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あなたを好きになる理由
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「新しい所長は若くて独身で伯爵家の嫡男らしいわね」
先の医薬研究所の所長が新薬開発の功績から陞爵し、所長の座を退いた。
新しい所長をアイシスはまだ見た事は無いが、新薬開発にも関わった新しい所長が、伯爵家の嫡男で現在も独身だという噂をきき、医薬研究所への書類運びはアイシスには回ってこなくなってしまった。
本当に、噂を聞きつける力と、その行動力は下級侍女達に敵う者はいないのではないかと思うほど、凄まじいものだった。
アイシスの耳に入る頃にはとっくに皆が知っていて、最近、何故か医薬研究所にいく事が無いなと思って上役の侍女に聞いたところ、「貴女も懲りないわね」と呆れた顔で言われてしまった。
「見た事ある?」
「いや。……もともと自分の研究しか興味ないって噂の人だろ」
「もしかして知り合い?」
「ん~……名前と噂くらい?」
「何も知らないなら噂を信じて、お話する前から悪口みたいな事言ったらだめよ」
「へーい」
「もうっ私は真面目に言ってるのに」
「……アイシスも他の侍女さん達みたいに、その人を狙いにいくの?」
エリクがニヤリと揶揄うように笑っている。いつものやる気の無さそうな表情が崩れ、少し悪い人のように笑う様子はアイシスの胸をざわつかせた。
「嫌な言い方しないでよ。今までだったら興味あったけど、もういいの」
「はぁ?もういい?なんで?」
「夢だった王都暮らし、王城勤めも叶えたけど、私が思っていたような場所とは違ったみたいだし」
「なんかそんな弱気なこと言うアイシスは初めて見たよ」
残りのレモンケーキを食べながら、なんとか明るい声を出す。
「両親からね、そろそろ帰って来ないかって手紙が来ちゃったのよ。二年で何がそろそろよと思わなくもないけど、もともと、侍女にも受からないと思ってたみたいだからね」
エリクが驚いた顔をして、アイシスを見つめている。いつもの眠たそうな目が大きく開かれ、口を開けたままポカンとした表情をしている。そんな顔をするエリクは珍しく、アイシスは声を出して笑ってしまった。
「婚約者候補は『優しい人』らしいわよ。今までだったら絶対嫌だったけど……」
きっと両親が決めた「優しい」結婚相手と暮らしていくのだ。
「誰かさんみたいな『優しい人』だったらいいなーと思っているわ」
周りの人や見知った店員に聞かれるのは気まずかったので、少し声の音量を落として、エリクの耳元に近づき囁いた。
「ねぇ。エリク。私の事抱かない?実家に帰って知らない優しい人に初めてをあげるくらいなら、知ってる優しい人がいいんだけれど」
ガタッと音を立て驚いたエリクの様子に、恥ずかしさが一気に襲ってくるが、ここで引くわけにはいかなかった。手紙を読んだ時から悩み続けて、今日は言うと決めて来たのだ。
「エリクなら絶対酷いことはしないでしょ?なんたってこんな私にずっと文句は言うけど付き合ってくれるくらい良い人だし。よく知りもしない人に好き勝手される前に、嫌なことは嫌って言える相手の方がいいじゃない。あ。私ちゃんと胸はあるのよ。顔もなかなか可愛いでしょ?エリクの好みの女じゃないのは知ってるけど……」
恥ずかしさから、言葉が勝手にポンポンと出ていき、止まる事はない。もうそろそろ、止めたいが止め方が分からなかった。
その時、伸ばされた手が、アイシスの手首を掴んだ。触れた熱い感触に驚き言葉が途切れる。
「アイシス…………冗談でもそんな事言うもんじゃないよ。俺が本気にしたらどうするんだ」
「冗談とか嫌いなのよ。私」
顔を上げてエリクを睨むように見上げると、真剣な瞳と視線が絡んだ。
