっちゃんも心配そう。
「うっ!」
「パパ~!」
ウリちゃんもハズレを引いた模様だ。巨大化した花にベロベロ顔を舐められてます。
魔王様とペルちゃんもお花畑に到着したよ。これはわからなくなってきた。でもこんな中で三本も選べるんでしょうか、魔王様。
まずは両チーム比較的おっとりな大人しい子ばかり集めた対戦。だが未知数な部分の多い子達でもある。それに運動神経だけで測れないのが障害物競走だ、意外な結果になるかもしれない。
「モコちゃんは無理しなくてもとび箱や縄の横を行けばいいからね」
小さくて動きのゆっくりな赤組岩魔族のモコちゃんには特別にハンデをつけてもらったのだが……。
「ハハハー、先生、大丈夫ですー。抱えてでもー普通にーやりますー」
ムキムキガチガチの岩男のパパは巨人族と大差ないくらいに大きい。いや、重すぎてとび箱さんや蛇なわの生死に関わるというのもあるので、ぜひともパパも回避していただきたい。バラ組の巨人族の双子ちゃんのところはパパもママも子供抱えて一跨ぎで超えてたけどね。
白組だがひまわり組なのできゅうちゃんにも声を掛けておく。
「パパの分もお水持った?」
「うん。大丈夫。持ったよ」
カッパのきゅうちゃん親子は長引くと頭のお皿が乾いてしまうので、水筒を下げての参戦だ。背中の甲羅も立派なパパは緑の肌のまさに水も滴る色男である……物理的に。
その他赤はラミアのえりちゃん母娘、スケルトンのルナちゃん父娘、猫又とめさん母子。白は蜘蛛のみかちゃん母娘に花魔族のちぃちゃん父娘。沼魔族ポメちゃんのところは……パパかママかどっちと呼べばいいのだろう? 性別は特に決まっていないそうで、気に入った相手と合体すると細胞分裂のように増えるのだとか。ホント謎な種族だ。
ぱーん、の合図とともに各親子一斉にダッシュ……ともいかず、まったりとスタート。身軽すぎるルナちゃんの骨父娘、蜘蛛のみかちゃん家がやや抜きん出ている。早くも大きく差がついた。お皿が乾く以外運動能力に問題ないきゅうちゃんのところとラミアのえりちゃんのところもなかなかのスピードだ。にゅるんという動きでとび箱を這って越えていったえりちゃんとママは流石は蛇という感じ。
早くも第二関門の網くぐりに到達していたスケルトンのルナちゃんのところが大変な事になっている。
「アバラが引っかかってっ!」
「パパ、おててはひろったよ」
……パパが分解してるので修復に時間が掛る。リタイヤかな、これは。
「絡まって~動けない~」
……蜘蛛のみかちゃん家もだ。親子合わせて十六本の手足が大変な事になってます! その隙にきゅうちゃん、えりちゃん、とめさん、ちいちゃん各親子がすり抜けて、順位はまったくわからなくなって来た。
『これ、本当に面白いな。ワシも出たい!』
肩の先代が何か言ってますが、気にしないでおきましょう。
「どっこらしょ」
小さなモコちゃんを小脇に抱えた岩石パパは、やっぱり重いゆっくりな動きで今やっととび箱を跨ぎ終えたところ。マイペースな親子はそれなりに頑張ってるのでいいだろう。
早くも二組リタイヤとなった波乱の障害物競走は第三関門蛇なわ飛びに差し掛かっているが、ここでもう一つ問題が。
「飛ばなきゃダメ……?」
トップを行っていたラミアの母と娘は固まっている。そっか、ジャンプできないよね。勝手を知っている年中さん年長さんはこの種族はパパが出ていた。男性はウロコがあるだけで下半身人型なので問題ないのだが、女性は蛇なのだ。
「乗っかってもいいから這って超えていいのよ!」
同じラミアのマーム先生が大きな声で助け舟を出してくれた。がんばれ、えりちゃん。
かけっこの時もそうだったが、意外にも瞬発力のあるとめさん、きゅうちゃんのところがえりちゃん母子を抜き去り、地味に堅実に進んでいるちぃちゃんのところも飛び越すというより触手をうーんと伸ばして蛇なわを跨いで行った。激しくのたうつ蛇をえりちゃんもやっと乗り越えた頃。
「パパ、お水」
「危うく干からびるところだった」
お花畑を目の前に、きゅうちゃん家は頭のお皿に水分補給です。とめさんの猫又親子はスタミナ切れ寸前。もう少しだから頑張ろうよ。
ん? そういえばポメちゃん親子は?
「ありがとう」
突然、さっちゃんの声で気がつくと、そのポメちゃんがニコニコ笑顔でお花を渡していた。その横でにゅる~んと人型に戻った怪しい水たまり。なんと、ポメちゃん家は誰にも気が付かれぬままトップでゴールです。
その後もきゅうちゃんパパ、とめさんママ、えりちゃんママはハズレの花に悩まされ、気が付くとのっしのっしとマイペースで歩いてきた岩石パパに追いつかれた。
「おーはーなー。どーぞー」
これまたダークホースモコちゃん、まさかの二位。やっと当りを引いたえりちゃん、きゅうちゃん、とめさんも無事ゴール。
とんだどんでん返しに大盛り上がりの障害物競争はいよいよ最後の組。
『次はリンデル達じゃの!』
「はい。大人しくここで応援しててくださいね」
姿は見えないが先代がうずうずしているのが伝わってくる。自分も出たいとか仰っていたので、本気でペルちゃんあたりに取り憑きそうで怖いので釘を刺しておく。
「ふふふ、いかに結婚式とはいえ、手加減はしませんよ魔王様」
「それはこちらの台詞だ、ウリエノイル」
スタートラインでは早くも熱い火花が飛んでおりますね。
「ペルちゃ~ん! 魔王様~! 応援してますわよぉ~!」
「リノちゃんもがんばってねぇ~!」
貴賓席のザラキエルノ様、メルヒノア様達もヒートアップしてますよ。一緒に出る他の親子に少々気の毒な気もする。
そこで突然、本部席から司会ジラソレの声が。
「わははは、突然だがユーリ王子から特別ルールの説明だ~! ははっ」
え? 特別ルールって何?
