貴方にはもう何も期待しません〜夫は唯の同居人〜

きんのたまご

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私は本当にいい妻と結婚出来た。
王太子夫妻を見ていると本当にそう思う。
王太子妃は為政者としてはとても優秀なお方ではあるが、ひとたび夫である王太子の事となるとその態度を豹変させるのだ。
そのせいであの二人には常に振り回されている。
王太子が城の侍女に色目を使った、何処ぞの侯爵家の娘が王太子と仲がいい、仕事ばかりで構ってくれない、全然私を大事にしてくれない、もう私を愛してないのかもしれない。
王太子妃からはそんな事を何度も何度も何度も聞かされる。
そして王太子妃からそう言われてどうしたらいいかと王太子から聞かされ、その夫婦喧嘩のせいで仕事がどうにもならないと側近から愚痴られ、王太子の執務室の雰囲気が悪くて近寄れないと城の者達から相談され……………………。
一体私にどうしろと言うのか。
結局二人で最後には仲直りをするのにいつもいつもいつもいつも間に私を挟んでくるあの夫婦にいい加減辟易しているがその分、特別手当てとして城からの給金に結構な額が上乗せされている上に今暮らしている屋敷も城に勤める事が決まった際に王太子が用意してくれた物。なので家族を養う為に働いている私には文句も言えず、今に至る。
それにしても思う。うちの妻は本当によく出来た妻だと。
まともに休みも無く帰宅もいつも遅いが、屋敷の管理は全てやってくれているし使用人達にもしっかり私の事をするようにと言ってくれているようだ。
どんなに遅く帰ってもどんなに早く家を出る時も食事の手配など滞り無く使用人達に采配されている。
私が屋敷の主人なのだから当たり前の事かもしれないがそんな細かな気遣いが妻からの私への愛情だと思っている。
王太子妃のように構ってくれないと文句を言うことも無く、浮気を疑がってくる事も無く………きっと仕事を頑張る私をいつも応援してくれているのだろう。信頼されていると実感できる。
前回共に領地に行ったのは結婚して直ぐ……もう七年前……。そんなになるだろうか………。
その時はゆっくり出来なかった、しょ、しょ、しょ、初夜を迎えて幸せの絶頂で眠る彼女を眺めながら夜を明かそうと思っていた私に城からの急な遣いが来て王太子妃が産気づいたという
正直どうでもいい……と言ってはなんだが、正直私が行ってもどうにもならない理由で無理矢理連れて帰られてしまった。あの時はとてつもなく恨んだなぁ。
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