「真剣なら、なお悪い」
苦しそうに呟いたエリクは、アイシスの手首を掴んだまま、少し乱暴に店の外に連れ出していく。常連であるの二人のいつもと違う様子に、店の店主は驚いた顔をしているが、声をかけてくることはなかった。
エリクが辻馬車の荷台に乗り込むと、御者に「全て忘れろ」と硬貨の入った袋を投げた。
扉を閉めるのと同時に、アイシスを壁に押し付けるように拘束し、唇が触れそうな距離で見つめてきたエリクは何かを堪える様に、唇を噛んでいる。
「アイシス。魔が差しただけなら今、止めてくれ。これ以上触れたら戻れない」
あはははっ!と大きく笑ったアイシスは、エリクの頬にカプリと軽く歯をあてて齧り付いた。
「キスはエリクからしてね。こんな時くらいかっこつけなさいよ」
グッとうなったエリクがアイシスの唇を奪う。塞がれた唇には、湿った柔らかい感触が触れ、中を探ろう深く押し入ってくる温かいモノは優しく上顎を伝いながら唾液を溢れさせた。
「んっふっ……んっぁっ……」
深くなるキスに翻弄されているアイシスは漏れる息や、声を抑えられなくなっていた。
エリクが御者台に続く小窓を拳でドンッと叩くと、ゆっくりと馬車が動き出した。
走り出した車輪の音が、馬車の中に響く吐息と水音をかき消している。
「んっ……!エリクっ」
「アイシス……っ!」
掴まれた手首はそのまま、柔らかな座面に固定され、上から押し付けるように、アイシスを見下ろしたエリクがまた、何かを堪えるような表情をしている。
「夢じゃないのか?」
「んっ……なに?夢のがよかったとでも言うの?」
「……いや。夢なら優しくできないから」
「……?」
苦笑したエリクが、いつも、王都に食事に行く時に着ている簡素なドレスの胸のボタンをプチプチと外していく。押さえつけるように巻かれていた胸当てを押し上げられると、弾けるように白い双丘がエリクの目に晒された。馬車の揺れに合わせて震える様子は誘っているようで、恥ずかしさが込み上げてくる。
「そんなに見ないで……っ」
「さすが、自分で言うだけあるね」
「なっ……なにっ」
「あ~……優しくできるかなぁ。もう不安になってきた」
薄赤い頂を口に含み、もう片方を手に包んだエリクと目があった。
自分の胸に、エリクが吸い付いているという絵面は、思考を停止させるほど衝撃的だった。
「ちょっと舐めるよ」
「あぁっ!そこで喋らないでっ」
恥ずかしさで段々と固くなっていく頂に、エリクの舌がまとわりついた。
「潰しちゃダメっ!エリクっ!んっ…!あんっ」
「アイシス。声抑えて。御者に聞こえる」
「そんっなっ……」
抑えてといいながら、反対側の頂を摘んでいた指を押し潰すように押し込まれた。新たな刺激に背中にピリッと刺激が走る。
「んっ…ん~っ!!」
自分の手で口を抑えてなんとか、声を抑えるが、溢れた息までは止める事ができなかった。その間にもなでるようなら指の感触は続いていて、ゾクゾクと背中をかける感覚は止まる事なく、増え続けている。
「胸、感じやすいね」
「やらしい事言わないでっ」
「え~。やらしい事してるんだよ。アイシス」
スカートを捲り上げ太ももを撫でていた手が、下着をずらしながらアイシスが自分でも触った事がない場所を探りだした。
「そこは……っ」
「大丈夫。任せて」
「ンッあっん……!」
エリクの指が閉じられていた割れ目を開いたとき、ぬるりと何か水のような物を感じた。
「濡れてる。俺とのキス気持ちよかった?」
「……エリクのキスは優しくて好きよ」
「わぁ。素直で可愛い」
唇を食むようなキスを繰り返しながら指を動かし、水のような物を広げていくエリクの動きに集中していく。ゆっくりと中心の突起にクルクル円を描きながら溢れている液体を塗るように指を押しつけられると、腰にビリビリとした快感が走り、自然と揺れ動いていた。
