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後ろから抱きしめて!
Case10
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「最後って、独健さんじゃないですか? これをやる意味がないですよね」
「俺はこの役目だ」
ウェディングドレスを着て祭壇の前に立っている妻に、独健は近づいていった。深緑の光沢が入ったタキシードが、聖堂の淡い明かりに輝く。
颯茄の近くまでやってくると、独健は手袋を脱いだ。そして、妻の左手を取って、結婚指輪をはめてゆく。彼女の指先には少し冷たい金属の感触がなでた。
「ありがとうございます」
妻は指を自分の顔の前に持ってきて、幸せそうに微笑んだ。
「うわ、これ、みんなのイメージの宝石がひとつずつ埋め込まれてるんですね」
「そうだ。これを見ると、いろいろな出来事も乗り越えられるんだ」
「私もこれを見て、今までよりも仕事をこなしていきます」
なんて素敵な結婚指輪だろう。みんなをイメージした宝石がついているなど、世界にひとつしかない宝物だ。そう思うと、颯茄は熱にうなされたようにゆらゆらとその場で揺れて、ふらふらと独健から遠ざかって行こうとした。夫は慌てて妻を止める。
「ちょっと、待った!」
「え……?」
「キスがまだだろう?」
「あ、そうでした」
妻の乱れた髪を指先で直して、独健は優しく微笑んだ。
「それでは、誓いの言葉を……」
独健は一呼吸おいて、真剣な顔で語り出した。
「お前のそばにいないのは、他のやつとの時間を大切にして欲しいからだ。お前が幸せなら俺はそれでいい。だからって、見てないんじゃない。ちゃんと見てるから心配するな。ずっとそばにいるって誓う」
「ありがとうございます。気遣ってくださって」
いつもいないから、あまり興味がないのだと思っていたが、そんなことはなかったのだ。胸に愛がしみて、颯茄はまた涙をこぼしそうになった。
「愛してる」
唇が触れると、さっきのキャンディーの甘さと独健の匂いが混じって、妻の世界はくるくると回りだすのだった。
倒れそうになるのを、しっかりと支えられながら、妻が平常を保とうとしていると、張飛が興味津々で聞いた。
「ちなみに、独健さんはどうしようと思ったすか?」
「俺は不思議に思ったんだが、みんなどうして肩から下を抱きしめるんだ? 俺たちと颯茄の身長差考えたら、頭になると思うんだが……」
「ああ、その手があったか」
夫たちは眼から鱗だったが、妻はすぐさま撃破した。
「でもそれ、みんなにやられたら、ますますわからなくなります」
「ダメ出しされた……」
笑い声が上がると、夫婦たちは今までよりも一層強い絆に結ばれたようで、大きな安心感に包まれた。さっきから黙って見ていた祭司が、場を仕切り直す。
「それではみなさん、よろしいですか?」
「はい」
颯茄は今初めて後ろへ振り返った。そこには、十人横並びになった新郎たちは圧巻の眺めだった。妻は普段よりも、バカみたいに口を開けて彼らを見渡した。
「式を始めます」
パイプオルガンの荘厳な音色が響きが渡った。こうして、妻の愛を受け取った夫たちは、新たな気持ちで式に望んだのだった。そして、妻も。
「俺はこの役目だ」
ウェディングドレスを着て祭壇の前に立っている妻に、独健は近づいていった。深緑の光沢が入ったタキシードが、聖堂の淡い明かりに輝く。
颯茄の近くまでやってくると、独健は手袋を脱いだ。そして、妻の左手を取って、結婚指輪をはめてゆく。彼女の指先には少し冷たい金属の感触がなでた。
「ありがとうございます」
妻は指を自分の顔の前に持ってきて、幸せそうに微笑んだ。
「うわ、これ、みんなのイメージの宝石がひとつずつ埋め込まれてるんですね」
「そうだ。これを見ると、いろいろな出来事も乗り越えられるんだ」
「私もこれを見て、今までよりも仕事をこなしていきます」
なんて素敵な結婚指輪だろう。みんなをイメージした宝石がついているなど、世界にひとつしかない宝物だ。そう思うと、颯茄は熱にうなされたようにゆらゆらとその場で揺れて、ふらふらと独健から遠ざかって行こうとした。夫は慌てて妻を止める。
「ちょっと、待った!」
「え……?」
「キスがまだだろう?」
「あ、そうでした」
妻の乱れた髪を指先で直して、独健は優しく微笑んだ。
「それでは、誓いの言葉を……」
独健は一呼吸おいて、真剣な顔で語り出した。
「お前のそばにいないのは、他のやつとの時間を大切にして欲しいからだ。お前が幸せなら俺はそれでいい。だからって、見てないんじゃない。ちゃんと見てるから心配するな。ずっとそばにいるって誓う」
「ありがとうございます。気遣ってくださって」
いつもいないから、あまり興味がないのだと思っていたが、そんなことはなかったのだ。胸に愛がしみて、颯茄はまた涙をこぼしそうになった。
「愛してる」
唇が触れると、さっきのキャンディーの甘さと独健の匂いが混じって、妻の世界はくるくると回りだすのだった。
倒れそうになるのを、しっかりと支えられながら、妻が平常を保とうとしていると、張飛が興味津々で聞いた。
「ちなみに、独健さんはどうしようと思ったすか?」
「俺は不思議に思ったんだが、みんなどうして肩から下を抱きしめるんだ? 俺たちと颯茄の身長差考えたら、頭になると思うんだが……」
「ああ、その手があったか」
夫たちは眼から鱗だったが、妻はすぐさま撃破した。
「でもそれ、みんなにやられたら、ますますわからなくなります」
「ダメ出しされた……」
笑い声が上がると、夫婦たちは今までよりも一層強い絆に結ばれたようで、大きな安心感に包まれた。さっきから黙って見ていた祭司が、場を仕切り直す。
「それではみなさん、よろしいですか?」
「はい」
颯茄は今初めて後ろへ振り返った。そこには、十人横並びになった新郎たちは圧巻の眺めだった。妻は普段よりも、バカみたいに口を開けて彼らを見渡した。
「式を始めます」
パイプオルガンの荘厳な音色が響きが渡った。こうして、妻の愛を受け取った夫たちは、新たな気持ちで式に望んだのだった。そして、妻も。
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