当て馬悪役令息に転生したはずが何故か俺がヒロインに狙われています

ちか

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2話

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 このゲームは原作のネット小説やコミカライズやアニメとはまた違った展開のオリジナルストーリーなのだというが、生憎、俺はほとんど知らない。彼女から教わったキャラとあらすじを知ってる程度だし、続編なんて、さっぱりだ。

 だからストーリーに即した行動は取れないし、取るつもりもない。

 強制力なんてものもよく聞くが、中身が俺である時点で既にスートリーを逸脱しているのだから、その時点で強制力というものが存在しているとも思えない。だからその心配もないと思う。本当に強制力というものがあるなら、俺は俺としての記憶があるわけがない。

 この世界はゲームではない。ならば、あまり気にしなくていいのではないだろうか。

 よくある異世界転生ものだってそうだろう。

 俺はただこの世界で生きて死ぬだけだ。長生きは望まない。いやむしろさっさと終わって欲しい。だから万が一強制力があっても構わない。

 
 それに生まれ変わった俺には前世にはなかったがあった。それは……


 俺は女性が怖い。



 使用人はもちろんのこと、母も怖い。
 前世の記憶が戻るまではなぜ女性が、それも母までもが怖かったのか分からず、分からないこともまた怖かった。
 ただ漠然と恐怖と不安が付き纏っていた。

 赤ん坊の頃は母だけでなく、乳母も怖くて抱っこされるだけで硬直してしまい、無意識に震えてしまった。そのため母乳を上手く飲めなくて、たとえ飲めたとしても、すぐに戻してしまった。そのせいでかなり衰弱してしまった。

 一時は本当に危なかった。

 周りが色々試した結果、年配の女性や男性なら怖がらないことがわかり、哺乳瓶で年配の女性が与えるということになった。
 そうしてどうにか危機を脱した。

 あの女子高生くらいの年齢からあの母親くらいの年齢の女性が怖いのだ。

 これは気合いや根性でどうにかなるものではなかった。

 そのため人と話すこと、接する事が上手く出来ず、たとえ家族といえどあまり深く関わろうと思えなかった。

 しかし今はまだかろうじて接する事の出来る妹のこともそのうち怖くなるんだろうか。
 
 そう思うと悲しくなってしまう。ただでさえ今でも母に悲しい思いをさせてしまっているのにさらに妹にまでそんな思いをさせたくない。
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