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#1 レツオウガ起動
Chapter03 魔狼 12-07
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「ちょっと待った、何やってんだ霧宮さん」
「出来るかも……ううん、出来るんだよ。フェンリルの力の再現が」
両人差し指でおずおずと、しかし迷いなくレックウのコンソールを操作する風葉。
憑依したフェンリルが、己の力を顕現させようとしているのだ。
「おいおい……」
今度は辰巳が絶句する番であった。
確かにレックウにはレツオウガ本来の力、神影鎧装の能力を開放するための術式が搭載されている。
「……けどよ、ソイツは冥専用のヤツだったはずだぜ。借りる約束でもしたのか?」
「まさか。だいたいその術式が分かったのはついさっき、研究室でハンドルに触った時だもの。ただ……」
手を止め、風葉はミラー越しに辰巳を見返す。
「フェンリルがさ、すごいやる気満々なんだよ。何かこう、外に出たいらしくてさ」
「なんじゃそりゃ」
と言いつつも、辰巳は何となくその理由を察する。
乗っ取れなかった宿主に代わり、自分の身体を術式で造り上げようという魂胆なのだろうか。
「それに――これなら、今のガス欠をどうにか出来るはずだよ」
「なに?」
それは一体、どういう意味だ。
辰巳がそうう言うよりも先に、風葉はレックウのコンソールに叫ぶ。
「セット! フェンリ――」
『Error』
叫びを冷たく一蹴する電子音声。だが風葉は諦めない。
「いいから! 緊急事態なんだからちょっとくらい大目に見てよ!」
ばんばん、とコンソールを叩きながら無茶を言う風葉。
それが通じたのか、それともフェンリルが別口で術式経路をでっちあげたのか。
『G/etS/et/ R ea /dy』
若干ノイズ混じりながらも、システムがフェンリルを受け入れた。
「よっし!」
フェンリルに導かれ、風葉はレックウのハンドルを操作。入力に従ったレツオウガがしゃがみ込み、己の影に手を翳す。
さらりと、ガラスを撫でるような手つき。
それを合図に、レツオウガの影へ、術式が走った。
「出来るかも……ううん、出来るんだよ。フェンリルの力の再現が」
両人差し指でおずおずと、しかし迷いなくレックウのコンソールを操作する風葉。
憑依したフェンリルが、己の力を顕現させようとしているのだ。
「おいおい……」
今度は辰巳が絶句する番であった。
確かにレックウにはレツオウガ本来の力、神影鎧装の能力を開放するための術式が搭載されている。
「……けどよ、ソイツは冥専用のヤツだったはずだぜ。借りる約束でもしたのか?」
「まさか。だいたいその術式が分かったのはついさっき、研究室でハンドルに触った時だもの。ただ……」
手を止め、風葉はミラー越しに辰巳を見返す。
「フェンリルがさ、すごいやる気満々なんだよ。何かこう、外に出たいらしくてさ」
「なんじゃそりゃ」
と言いつつも、辰巳は何となくその理由を察する。
乗っ取れなかった宿主に代わり、自分の身体を術式で造り上げようという魂胆なのだろうか。
「それに――これなら、今のガス欠をどうにか出来るはずだよ」
「なに?」
それは一体、どういう意味だ。
辰巳がそうう言うよりも先に、風葉はレックウのコンソールに叫ぶ。
「セット! フェンリ――」
『Error』
叫びを冷たく一蹴する電子音声。だが風葉は諦めない。
「いいから! 緊急事態なんだからちょっとくらい大目に見てよ!」
ばんばん、とコンソールを叩きながら無茶を言う風葉。
それが通じたのか、それともフェンリルが別口で術式経路をでっちあげたのか。
『G/etS/et/ R ea /dy』
若干ノイズ混じりながらも、システムがフェンリルを受け入れた。
「よっし!」
フェンリルに導かれ、風葉はレックウのハンドルを操作。入力に従ったレツオウガがしゃがみ込み、己の影に手を翳す。
さらりと、ガラスを撫でるような手つき。
それを合図に、レツオウガの影へ、術式が走った。
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