当て馬悪役令息に転生したはずが何故か俺がヒロインに狙われています

ちか

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マティスside

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 ヴァイツゼッカー公爵家に代々仕える家系である。

 この公爵家は今から二百年ほど前ヴァーノン朝期、ヴァルター四世の王弟であったアウグストが父のヴァルター三世よりヴァイツゼッカー公を叙爵され興した家である。その叙爵された際に、王宮で専属侍従を勤めていた我がデーリング家の者がそのまま初代ヴァイツゼッカー公に召し抱えられたのが始まりである。それ以来ずっと我が家系はヴァイツゼッカー家に仕えている。

 無論、私もこの公爵家にお仕え出来ることは誇りに思っていた。そしてゆくゆくは次代公爵のルードヴィヒ様にお仕えし、彼に頼られ、華々しい人生を歩むのだものだと思っていた。

 ところが、ルードヴィヒ様の従者には選ばれなかった。それは私がルードヴィヒ様より年下だったせいかと思い、渋々納得することにした。

 ならば、次兄のエドガー様かと思った。エドガー様に目をかけてもらえればそのうち、私の実力が分かり、ルードヴィヒ様の目に留まるかもしれない。それもそれで悪くない。そう思っていたが、エドガー様の従者にも選ばれなかった。

 どうしてこの私が選ばれないんだ。今度は年は私のが上だしお支えするにも申し分ないはずだ。なぜ私を選ばない。なんて見る目がないんだ。

 どうする?このままでは、あの気味の悪いしか残っていない。まあイリス様もいるが、所詮女は嫁いでしまうからな。だが、公爵家といえども三男も大した魅力がない。次男ですらあまり魅力的ではなかったしな。だが次男ならまだ、長男の補佐につく場合もあるから望みはあったんだがな。

 あの三男では私が仕えるには相応しくないな。だがまあこの際、奴で我慢するか。
 そう考えていると、従者ではなくに選ばれた。

 なんだそれは?!そんなもの聞いたことがない。今までそんなものなかったじゃないか!しかも私を含め三人もいるのか。こんなもの候補なんて形にしなくて私に決まりではないか。まあ公爵家の者が従者が一人では格好がつかないからな。まぁ私を筆頭にして他数名いてもいいか。

 それにしてもなんだ子爵家に男爵家だとうちは伯爵家だぞ。代々この家に支えているのだからこのようにしなくても私は決定でいいではないか。

 あとひと推しが足りないのか……くっ、一体どうすれば。こいつに恩を売って従者に選ばれれば、ルードヴィヒ様に近づき目に留まる機会も増えるはず。こいつにはせいぜい私の踏み台になってもらおうか。他の候補達も同様だな。
 とりあえず一人とはここでさよならだ。
 


 
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