「ん……っ」
「腰が揺れてる。胸とどっちが気持ちいい?」
「……いまっ……」
「何でこんな時は素直なんだろうね」
はははっと笑ったエリクが、ちゅっと音を立て唇を吸った。
「はい。持っててね」
「エリク……?」
アイシスを座らせて、ドレスのスカートを持たせたエリクは、今まで指で触っていた場所に顔を近づけて、下着をずらしながらながら、固く尖らせてた舌で同じようにクルクルと舐め始めた。
「いやっ!エリクっ!そんな所……っ!!」
「アイシス。声抑えて」
舌を出しながら、眉根を寄せてアイシスに黙るように言うと、ジュっと音を立てて、先ほどまで指でこねていた突起を吸った。自分の体がビクッと揺れ、目の前がフワリと白くなるが、続いてゆっくり体の中心に入ってきた異物感に一気に意識が戻された。
「なにぃ?……こわいっ」
「大丈夫。このままゆっくり進めるから」
「んっーっ!」
「アイシスはこっちに集中して」
強い快感を与えてくる突起への愛撫は続き、お腹の中心に燻るような違和感を溜めていく。
エリクの髪が太ももに擦れる感覚でさえ、ビクッと体が勝手に揺れ出している。
何かが溢れる寸前のもどかしさが体を駆け巡っている。
「はぁー……はぁー……んっっあぁんっ!エリク……!お腹が熱いの。助けて」
もどかしさから解放されたくて、エリクに助けを求めると、エリクは揶揄うように目を細めて、アイシスを見上げた。
ただ、体の中にいるだけだった指がお腹を擦るように動き出し、アイシスの小さな穴を押し広げていく。異物感は増えていくが、エリクの指が動く度に、新しい熱が溢れた。
「んぁんっ!!それっ……!あっあっあっ……あっあっんっ!!」
指の出し入れに合わせて漏れる声が止まらなくなっていく。段々と増していく水音とアイシスの声が馬車の中に響く。出したくないのに、誰にも聞かれたくないのに、自分では止める事ができない事が酷く恥ずかしかった。
「んっっあぁぁっ!」
エリクの指が少し深めに腹側を擦った時、今までに無いほど大きな声が出てしまい、慌てて自分の口を閉じた。
「ここ好きだね。じゃあここいっぱい撫でようか」
「えっあぁっ!まって!まだビリビリするっ……」
嬉しそうに微笑んだエリクはアイシスが悦ぶ場所を撫でた。再び、溢れそうな快感をお腹に溜め出したアイシスは、固くなった突起への愛撫が強くなると、もう、声を抑える事は難しくなっていた。
「んっっ………はぁっはぁっはぁっんっ……っ!エリクったすけっ……!!」
アイシスが覚えているのは、自分の物では無いのでは無いかと思うほど、ビクンビクンと震えた体に、白くなっていく視界に映る優しく微笑んだエリクの顔だった。
目が覚めた時には、自分の部屋のベッドの上だった。馬車の中で気を失ったアイシスをエリクが運んでくれたのかもしれない。今までも、お酒で失敗した時、何度か家まで運んでもらった事がある。
(なによ……。今日くらい一緒にいてくれてもよかったじゃない)
周りを見渡して、エリクの姿が見えなかった事に酷くがっかりしてしまった。
(結局、最後までしたいって思える女じゃ無かったって事ね)
エリクの好みが気の強い手のかかる女だったら、自分が誰にでも優しい女だったら違った未来があったのかもしれない。
だが、アイシスは、広い王城の中で、何の役にも立っていない二人という関係が好きだった。
両親からの手紙が来なかったら、これからもずっと、あの門に通っていただろう。
「あー!王城は思っていたよりも、キラキラしてなかったし、ただいるだけじゃ凄い人にもなれなかったし、そんなに未練はないんだけど、もっとエリクといたかったなぁ……」
自ら壊してしまったエリクとの関係に、涙は出なかった。余るほど優しい彼なら、アイシスの誘いを無下に断る事はないだろうという打算だった。
