当て馬悪役令息に転生したはずが何故か俺がヒロインに狙われています

ちか

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side父

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 ざわざわ……

 ディーは駆けつけた王宮医師に急ぎ診てもらったところ大丈夫そうだ。

 ひとまずは安心だ。

 念の為、王宮の控え室に運んでもらい、さらに詳しく診察してくれるようにお願いした。

 シアにはディーに付き添ってもらうとするか。この場は私に任せてもらおう。

 たとえ、その手に持っている扇子がミシミシと音を立て真っ二つになる寸前だとしても……

 まずはこの小娘に一体誰に何をしたのかわかってもらわないとな。

「ちょっと何すんのよ。全く痛いじゃない。赤くなってるわ。私のことも診ないであの医者……あなたあの子の親でしょ?謝りもしないでいなくなって……一体どう言う教育してるのよ。見かけない顔だし、どうせ田舎貴族なんでしょ?それなのにそんな見栄張った格好しちゃって。まあいいわ、とにかく謝ってよ」

「一体何の騒ぎだ?」

「何があったの?」

「おい、あれは?」

「えっ?」

「どこのバカがヴァイツゼッカー家と騒ぎを起こしたんだ?」
 
「ヴァイツゼッカー家?ってどっかで聞いたことあるような……」

「全くだ。こんな場で公爵家と揉めるなんてなんて命知らずだ」

「あの娘、子爵家じゃなかったか?」

「おいおい……」

「はっ?なんっ、えっ、こう…しゃく……け?」

「申し遅れた。私はハインリヒ・ヘルツォーク・フォン・ヴァイツゼッカーという。」

「あっ……」

 ようやく気づいたようだ。一体誰に何を言ったのか。

「先程は、息子の手が当たってしまい申し訳ない。だが…まさかあのように空気を作ってもらうことは今までなかったからね。息子はとても驚いてしまってね」

「はい……」

 ブルブルと震え、先ほどまで赤かった顔が青くなって来た。

「いくら今日この日交友を深める場といえども、爵位を越えて先に声を掛けてもらえるとは思っていなかったものでね」

「……」

「子爵家は大変忙しいようだね。君のような年若い者が保護者として来るなんて。今の時期、王宮に子爵が来られないとは余程のことがあったんだろう」

「……」

「はて?そちらの方で災害があったか?いやそれとも何か事業が忙しいのか?」

 青い顔がだんだん青白くなって来たな。

「……」

「まぁ、今回のことはこれくらいにしておこうかな。まだまだ若いのだからたくさん勉強が必要だものな。これからは気を……」

 ひとまず、ディーは無事だったことだし、これくらいの小言で済ませようとしたその時だった。

「どうしたのだ?爵位が高いからと言ってまさか、言いがかりでもつけているのか?」

 はぁ……また面倒なのが現れたな。
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