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前の章でも書いたが、我が子は百二十四人もいる。覚えられないのだ。
名前が覚えられない。いや、時には読めない。例えば、こんな感じだ。
真純
何と読むのか。マキト。
逆波
何と読むのか。リザーナ。
ちなみに、男の子と女の子。
次は、我が家特有の問題が出てくる。生みの親は誰?
普通の家なら、ふたりしかいないのだから、覚える必要もないのだが、塾の申し込みをする時、生みの親の証明が必要なのだ。
前述の名前を例に取ると、
真純は、父親が光命と月命。母親は私。
逆波は、父親が蓮と光命。母親は私。
親は四人以上にはならないのが、二十一人も配偶者がいるのでは、組み合わせは膨大な数になる。
さらには、どんな性格か。将来の夢、好きな食べ物、好きな科目などなど、全ては覚えられない。
まるでトランプで神経衰弱をやっているみたいだ。
あれ? 誰かも、絵を描くのが好きって言ってたよなぁ? 誰だっけ?
ルーズリーフにカルテみたいにして、子供たちのデータを書いた紙を挟んでいるが、一冊では収まり切らなくなってきた。
そこに輪をかけて、光命がまだ子供が欲しいという。彼は最近、子供についての本を読むことが日課となってしまった、何冊も買い込んで、デジタルな頭に記録して、それを確かめたり、実践したくなって、新しい子供が欲しいらしい。
そうしてさらに大変なのは、親がたくさんいるから、一番好きな親というものも出てくる。もちろん、みんなが好きという子もいれば、何人か好きだという子もいる。
生みの親を必ずしも好きとは限らない。それをきちんと覚えていないと、夜一緒に眠る時に、ちょっとしたサプライズが起こる。
あれ? 何で、違うパパが、私の寝室にいるんだ?
子供が一緒に寝たいパパを連れてくるので、生みの親ではない時、妻は混乱するのである。
病気のせいもあるようで、記憶力が著しく下がっている。しかも、寝ている間に、神界での出来事をシンクロされているようで、起きてから気づくのだ。
あれ? あれは現実じゃなかなった?
この話、誰かにしたよね?
でも、この世界で誰かに話すのはおかしい。
じゃあ、誰に話したんだろう?
向こうの世界の出来事を夢の中で見た――いや、寝ている間に体験した?
この世界では、誰もこんな話は信じてくれないだろう。それか、幻想や幻聴なのだと言われるのかもしれない。
この間見た映画でこんなセリフがあった。
「あの世なんて、嘘だ」
「確かにそうね、嘘かもしれない。でも、嘘だとも、誰にも証明できない」
否定もできなければ、肯定もできない。そんな繊細な世界に、みんなと一緒に私は住んでいるのだ。
2020年3月1日、日曜日
名前が覚えられない。いや、時には読めない。例えば、こんな感じだ。
真純
何と読むのか。マキト。
逆波
何と読むのか。リザーナ。
ちなみに、男の子と女の子。
次は、我が家特有の問題が出てくる。生みの親は誰?
普通の家なら、ふたりしかいないのだから、覚える必要もないのだが、塾の申し込みをする時、生みの親の証明が必要なのだ。
前述の名前を例に取ると、
真純は、父親が光命と月命。母親は私。
逆波は、父親が蓮と光命。母親は私。
親は四人以上にはならないのが、二十一人も配偶者がいるのでは、組み合わせは膨大な数になる。
さらには、どんな性格か。将来の夢、好きな食べ物、好きな科目などなど、全ては覚えられない。
まるでトランプで神経衰弱をやっているみたいだ。
あれ? 誰かも、絵を描くのが好きって言ってたよなぁ? 誰だっけ?
ルーズリーフにカルテみたいにして、子供たちのデータを書いた紙を挟んでいるが、一冊では収まり切らなくなってきた。
そこに輪をかけて、光命がまだ子供が欲しいという。彼は最近、子供についての本を読むことが日課となってしまった、何冊も買い込んで、デジタルな頭に記録して、それを確かめたり、実践したくなって、新しい子供が欲しいらしい。
そうしてさらに大変なのは、親がたくさんいるから、一番好きな親というものも出てくる。もちろん、みんなが好きという子もいれば、何人か好きだという子もいる。
生みの親を必ずしも好きとは限らない。それをきちんと覚えていないと、夜一緒に眠る時に、ちょっとしたサプライズが起こる。
あれ? 何で、違うパパが、私の寝室にいるんだ?
子供が一緒に寝たいパパを連れてくるので、生みの親ではない時、妻は混乱するのである。
病気のせいもあるようで、記憶力が著しく下がっている。しかも、寝ている間に、神界での出来事をシンクロされているようで、起きてから気づくのだ。
あれ? あれは現実じゃなかなった?
この話、誰かにしたよね?
でも、この世界で誰かに話すのはおかしい。
じゃあ、誰に話したんだろう?
向こうの世界の出来事を夢の中で見た――いや、寝ている間に体験した?
この世界では、誰もこんな話は信じてくれないだろう。それか、幻想や幻聴なのだと言われるのかもしれない。
この間見た映画でこんなセリフがあった。
「あの世なんて、嘘だ」
「確かにそうね、嘘かもしれない。でも、嘘だとも、誰にも証明できない」
否定もできなければ、肯定もできない。そんな繊細な世界に、みんなと一緒に私は住んでいるのだ。
2020年3月1日、日曜日
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