159 / 162
#1 レツオウガ起動
Chapter03 魔狼 13-11
しおりを挟む
同時に、即席の術式も組み上がる。
風葉とは違い、手持ちの術式をつなぎ合わせた即席のパッチワーク。
だが、それで十分だ。
眼前の敵を、自分の影を、打ち破るのならば。
「ちょいと、がんばってみるか――!」
今までとは打って変わり、二刀をゆらりと下段に構えるレツオウガ。ともすれば棒立ちにも見える体勢で、レツオウガはオーディンを見上げる。
「――タービュランス・アーマーッ! リミッターアウト!」
轟。
辰巳の指令に従い、レツオウガが爆ぜた。
脚部、腕部、胴体、頭。タービュランス・アーマーから霊力が、瀑布のように噴出したのだ。
それはまさに烈風――というよりも、もはや台風だ。ヴォルテック・バスターの術式を応用して無理矢理に発動した風の断層は、幾重もの渦を巻きながらオーディンへと直撃。その巨体を空中に縫い止める。
「な、んだこれは!?」
もがくギノアだが、オーディンは指先一つ動かない。それを頭上に仰ぎながら、レツオウガは改めて二刀を構える。
水平に、レールのごとくまっすぐに携えながら、辰巳は叫ぶ。
「モードチェンジ! アッセンブル!」
『Roger Executioner's sword Ready』
瞬間、バシリと。
二刀の合間に紫電が閃いた。
――本来なら正規パイロットである筈の冥が操作し、神影鎧装の力を放射するための処刑剣術式。
それを、辰巳は無理矢理に起動させたのだ。
本来の霊力に代わり、投入されるは今しがたフェンリルが喰らったRフィールド、ほぼ全て。
ともすればオーバーフローを起こしかねない量の霊力を無理矢理に流し込んで圧縮し、形成されるは長大な光の塊。
灰銀色に輝く、身長の二倍はあるそれを、レツオウガは振りかぶった。
接合された二刀を土台として、天を衝く巨大で強大な刃。それを携え、レツオウガは跳ぶ。
「う、お、おぉぉぉっ!」
咆哮。
光の軌跡を描きながら一直線に跳ぶさまは、さながら稲妻であり。
遥か頭上。オーディンを断罪すべく現れたレツオウガの、その圧倒的な輝きに、ギノアは息を呑んだ。
「ブレードッ! スマッシャァァァァッ!!」
かくして辰巳は、レツオウガは、灰銀に輝く剣を振り下ろす。
インペイル・バスターの強制接続能力を用いて、無理矢理に接合されていた莫大な霊力塊――ブレード・スマッシャーが、開放される。
轟。
手綱を解かれた灰銀の刃は巨大な奔流と化し、オーディンを真正面から飲み込んだ。
風葉とは違い、手持ちの術式をつなぎ合わせた即席のパッチワーク。
だが、それで十分だ。
眼前の敵を、自分の影を、打ち破るのならば。
「ちょいと、がんばってみるか――!」
今までとは打って変わり、二刀をゆらりと下段に構えるレツオウガ。ともすれば棒立ちにも見える体勢で、レツオウガはオーディンを見上げる。
「――タービュランス・アーマーッ! リミッターアウト!」
轟。
辰巳の指令に従い、レツオウガが爆ぜた。
脚部、腕部、胴体、頭。タービュランス・アーマーから霊力が、瀑布のように噴出したのだ。
それはまさに烈風――というよりも、もはや台風だ。ヴォルテック・バスターの術式を応用して無理矢理に発動した風の断層は、幾重もの渦を巻きながらオーディンへと直撃。その巨体を空中に縫い止める。
「な、んだこれは!?」
もがくギノアだが、オーディンは指先一つ動かない。それを頭上に仰ぎながら、レツオウガは改めて二刀を構える。
水平に、レールのごとくまっすぐに携えながら、辰巳は叫ぶ。
「モードチェンジ! アッセンブル!」
『Roger Executioner's sword Ready』
瞬間、バシリと。
二刀の合間に紫電が閃いた。
――本来なら正規パイロットである筈の冥が操作し、神影鎧装の力を放射するための処刑剣術式。
それを、辰巳は無理矢理に起動させたのだ。
本来の霊力に代わり、投入されるは今しがたフェンリルが喰らったRフィールド、ほぼ全て。
ともすればオーバーフローを起こしかねない量の霊力を無理矢理に流し込んで圧縮し、形成されるは長大な光の塊。
灰銀色に輝く、身長の二倍はあるそれを、レツオウガは振りかぶった。
接合された二刀を土台として、天を衝く巨大で強大な刃。それを携え、レツオウガは跳ぶ。
「う、お、おぉぉぉっ!」
咆哮。
光の軌跡を描きながら一直線に跳ぶさまは、さながら稲妻であり。
遥か頭上。オーディンを断罪すべく現れたレツオウガの、その圧倒的な輝きに、ギノアは息を呑んだ。
「ブレードッ! スマッシャァァァァッ!!」
かくして辰巳は、レツオウガは、灰銀に輝く剣を振り下ろす。
インペイル・バスターの強制接続能力を用いて、無理矢理に接合されていた莫大な霊力塊――ブレード・スマッシャーが、開放される。
轟。
手綱を解かれた灰銀の刃は巨大な奔流と化し、オーディンを真正面から飲み込んだ。
0
あなたにおすすめの小説
ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜
KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞
ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。
諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。
そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。
捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。
腕には、守るべきメイドの少女。
眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。
―――それは、ただの不運な落下のはずだった。
崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。
その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。
死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。
だが、その力の代償は、あまりにも大きい。
彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”――
つまり平和で自堕落な生活そのものだった。
これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、
守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、
いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。
―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。
オッサン齢50過ぎにしてダンジョンデビューする【なろう100万PV、カクヨム20万PV突破】
山親爺大将
ファンタジー
剣崎鉄也、4年前にダンジョンが現れた現代日本で暮らす53歳のおっさんだ。
失われた20年世代で職を転々とし今は介護職に就いている。
そんな彼が交通事故にあった。
ファンタジーの世界ならここで転生出来るのだろうが、現実はそんなに甘く無い。
「どうしたものかな」
入院先の個室のベッドの上で、俺は途方に暮れていた。
今回の事故で腕に怪我をしてしまい、元の仕事には戻れなかった。
たまたま保険で個室代も出るというので個室にしてもらったけど、たいして蓄えもなく、退院したらすぐにでも働かないとならない。
そんな俺は交通事故で死を覚悟した時にひとつ強烈に後悔をした事があった。
『こんな事ならダンジョンに潜っておけばよかった』
である。
50過ぎのオッサンが何を言ってると思うかもしれないが、その年代はちょうど中学生くらいにファンタジーが流行り、高校生くらいにRPGやライトノベルが流行った世代である。
ファンタジー系ヲタクの先駆者のような年代だ。
俺もそちら側の人間だった。
年齢で完全に諦めていたが、今回のことで自分がどれくらい未練があったか理解した。
「冒険者、いや、探索者っていうんだっけ、やってみるか」
これは体力も衰え、知力も怪しくなってきて、ついでに運にも見放されたオッサンが無い知恵絞ってなんとか探索者としてやっていく物語である。
注意事項
50過ぎのオッサンが子供ほどに歳の離れた女の子に惚れたり、悶々としたりするシーンが出てきます。
あらかじめご了承の上読み進めてください。
注意事項2 作者はメンタル豆腐なので、耐えられないと思った感想の場合はブロック、削除等をして見ないという行動を起こします。お気を悪くする方もおるかと思います。予め謝罪しておきます。
注意事項3 お話と表紙はなんの関係もありません。
攻撃魔法を使えないヒーラーの俺が、回復魔法で最強でした。 -俺は何度でも救うとそう決めた-【[完]】
水無月いい人(minazuki)
ファンタジー
【HOTランキング一位獲得作品】
【一次選考通過作品】
---
とある剣と魔法の世界で、
ある男女の間に赤ん坊が生まれた。
名をアスフィ・シーネット。
才能が無ければ魔法が使えない、そんな世界で彼は運良く魔法の才能を持って産まれた。
だが、使用できるのは攻撃魔法ではなく回復魔法のみだった。
攻撃魔法を一切使えない彼は、冒険者達からも距離を置かれていた。
彼は誓う、俺は回復魔法で最強になると。
---------
もし気に入っていただけたら、ブクマや評価、感想をいただけると大変励みになります!