「あんたみたいに優しい奴なんているわけないじゃない……。どうしてくれるのよ」
ははっと乾いた笑いが部屋の中に響いた。
先の医薬研究所の所長が新薬開発の功績から陞爵し、所長の座を退いた。
新しい所長をアイシスはまだ見た事は無いが、新薬開発にも関わった新しい所長が、伯爵家の嫡男で現在も独身だという噂をきき、医薬研究所への書類運びはアイシスには回ってこなくなってしまった。
本当に、噂を聞きつける力と、その行動力は下級侍女達に敵う者はいないのではないかと思うほど、凄まじいものだった。
アイシスの耳に入る頃にはとっくに皆が知っていて、最近、何故か医薬研究所にいく事が無いなと思って上役の侍女に聞いたところ、「貴女も懲りないわね」と呆れた顔で言われてしまった。
「見た事ある?」
「いや。……もともと自分の研究しか興味ないって噂の人だろ」
「もしかして知り合い?」
「ん~……名前と噂くらい?」
「何も知らないなら噂を信じて、お話する前から悪口みたいな事言ったらだめよ」
「へーい」
「もうっ私は真面目に言ってるのに」
「……アイシスも他の侍女さん達みたいに、その人を狙いにいくの?」
エリクがニヤリと揶揄うように笑っている。いつものやる気の無さそうな表情が崩れ、少し悪い人のように笑う様子はアイシスの胸をざわつかせた。
「嫌な言い方しないでよ。今までだったら興味あったけど、もういいの」
「はぁ?もういい?なんで?」
「夢だった王都暮らし、王城勤めも叶えたけど、私が思っていたような場所とは違ったみたいだし」
「なんかそんな弱気なこと言うアイシスは初めて見たよ」
残りのレモンケーキを食べながら、なんとか明るい声を出す。
「両親からね、そろそろ帰って来ないかって手紙が来ちゃったのよ。二年で何がそろそろよと思わなくもないけど、もともと、侍女にも受からないと思ってたみたいだからね」
エリクが驚いた顔をして、アイシスを見つめている。いつもの眠たそうな目が大きく開かれ、口を開けたままポカンとした表情をしている。そんな顔をするエリクは珍しく、アイシスは声を出して笑ってしまった。
「婚約者候補は『優しい人』らしいわよ。今までだったら絶対嫌だったけど……」
きっと両親が決めた「優しい」結婚相手と暮らしていくのだ。
「誰かさんみたいな『優しい人』だったらいいなーと思っているわ」
周りの人や見知った店員に聞かれるのは気まずかったので、少し声の音量を落として、エリクの耳元に近づき囁いた。
「ねぇ。エリク。私の事抱かない?実家に帰って知らない優しい人に初めてをあげるくらいなら、知ってる優しい人がいいんだけれど」
ガタッと音を立て驚いたエリクの様子に、恥ずかしさが一気に襲ってくるが、ここで引くわけにはいかなかった。手紙を読んだ時から悩み続けて、今日は言うと決めて来たのだ。
「エリクなら絶対酷いことはしないでしょ?なんたってこんな私にずっと文句は言うけど付き合ってくれるくらい良い人だし。よく知りもしない人に好き勝手される前に、嫌なことは嫌って言える相手の方がいいじゃない。あ。私ちゃんと胸はあるのよ。顔もなかなか可愛いでしょ?エリクの好みの女じゃないのは知ってるけど……」
恥ずかしさから、言葉が勝手にポンポンと出ていき、止まる事はない。もうそろそろ、止めたいが止め方が分からなかった。
その時、伸ばされた手が、アイシスの手首を掴んだ。触れた熱い感触に驚き言葉が途切れる。
「アイシス…………冗談でもそんな事言うもんじゃないよ。俺が本気にしたらどうするんだ」
「冗談とか嫌いなのよ。私」
顔を上げてエリクを睨むように見上げると、真剣な瞳と視線が絡んだ。
「真剣なら、なお悪い」
