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私が婚約者を譲る相手を探していると言っても誰でもいいと思っている訳では無い。
だって私はトマスの事を嫌っている訳でも無いし向こうが私に何か嫌な事をしてくる訳でも無い。
ましてやトマスは非の打ちどころのないイケメン!今までこんな地味ーな私の婚約者を嫌がらずやっていてくれた優しい人。
だからトマスの事を大好きでとっても大切にしてくれる人に譲りたいと思っている。
その点を考慮しても彼女ならトマスの事を大好きだし、なんせ婚約者と別れさせようと思う位には好きみたいだし…。
まあ婚約者から奪おうと言う常識の無さは伺えるがそれもトマスを思うが故!
それに裏でコソコソ画策する系女子よりも誰が聞いているか分からないあんな所で大きな声で堂々と画策している彼女の方が潔くて好感が持てる。うん。
と、いう事で私はこれこらそうとは分からぬように彼女の手助けをしていこうかと思っている。
あまりあからさまにやってしまうと私の事を一応お情け程度に好きだと言ってくれているトマスを傷つける事になってしまうかもしれないし、それとなーくトマスが彼女を好きになるように誘導していこうと思っている。そして最終トマスが私に婚約破棄を言い出してくれたらこの計画は大成功となる。
その日いつものようにトマスと私が共に昼食を摂っている時に彼女は現れた。
どうやら作戦を開始し始めたらしい。
「失礼致します、御一緒させて頂いてもよろしいでしょうか。他に席も空いていなくて」
ととてもスムーズに入って来た彼女。
まあ席は他にも沢山空いていたけれど…。
まあいいか、ここは便乗しておくトコだよね。
「そうなんですね、どうぞ。是非御一緒致しましょう!」
私は彼女にトマスの隣の席を勧める。
ちなみに私は向いの席。
「ありがとうございます」
そう言って笑った彼女は文句の付けようのない美少女で目の保養になるわぁと思った事はきっと誰にも気付かれてないだろう。
「あら、トマス様もコレが好きなんですね」
そう彼女はトマスが食べているものと全く同じ物を持って来ていたのだ。
…これはアレだ。好きな物が同じなんて私達気が会いますねぇ作戦だ!
トマスは辛い物が大好物なんだけど…。
今日はなんか赤いスープに凄い辛そうなカレー。サラダにも生の唐辛子…もうサラダじゃないじゃん。
私は甘いものが好きなので食の好みは合わない。無理して食べようとも思わない。
…………。頑張ってるわ、彼女すごく頑張ってる。絶対に辛い物苦手でしょう!
だってさっきから凄い汗に止まらない貧乏ゆすり……。それでも笑顔でトマスに向かい「私辛い物大好きなんですよ」って笑ってる。
す、凄い!彼女からは鬼気迫るものを感じる。
私はさり気なく2人にしてあげようと「デザートを取りに行って来ます」と立ち上がった。
「っデザート!」
私のその言葉を聞いて彼女は血走る目を私に向けた。こ、怖い。何か言って欲しそうに見てる…絶対に見てる。
私は恐る恐る彼女に話し掛ける。
「き、今日のデザートはシェフ渾身の1品らしいですよ。食べないと勿体ないですよ」
「そ、そんなに仰るなら私も行きます!」
そう言って彼女は待ってましたと言わんばかりに私よりも早くデザートを取りに行った。
あっ、一応フォローしといた方がいいのかしらと思い「彼女辛いものも甘いものも好きなんですね」とトマスに向かってそう言うと
「えっ?誰の事?」と返って来て……。
ごめんなさい。トマス貴方の事に気付いて無かったみたいなんて、そんな事可哀想だから言えないわ。
だって私はトマスの事を嫌っている訳でも無いし向こうが私に何か嫌な事をしてくる訳でも無い。
ましてやトマスは非の打ちどころのないイケメン!今までこんな地味ーな私の婚約者を嫌がらずやっていてくれた優しい人。
だからトマスの事を大好きでとっても大切にしてくれる人に譲りたいと思っている。
その点を考慮しても彼女ならトマスの事を大好きだし、なんせ婚約者と別れさせようと思う位には好きみたいだし…。
まあ婚約者から奪おうと言う常識の無さは伺えるがそれもトマスを思うが故!
それに裏でコソコソ画策する系女子よりも誰が聞いているか分からないあんな所で大きな声で堂々と画策している彼女の方が潔くて好感が持てる。うん。
と、いう事で私はこれこらそうとは分からぬように彼女の手助けをしていこうかと思っている。
あまりあからさまにやってしまうと私の事を一応お情け程度に好きだと言ってくれているトマスを傷つける事になってしまうかもしれないし、それとなーくトマスが彼女を好きになるように誘導していこうと思っている。そして最終トマスが私に婚約破棄を言い出してくれたらこの計画は大成功となる。
その日いつものようにトマスと私が共に昼食を摂っている時に彼女は現れた。
どうやら作戦を開始し始めたらしい。
「失礼致します、御一緒させて頂いてもよろしいでしょうか。他に席も空いていなくて」
ととてもスムーズに入って来た彼女。
まあ席は他にも沢山空いていたけれど…。
まあいいか、ここは便乗しておくトコだよね。
「そうなんですね、どうぞ。是非御一緒致しましょう!」
私は彼女にトマスの隣の席を勧める。
ちなみに私は向いの席。
「ありがとうございます」
そう言って笑った彼女は文句の付けようのない美少女で目の保養になるわぁと思った事はきっと誰にも気付かれてないだろう。
「あら、トマス様もコレが好きなんですね」
そう彼女はトマスが食べているものと全く同じ物を持って来ていたのだ。
…これはアレだ。好きな物が同じなんて私達気が会いますねぇ作戦だ!
トマスは辛い物が大好物なんだけど…。
今日はなんか赤いスープに凄い辛そうなカレー。サラダにも生の唐辛子…もうサラダじゃないじゃん。
私は甘いものが好きなので食の好みは合わない。無理して食べようとも思わない。
…………。頑張ってるわ、彼女すごく頑張ってる。絶対に辛い物苦手でしょう!
だってさっきから凄い汗に止まらない貧乏ゆすり……。それでも笑顔でトマスに向かい「私辛い物大好きなんですよ」って笑ってる。
す、凄い!彼女からは鬼気迫るものを感じる。
私はさり気なく2人にしてあげようと「デザートを取りに行って来ます」と立ち上がった。
「っデザート!」
私のその言葉を聞いて彼女は血走る目を私に向けた。こ、怖い。何か言って欲しそうに見てる…絶対に見てる。
私は恐る恐る彼女に話し掛ける。
「き、今日のデザートはシェフ渾身の1品らしいですよ。食べないと勿体ないですよ」
「そ、そんなに仰るなら私も行きます!」
そう言って彼女は待ってましたと言わんばかりに私よりも早くデザートを取りに行った。
あっ、一応フォローしといた方がいいのかしらと思い「彼女辛いものも甘いものも好きなんですね」とトマスに向かってそう言うと
「えっ?誰の事?」と返って来て……。
ごめんなさい。トマス貴方の事に気付いて無かったみたいなんて、そんな事可哀想だから言えないわ。
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