幽霊と神様にこんにちは

明智 颯茄

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守護の資格

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 守護の資格。いわゆる、免許証のようなものだ。このようなものが実は存在している。

 なぜ必要なのかという話をしよう。

 前の章でも書いたが、霊界や神界と私たちが住む物質界は、様々な面で法則が違っている。

 霊界にいる幽霊はほとんどこの資格が改めて必要はない。なぜなら、彼らはかつて、私たちと同じように地上に生まれ、人生を生きて、死というものを迎え、霊界へ帰っているからである。

 しかし、神様はその経験がない人がほとんどである。人間から霊層を磨いて、神へと上がって人は必要がない。ただ、時代のズレが出るので、少々の勉強が必要となる。

 筆者が実際に出会った価値観のずれの話をしよう。

 その時に守護をしてくださった方から指示が出た。

「そこにあるを食べてください」

 そばといえば、少し色の黒い麺のことである。うどんとよく比較されるものだ。

 筆者は自ら進んで食べることはない。しかし、そばがあるような言い方だった。家の中を探して、その神様がいつの時代に人として地上で生きていたのかを考え、答えを見つけた。

 それは、カップラーメンのことだったのである。

 このように、人から霊層を上げて、神様になると多少のズレは起きる。しかし、彼らは私たちと同じように、死というものがあり、病気や怪我にあったこともある。そういう世界で生きてきたため、比較的私たちの立場を理解してくださいやすい。

 しかし、問題なのは、神界で生まれ、神界で育ち、地球という存在を知らなかった神様である。大きなズレが出る。

 以下は、著者が実際に体験した話である。

 人間は水分補給をしないと生きていけない。そうなると、日に数回はトイレに行くだろう。時間にすると、数時間に一回である。その姿を見ていた神様が、

「なぜ、何回もトイレに行くのですか?」

 という質問をされた。お互いぽかんとした顔で見つめること数十秒だった。

 神様の言い方からもわかるが、彼らもトイレには行く。しかし、それは二日に一度で、お小水のみである。

 だからこそ、神様からしたら、著者の普通の行動は、異常に見えたのである。何かあったのではと心配したのかもしれない。

 それから、こういうこともあった。
 人間は弱い生き物である。暴言を吐いてしまう時もあるだろう。他人に対してはしないかもしれないが、家族関係では起きる家庭は存在する。

 ある日、筆者は暴言を吐かれた。それを見聞きしていた神様が、

「何、あれ? いらないんじゃないの、殺しちゃっていいよね」

 危うく、目の前で人が死んでしまうところであった。

 この神様の実年齢は三百億歳。地球がある宇宙で育ってきたのではなく、邪神界――悪と言う言葉さえ知らない。そんな環境の中で生きてきて、人のために生きるのが当たり前だと思っている。

 人を傷つけることが絶対に許せないという厳格な性格である。もしも、こんな神様が守護神になったらどうだろうか。たった一度誤っただけで、人生が終了させられてしまう。

 どんな人間でも、この世界に何らかの理由で必要だから生きているのである。つまりは、みんながいるから地球という修業の場は成り立っているのである。この法則を、守護の資格を持っていない神様は理解していないようだ。

 前の章でも書いたが、サブの世界といっても、生きている私たちは真剣に人生を歩んでいる。だからこそ、守護をする幽霊や神様にも厳しい規制が引かれている。

 通常、守護の資格を持っていない幽霊や神様は、どのような例外もなく、地球へ降りてくることは許されていない。先ほどの話は、異例中の異例であるので、心配しないでおこう。

 というわけで、まずは守護ができるかどうかの適性が問われる。

 物質界は厳しい修業の場であるため、ある程度しっかりしていないと、大怪我をしたり死んでしまう。

 しかし、霊界や神界では、危険性が非常に低いため、例えば、横断歩道の真ん中で、ぼうっと考え事を初めて、信号が変わっても考えたままで、車に乗っている人たちも、どうかしたのかと不思議そうな顔をするばかり。自動車がその人を避けで通行するということが普通に起きる。

 そうして、三十分ほど経過して、何事もなかったように、横断歩道を渡り出したが、今度は歩道でぼんやり考え事をまた始める。

 私たち人間からすると、そんなのんびりしたバカな話があるのかと、首を傾げてしまうが、実際に起こったそうだ。神様の話によると。

 このような言動を取る神様は、芸術肌の人が多い。
 得意分野などでは素晴らしくテキパキ話をするが、日常生活はさっぱりで、芸術に関係ない話を振ると、返事が返ってくるまでに一分以上考えて、気にした様子もなく返事を返してくる。

 このような神様に守護されるとしたら、不安ではないだろうか。というわけで、まずは未来をきちんと見て、そこへ行くためにはどのようなことをどの順番でするか。という、理論立てて考えられる神様に必然となる。

 それから、この話は別の章で書くが、人生は山あり谷ありとよく言う。その通りで、辛かったり悲しかったりすることが、人間には必ず起きるようにできている。

 それを黙って見守るだけの厳しさを持った神様でないと守護はやっていけない。つまりは、同情や情けという感情では決して動かない神が守護神となる。本当の優しさを持っている人ということである。

 守護の資格で一番重要なもの。それは、この世界で生きたことがある人。もしくは、この世界で生きた経験と同等の体験をしたことがある人である。

 そうなると、先ほども言ったが幽霊のほとんどがここは合格である。人から神様になった人もそうである。

 しかし、神界生まれ、神界育ちは違う。そういうわけで、彼らは疑似体験をする。その研修期間は二週間。それが終わると、晴れて守護神となる。

 先ほど例に出ていた神様も、今では資格を持っていて、ずれた話はしなくなった。神様にとってもよい学びだったのかもしれない。

 これは、おまけである。筆者だけの体感なのかもしれないが、この世界で生きたことがある神様は、言葉がはっきりと聞こえ聞き取りやすい。

 何が原因なのかははっきりしていないが、やはり同じ世界にいたからこそ、勝手というか感覚が近いのかもしれない。もしも、はっきりとした理由が出てきた時は、後々書くかもしれない。

 次は、厄落としという話をしよう。
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