苦しそうに呟いたエリクは、アイシスの手首を掴んだまま、少し乱暴に店の外に連れ出していく。常連であるの二人のいつもと違う様子に、店の店主は驚いた顔をしているが、声をかけてくることはなかった。
エリクが辻馬車の荷台に乗り込むと、御者に「全て忘れろ」と硬貨の入った袋を投げた。
扉を閉めるのと同時に、アイシスを壁に押し付けるように拘束し、唇が触れそうな距離で見つめてきたエリクは何かを堪える様に、唇を噛んでいる。
「アイシス。魔が差しただけなら今、止めてくれ。これ以上触れたら戻れない」
あはははっ!と大きく笑ったアイシスは、エリクの頬にカプリと軽く歯をあてて齧り付いた。
「キスはエリクからしてね。こんな時くらいかっこつけなさいよ」
グッとうなったエリクがアイシスの唇を奪う。塞がれた唇には、湿った柔らかい感触が触れ、中を探ろう深く押し入ってくる温かいモノは優しく上顎を伝いながら唾液を溢れさせた。
「んっふっ……んっぁっ……」
深くなるキスに翻弄されているアイシスは漏れる息や、声を抑えられなくなっていた。
エリクが御者台に続く小窓を拳でドンッと叩くと、ゆっくりと馬車が動き出した。
走り出した車輪の音が、馬車の中に響く吐息と水音をかき消している。
「んっ……!エリクっ」
「アイシス……っ!」
掴まれた手首はそのまま、柔らかな座面に固定され、上から押し付けるように、アイシスを見下ろしたエリクがまた、何かを堪えるような表情をしている。
「夢じゃないのか?」
「んっ……なに?夢のがよかったとでも言うの?」
「……いや。夢なら優しくできないから」
「……?」
苦笑したエリクが、いつも、王都に食事に行く時に着ている簡素なドレスの胸のボタンをプチプチと外していく。押さえつけるように巻かれていた胸当てを押し上げられると、弾けるように白い双丘がエリクの目に晒された。馬車の揺れに合わせて震える様子は誘っているようで、恥ずかしさが込み上げてくる。
「そんなに見ないで……っ」
「さすが、自分で言うだけあるね」
「なっ……なにっ」
「あ~……優しくできるかなぁ。もう不安になってきた」
薄赤い頂を口に含み、もう片方を手に包んだエリクと目があった。
自分の胸に、エリクが吸い付いているという絵面は、思考を停止させるほど衝撃的だった。
「ちょっと舐めるよ」
「あぁっ!そこで喋らないでっ」
恥ずかしさで段々と固くなっていく頂に、エリクの舌がまとわりついた。
「潰しちゃダメっ!エリクっ!んっ…!あんっ」
「アイシス。声抑えて。御者に聞こえる」
「そんっなっ……」
抑えてといいながら、反対側の頂を摘んでいた指を押し潰すように押し込まれた。新たな刺激に背中にピリッと刺激が走る。
「んっ…ん~っ!!」
自分の手で口を抑えてなんとか、声を抑えるが、溢れた息までは止める事ができなかった。その間にもなでるようなら指の感触は続いていて、ゾクゾクと背中をかける感覚は止まる事なく、増え続けている。
「胸、感じやすいね」
「やらしい事言わないでっ」
「え~。やらしい事してるんだよ。アイシス」
スカートを捲り上げ太ももを撫でていた手が、下着をずらしながらアイシスが自分でも触った事がない場所を探りだした。
「そこは……っ」
「大丈夫。任せて」
「ンッあっん……!」
エリクの指が閉じられていた割れ目を開いたとき、ぬるりと何か水のような物を感じた。
「濡れてる。俺とのキス気持ちよかった?」
「……エリクのキスは優しくて好きよ」
「わぁ。素直で可愛い」
唇を食むようなキスを繰り返しながら指を動かし、水のような物を広げていくエリクの動きに集中していく。ゆっくりと中心の突起にクルクル円を描きながら溢れている液体を塗るように指を押しつけられると、腰にビリビリとした快感が走り、自然と揺れ動いていた。
「ん……っ」
「腰が揺れてる。胸とどっちが気持ちいい?」
「……いまっ……」