拡声草を手にしたユーリちゃんが咳払いを一つして立ち上がった。
「流石に差がありすぎるので、魔王親子だけは、最後の関門で三本の花を選ぶ事とします。見極めに魔力の行使も禁止です。なお、一部ハズレの花が増えている箇所があるので他組もご注意ください」
ユーリちゃんの涼やかな声に、おおーっと客席から声が上がり、拍手が鳴り響いた。いや、そこ拍手するところかな?
『魔王たるもの、それくらいでなくてはの!』
先代も納得しておいでだし、確かに他の親子の事を考えたらそのくらいのハンデがあっていいとは思うのだけど……魔王様のところだけって。
「あの、わたくし達は良いのでしょうか?」
ウリちゃんもちょっと気になる様子。
「よい。沢山の花を渡せたほうが華やかで良い」
魔王様、そんなカッコイイ事言っちゃってますが、お顔は少し緊張なさっておいでですよ。
ともかく、最終組のスタートです。
「リノちゃん、転ばないでね」
「らいじょぶ!」
「さんちゃん、きぃちゃん頑張ってね」
「あーい!」
何だかんだで、他の組も強者揃い。赤組はさんちゃんの火竜父子、運動神経抜群の犬獣人いく君母子、バランスのとれた蔦魔族ボウちゃん父子。白組は頭脳派、吸血鬼のジュン君父子、俊足サテュロスのカンちゃん父子、きぃちゃん母娘に至ってはママは狼族最強の女闘士だ。
「位置について……よーい」
ぱーん! 各組猛ダッシュでスタート……と思いきや、やっぱりかぁ。リノちゃんいきなりコケてるし!
「リノちゃん、大丈夫ですか?」
「あい、にゃきまちぇん」
半べそかきながらパパに手を引かれてとび箱に向かった娘。なんかもう、魔王様との勝負も何も無いよね、ウリちゃん。ゴメンね、ドジなところは私の遺伝だよねきっと。魔王様も走るのが苦手なペルちゃんに合わせてゆっくりだ。抱えて行けば早いのだろうが、子供に合わせるあたりが二人とも良いパパだ。
早くもさんちゃん、きぃちゃん、いく君、カンちゃん家はとび箱を超えてスライム網に向かっている。やや遅れてジュン君、ボウちゃんもとび箱を超えた。すでにトップからかなりの差が出来たペルちゃんリノちゃん達だが、今までを見てもわかるように、網くぐりは早く行けばいいってもんじゃない。
「ぬぉおお!」
勢い良く飛び込んださんちゃんパパは、角が網に引っかかった。その横ではカンちゃんパパの立派な角も。その隙にきぃちゃん、いく君、やや遅れてきたジュン君やボウちゃん家もすり抜けていく。ひょっとして後のニチームはこれが狙いだった?
やっと飛び箱を超えたリノちゃん達が網に辿り着いた頃には、網に引っかかってた角のあるパパ達もやっと抜け出せた。
「リノちゃん、掴まって」
「あい!」
ウリちゃんはリノちゃんをお腹の下にぶら下げて移動。魔王様も片手で網を持ち上げつつペルちゃんを行かせた。
蛇なわ飛びで意外にも苦戦していたきぃちゃんママ。
「へ、蛇は苦手なのだ」
「ママ、だいじょぶらぉ」
女戦士にも苦手はあったようだが、何とか超えられた模様。他の各チームも身軽に蛇なわを飛び越えている。ここで、遅れていたリノちゃんウリちゃんもダッシュで追いついた。
他のチームは既に花畑に到着しているが、魔王様チームはやっと蛇なわに辿り着いたところ。これって、ハンデいらなかったんじゃ……
「あの、抱っこでも……」
ペルちゃんが言うとおり、小脇に抱えてでも行けば差は無かっただろう。だが魔王様はそうはなさらなかった。
「共同作業だろう? 自分の力で母のところに行かねば」
……うわ、どうしよう。なんかすごい感動したんだけど! やっぱり良いパパだ、魔王様。さっちゃん、貴女は本当にいい選択をしたと思うよ。
「きゃーっ!」
「うわああぁ!」
お花畑では各親御さん達の悲鳴が上がっている。そういえばハズレの花が増えてるって言ってたよね。
きぃちゃんママ、蛇が苦手だって言ってたのに、手にした花が蛇に変わって気を失いそうになってます!
墨を吹く花を二本立て続けに引いたさんちゃんパパは真っ黒に。カンちゃん、いく君のところはなぜかくるくる回ってます。ボウちゃん、ジュン君のところは眠り効果でもあったのか、座り込んでしまいましたよ!
「だ、大丈夫ですか?」
目の前で繰り広げられるハズレの惨劇にゴールさっちゃんも心配そう。
「うっ!」
「パパ~!」
ウリちゃんもハズレを引いた模様だ。巨大化した花にベロベロ顔を舐められてます。
魔王様とペルちゃんもお花畑に到着したよ。これはわからなくなってきた。でもこんな中で三本も選べるんでしょうか、魔王様。
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