#ヒラ俺
この度ついに完結しました。
1年以上書き続けた作品です。
途中迷走してました……。
今までありがとうございました!
---
追記:2025/09/20
再編、あるいは続編を書くか迷ってます。
もし気になる方は、
コメント頂けるとするかもしれないです。
勝手にダンジョンを創られ魔法のある生活が始まりました
久遠 れんり
ファンタジー
別の世界からの侵略を機に地球にばらまかれた魔素、元々なかった魔素の影響を受け徐々に人間は進化をする。
魔法が使えるようになった人類。
侵略者の想像を超え人類は魔改造されていく。
カクヨム公開中。
芙蓉は後宮で花開く
速見 沙弥
キャラ文芸
下級貴族の親をもつ5人姉弟の長女 蓮花《リェンファ》。
借金返済で苦しむ家計を助けるために後宮へと働きに出る。忙しくも穏やかな暮らしの中、出会ったのは翡翠の色の目をした青年。さらに思いもよらぬ思惑に巻き込まれてゆくーーー
カクヨムでも連載しております。
『専属メイド全員が重すぎる愛で迫ってくる!~大学生の僕、11人?の美女に24時間甘やかされ尽くす生活~』
まさき
青春
僕は、ちょっと普通じゃない日常を送ることになった――それは、専属メイドが全員僕のことを溺愛してくれる暮らしだ。
朝は髪を整えてくれるリナ、朝食で笑顔を見せてくれるミユ、どの瞬間も全力で僕を甘やかす。掃除、料理、悩み相談まで、僕のためだけに動くメイドたち。
「ご主人様の笑顔が見たいんです」
その一言で、僕の毎日はちょっとドキドキ、ちょっと幸せ。
全員が僕を独占したいと競い合う日常の中、僕はどうやってこの溺愛地獄(?)を生き抜けばいいのか――!?
甘々、至れり尽くせりの日常ラブコメ、開幕。
「作品への感想代わりの『いいね❤️』や『エール📣』、心よりお待ちしております。」
「【応援のお願い】『いいね❤️』や『エール📣』をいただけると、作者のモチベーションが爆上がりします!」
「最後までお読みいただきありがとうございます。温かい『いいね❤️』が更新の支えです。」
99歳で亡くなり異世界に転生した老人は7歳の子供に生まれ変わり、召喚魔法でドラゴンや前世の世界の物を召喚して世界を変える
ハーフのクロエ
ファンタジー
夫が病気で長期入院したので夫が途中まで書いていた小説を私なりに書き直して完結まで投稿しますので応援よろしくお願いいたします。
主人公は建築会社を55歳で取り締まり役常務をしていたが惜しげもなく早期退職し田舎で大好きな農業をしていた。99歳で亡くなった老人は前世の記憶を持ったまま7歳の少年マリュウスとして異世界の僻地の男爵家に生まれ変わる。10歳の鑑定の儀で、火、水、風、土、木の5大魔法ではなく、この世界で初めての召喚魔法を授かる。最初に召喚出来たのは弱いスライム、モグラ魔獣でマリウスはガッカリしたが優しい家族に見守られ次第に色んな魔獣や地球の、物などを召喚出来るようになり、僻地の男爵家を発展させ気が付けば大陸一豊かで最強の小さい王国を起こしていた。
第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。
黒ハット
ファンタジー
前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる