仕事と推しの為に生きると決めた私が上司から溺愛されとにかく困っています

きんのたまご

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「係長・・・酔ってるんですか?」
思わずそう言ってしまった。
「ビール1杯で酔うわけないだろ」
はい、ですよね。その場に気まずい沈黙が落ちる。
「はぁ」
隣からため息が聞こえて来る。もー!
オタクの引きこもりを呑みに誘ったりするからこうなるんだよー!(´TωT`)
私だって早く家に帰って推しとまったりしたかったのに!誘われたから来ただけなのに!
私は恐る恐る隣の係長を盗み見る、
するとこっちを見ていた係長と目が合った!
「な、なに見てるんですか!」
ぎゃー!これじゃ逆ギレだろー!
もうどうしたらいいのー!
半ばパニックになっていると隣からバカ笑いが聞こえた。
「あはははははは」
「!」
あまりの笑い声に思わずムッとしてしまった。
「何笑ってるんですか・・・」
「いや、ごめん!ははっ・・・」
「笑いすぎですよ!」
「いや、ははっ青くなったり赤くなったり・・・忙しそうだったから・・・ふっ」
!泣きながら笑っている!なんて失礼な!私がムーっとしていると頭をぽんぽんされた。
「ごめんごめん」
会社で見るのと違う係長の姿にちょっといいなと思ってしまったのを誤魔化す為に
「セクハラですよ」
と呟いた。

「そう言えば係長がさっき言っていた見た目と中身のキャップってどう言う事なんですか?」
「あーその事な」
係長は手羽先を食べていた。
「私も手羽先!・・・で?」
「お前、注文するか話聞くかどっちかにしろ・・・」
「まあまあ、で?」
何だか面白そうな匂いがする。どんな話が飛び出て来るのかと最早私は興味津々だ。
「・・・お前が何を期待しているか知らないが・・・そんなに面白い話ではないぞ・・・」
またまたぁ~!係長程のハイスペックリア充ならば!色恋沙汰の話がいっぱいあるでしょう!
「大丈夫ですよ!私口は硬いですよ!」
まぁ、人の噂をするような友達が会社にはいないと言うだけだが・・・。
私は期待を込めた目で係長を見る。
「・・・俺が今まで付き合ってきた彼女をこの店に連れてくると必ずイメージと違うと言って振られるんだ」
は?なんじゃそら。しょーもな。
「へぇ~」
一気に白けちゃったな~と適当に返事をするとカウンターの下で足を蹴られた。
「ひどっ!今蹴りましたね!爽やかイケメン詐欺ですね!なかなかに性格悪いですね!」
「人に話聞いといて興味無さそうにする方が悪い」
「・・・・・・・・・」
「やっぱり普段の感じの方が女の人は良いんだろうな」
知らなーい。
「でも、私は普段の胡散臭い程の爽やかイケメンな係長より今のちょっと性格悪い係長の方が好きですよ!」
お酒のせいかあんなに緊張していた係長相手にいつしか普通に接していた。
そんな私の様子を微笑ましいものを見るような顔で係長が見ていた事には気付かなかった。
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