「何でこんな時は素直なんだろうね」
はははっと笑ったエリクが、ちゅっと音を立て唇を吸った。
「はい。持っててね」
「エリク……?」
アイシスを座らせて、ドレスのスカートを持たせたエリクは、今まで指で触っていた場所に顔を近づけて、下着をずらしながらながら、固く尖らせてた舌で同じようにクルクルと舐め始めた。
「いやっ!エリクっ!そんな所……っ!!」
「アイシス。声抑えて」
舌を出しながら、眉根を寄せてアイシスに黙るように言うと、ジュっと音を立てて、先ほどまで指でこねていた突起を吸った。自分の体がビクッと揺れ、目の前がフワリと白くなるが、続いてゆっくり体の中心に入ってきた異物感に一気に意識が戻された。
「なにぃ?……こわいっ」
「大丈夫。このままゆっくり進めるから」
「んっーっ!」
「アイシスはこっちに集中して」
強い快感を与えてくる突起への愛撫は続き、お腹の中心に燻るような違和感を溜めていく。
エリクの髪が太ももに擦れる感覚でさえ、ビクッと体が勝手に揺れ出している。
何かが溢れる寸前のもどかしさが体を駆け巡っている。
「はぁー……はぁー……んっっあぁんっ!エリク……!お腹が熱いの。助けて」
もどかしさから解放されたくて、エリクに助けを求めると、エリクは揶揄うように目を細めて、アイシスを見上げた。
ただ、体の中にいるだけだった指がお腹を擦るように動き出し、アイシスの小さな穴を押し広げていく。異物感は増えていくが、エリクの指が動く度に、新しい熱が溢れた。
「んぁんっ!!それっ……!あっあっあっ……あっあっんっ!!」
指の出し入れに合わせて漏れる声が止まらなくなっていく。段々と増していく水音とアイシスの声が馬車の中に響く。出したくないのに、誰にも聞かれたくないのに、自分では止める事ができない事が酷く恥ずかしかった。
「んっっあぁぁっ!」
エリクの指が少し深めに腹側を擦った時、今までに無いほど大きな声が出てしまい、慌てて自分の口を閉じた。
「ここ好きだね。じゃあここいっぱい撫でようか」
「えっあぁっ!まって!まだビリビリするっ……」
嬉しそうに微笑んだエリクはアイシスが悦ぶ場所を撫でた。再び、溢れそうな快感をお腹に溜め出したアイシスは、固くなった突起への愛撫が強くなると、もう、声を抑える事は難しくなっていた。
「んっっ………はぁっはぁっはぁっんっ……っ!エリクったすけっ……!!」
アイシスが覚えているのは、自分の物では無いのでは無いかと思うほど、ビクンビクンと震えた体に、白くなっていく視界に映る優しく微笑んだエリクの顔だった。
目が覚めた時には、自分の部屋のベッドの上だった。馬車の中で気を失ったアイシスをエリクが運んでくれたのかもしれない。今までも、お酒で失敗した時、何度か家まで運んでもらった事がある。
(なによ……。今日くらい一緒にいてくれてもよかったじゃない)
周りを見渡して、エリクの姿が見えなかった事に酷くがっかりしてしまった。
(結局、最後までしたいって思える女じゃ無かったって事ね)
エリクの好みが気の強い手のかかる女だったら、自分が誰にでも優しい女だったら違った未来があったのかもしれない。
だが、アイシスは、広い王城の中で、何の役にも立っていない二人という関係が好きだった。
両親からの手紙が来なかったら、これからもずっと、あの門に通っていただろう。
「あー!王城は思っていたよりも、キラキラしてなかったし、ただいるだけじゃ凄い人にもなれなかったし、そんなに未練はないんだけど、もっとエリクといたかったなぁ……」
自ら壊してしまったエリクとの関係に、涙は出なかった。余るほど優しい彼なら、アイシスの誘いを無下に断る事はないだろうという打算だった。
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