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「今日から侯爵家の領地経営等を貴方に教えるわ。先に言っておくけれど甘やかすような事は一切しない、貴方には領民を守ると言う義務があるの死ぬ気で食らいつきなさい」
そう言った私の言葉にフランツは頷いた。
腐っても侯爵家の息子だと言った方がいいのか…素地はあったらしい…だが、逆に言うと素地しか無く、自分に都合の悪いことを息子に知られるとが嫌だったのであろう義父はお金に関する事は全くと言って良いほどフランツには教えていなかった。
そもそも義母はお金など使う事しか考えておらず………その湯水の如く使っているお金が何処から来ているものなのか、そんな事を考えた事も無かったと言った。
そんな馬鹿なと思ったけれどいちいちそこの説明にかけている時間が惜しくもう何も言わなかった。その分こちらのやり方に何も言わない事を約束させた。
義父である侯爵の方にも改革が必要でそちらは私の父が引き受けてくれた。
結婚自体には反対だった父だったが既に私は侯爵家に嫁いでしまっていて更に今すぐ離縁して帰る選択が無い事から敢えて娘を不幸にしたい訳では無い父が手伝うと言ってくれたのだ……まあそれは口実でこの際、あんなしょうもない契約を持ちかけて来た侯爵をこてんぱんにしてやろうと思っているのだと思う、どちらかと言えばそっちが本命かもしれない。
兎に角、父のお陰?で私はフランツの教育に力を注ぎ込む事が出来たのは良かった。
思っていたよりもフランツの成長速度は早く、もうそろそろ様子を見ると言った約束の一年が目前と言うところでそこそこ使えるようになった。
そして私に教えを乞う姿勢はとても初夜であんな痛い勘違い発言をした男と同一人物とは思えない程真摯で、契約の更新も有りだと思っていた矢先フランツから大事な話があると呼び出された。
呼び出された先は、手入れが行き届き初めて綺麗な花を咲かせるようになった侯爵家の庭園。
「どうしたの、一緒に暮らしているのにこんな所に呼び出して」
「あ、いや、その話があって」
「そう言えばそんな事を言っていたわね」
私は頷いてそう言った。
最近の私達は少しこんな風に他愛も無いことなども話が出来るようになっていた。
呼び出したのに中々話出さないフランツはソワソワと何故か落ち着かない様子。
「…どうしたの、話って?」
「……………あ、その……っ!す、好きな人が!好きな人が出来たんだ!!」
フランツは顔を真っ赤にしてそう言った。
「………そう、えっとそれはなんと言えば良いのか分からないけれど…良かったわね?」
そう言えば初夜の席でまだ人を好きになった事が無い…と、そんな事を言っていたなと思い返す。
「で?どうするの?って言ったところで今は私と結婚しているのだし、どうにも出来ないか……まだ私がこの侯爵家から手を引く事は出来ないし…暫くはこの状況のまま我慢して貰うしかないのだけれど…まあ、私がいる間に不倫するなんて貴方が不誠実な事をしなければ私と離縁した後その方を家に迎え入れればいいと思うわ。兎に角、貴方の初恋におめでとうと言っておくわ」
そう言って私はその場を後にした。
そう言って私がその場を立ち去ったその後……。
「いや、違うんだ……!」
そう言ったフランツの言葉は私には届く事は無かった。
そう言った私の言葉にフランツは頷いた。
腐っても侯爵家の息子だと言った方がいいのか…素地はあったらしい…だが、逆に言うと素地しか無く、自分に都合の悪いことを息子に知られるとが嫌だったのであろう義父はお金に関する事は全くと言って良いほどフランツには教えていなかった。
そもそも義母はお金など使う事しか考えておらず………その湯水の如く使っているお金が何処から来ているものなのか、そんな事を考えた事も無かったと言った。
そんな馬鹿なと思ったけれどいちいちそこの説明にかけている時間が惜しくもう何も言わなかった。その分こちらのやり方に何も言わない事を約束させた。
義父である侯爵の方にも改革が必要でそちらは私の父が引き受けてくれた。
結婚自体には反対だった父だったが既に私は侯爵家に嫁いでしまっていて更に今すぐ離縁して帰る選択が無い事から敢えて娘を不幸にしたい訳では無い父が手伝うと言ってくれたのだ……まあそれは口実でこの際、あんなしょうもない契約を持ちかけて来た侯爵をこてんぱんにしてやろうと思っているのだと思う、どちらかと言えばそっちが本命かもしれない。
兎に角、父のお陰?で私はフランツの教育に力を注ぎ込む事が出来たのは良かった。
思っていたよりもフランツの成長速度は早く、もうそろそろ様子を見ると言った約束の一年が目前と言うところでそこそこ使えるようになった。
そして私に教えを乞う姿勢はとても初夜であんな痛い勘違い発言をした男と同一人物とは思えない程真摯で、契約の更新も有りだと思っていた矢先フランツから大事な話があると呼び出された。
呼び出された先は、手入れが行き届き初めて綺麗な花を咲かせるようになった侯爵家の庭園。
「どうしたの、一緒に暮らしているのにこんな所に呼び出して」
「あ、いや、その話があって」
「そう言えばそんな事を言っていたわね」
私は頷いてそう言った。
最近の私達は少しこんな風に他愛も無いことなども話が出来るようになっていた。
呼び出したのに中々話出さないフランツはソワソワと何故か落ち着かない様子。
「…どうしたの、話って?」
「……………あ、その……っ!す、好きな人が!好きな人が出来たんだ!!」
フランツは顔を真っ赤にしてそう言った。
「………そう、えっとそれはなんと言えば良いのか分からないけれど…良かったわね?」
そう言えば初夜の席でまだ人を好きになった事が無い…と、そんな事を言っていたなと思い返す。
「で?どうするの?って言ったところで今は私と結婚しているのだし、どうにも出来ないか……まだ私がこの侯爵家から手を引く事は出来ないし…暫くはこの状況のまま我慢して貰うしかないのだけれど…まあ、私がいる間に不倫するなんて貴方が不誠実な事をしなければ私と離縁した後その方を家に迎え入れればいいと思うわ。兎に角、貴方の初恋におめでとうと言っておくわ」
そう言って私はその場を後にした。
そう言って私がその場を立ち去ったその後……。
「いや、違うんだ……!」
そう言ったフランツの言葉は私には届く事は無かった。
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