当て馬悪役令息に転生したはずが何故か俺がヒロインに狙われています

ちか

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side家族

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「ディーは部屋に連れて行きましたよ」

「ふぅー、さっきは悪かったな。それでなにがあった?」

「……っ」


「ディーのことはみんなで見守っていこうと話していたじゃないか」

「おれっ、俺、弟が出来るって楽しみにしてたんだ。ニックの家でも弟が生まれた時、かわいいってすごく自慢されて……うらやましくて……俺も弟が出来るって聞いてすごく楽しみだった。俺もあいつに負けないくらい弟をかわいがってやるんだって、俺の弟のがかわいいんだって自慢したかった……なのに生まれたのは俺が思っている弟と違ってた……泣きもしないし、笑いもしないし。俺がかまってやっても全然だし。小さいからしょうがないと思ってたけどいつまで経ってもしゃべんないし。それにいつも母上をかなしそうな顔させるし。あいつが生まれてからずっと家族が変になった。あいつは全然俺たちを見ない。だから、だから今日は俺たちを、俺を見てほしくて、あいつと、面と向かって顔を合わせたんだ……そしたら……」

「そしたら?」

「どうせあいつ、いつもみたいに大した反応なんかしないと思って、でもなんかいつもと違って様子おかしくなって、暴れて置きっぱなしになってたそこの羽ペンを目に刺そうとしたんだ。だから、俺、怖くなって、あいつの手叩いて羽ペン離させたんだ。そんでそんな危ないことするあいつがムカついてつい怒っちゃって、そしたらあいつ泣き出して。おれ、俺、そんなつもりじゃなかった……」

「……そうか」

「……ごっごめんなさい」

「……謝るのは私にではないよ。あの子には生まれつき何かあるようだった。みんなで話し合って、見守っていこうと話していたが、エドガーには我慢させ過ぎてしまったんだな。すまない、苦しみに気づいてやれなくて。確かに、あの子が苦手なことを強制したのは悪いことだ。でも、その後のことはお前は弟を守ろうとしただけだし、怒ってしまったのも心配だったからだろう。それはあの子のことを思ってのことなのだから悪いことではないよ。エドガーが弟を思いやれて優しいからしたことだ。それに関して私は叱ったり出来ないのにさっきは話も聞かずあの子が泣いているからと、あんなに感情を出したあの子を見て慌ててしまい、エドガーを疑って怒ってしまい本当にすまない。父親失格だな」


「……いえっ、怒られたのは悲しかったけど、仕方なかったと思います。でも話をきいもらえてわかってもらえてうれしかったです。あいつの、いえ、ディーのおかげです」

「そう……だな。あの子があんなに泣くのも初めて見たが、あんなに一生懸命兄であるエドガーを庇うなんて想像もしていなかった。あんなに意思表示をしてくるなんてな」

「そうですね」

「あんな勇気を見せてくれたんですからきっといつか、心を開いてくれますよ」

「そしたらいつかわたしのことも母様と呼んでくれるかしら?」

「父様ともな」

「「兄様もです!!」」

「そうだな」

「楽しみですね」

「あぁ、ゆっくり見守っていこう。我々の愛する子であり弟なんだから少しずつ歩み寄ればいいんだ」

「えぇ」

「そうですね」
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