当て馬悪役令息に転生したはずが何故か俺がヒロインに狙われています

ちか

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マティスside

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 よし、このマリウスとかいうやつに協力してもらおうか。こいつなら単純だからすぐ使えそうだな。

 そのためにはまず、街に行かなくてはな。まずマリウスにそれとなく、悪魔の子に街に行ってみようと話題を振らせるか。


     ***


 やはり、悪魔の子は外出したがらないか……どうする?先に外出許可を取ってきた方がいいか?それなら悪魔の子も行かざるを得まい。

 どうやって外出許可を取ろうか考えた末、悪魔の子が外に興味を持っているが言い出せないで悩んでいると父にそれとなく告げ、そこから旦那様に話を持っていってもらうことにした。
 そうしたら数日後、外出許可が取れたと父から言われた。思ったよりもあっさりとしており、気が抜けた。だがまあいい、計画通りだ。それであとは街まで行ってマリウスに街路の屋台にでも悪魔の子を連れ出すようにし、そんな悪魔の子の危機を救い、軽率な行動を取り、仕える家の子息を危険に晒したマリウスを叱責すれば俺の評価は上がり、反対にマリウスの評価は下がるだろう。それだけでも一歩先に行けるが、悪魔の子を暴漢にでも襲わせ、そこを俺が助けるなんて出来れば一番良いんだが。

 流石にそんな伝手はないし、そこまで危ない橋は渡れない。

 もしかしたら実際、街に行ったら襲われるかもしれないしな。そこは期待しておくか。


     ***


 街に着き、悪魔の子が広場の周辺を見て回っている時にマリウスにささやいた。ディートリヒ様に是非、街の味を教えてあげてほしい。以前食べてみたいとこぼされたが私には分からないのでと。
 そうしたらすぐに純粋で素直なマリウスは悪魔の子の手を引いて街路に走っていった。

 上手く行ったと思った。あとはこのまま追いかけて、悪魔の子を保護してマリウスを叱ればいい。

 そう思って後を追いかけると、マリウスが人相の悪い男に殴られて悪魔の子が捕まっていた。私は歓喜した。なんて私に都合のいい展開なんだ。こんな幸運が訪れるなんて。これも私の日頃の行いが良いせいだな。

 あとはこの優秀な私が悪魔の子を救出すればいいだけだ。こんな大きな恩が売れるとは。つい顔が緩んでしまう。いけない、いけない。もっと心配そうな顔をしなくては。今行きますよ。

 「ディートリヒ様!」

 私がそう叫び、今助けてやろうとしたまさにその時、横から汚い塊が暴漢に体当たりをした。

 なっ?!

 それと同時に私の描いた青写真がみるみる色褪せて行くような気がした。

 
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