私は魔物と人間の間で揺れ動いているが実は結構な感じの女神だったらしい(多分)

きんのたまご

文字の大きさ
1 / 13

しおりを挟む
ここは深い森の奥。
魔物が住むと言われている。
人が寄り付かないそんな森に私は物心ついた時から1人で暮らしている。
勿論両親の顔も知らない。他の人にも会った事も無い。
そんな私がどうやって1人で暮らして来れたかと言うと……


コンコンコン。ノックが聞こえる。
「はーい」
私は扉を開ける。するとそこにいるのは小さな羽をはためかせ大きな耳にギョロっとした1つ目のまぁるい魔物。
「あら、モーリー。今日はどうしたの?」
『ママがティアに持って行けって』
そう言ってカゴいっぱいの林檎を差し出してきた。
「ありがとう。あっそうだちょっと待ってね」
私はそう言って家の中へ
「お待たせ!これ私が作ったクッキー。良かったら食べて」
とお返しにカゴいっぱいのクッキーを渡す。
『ティアありがと』
嬉しそうにそれを受け取りモーリーはこの森の更に奥へと帰って行った。
私はそれを手を振って見送ると再び家の中へ戻った。


私は気が付けば森の中で1人だったそして当たり前のようにこの世界で魔物と呼ばれるものと話が出来た。
生活の仕方はみんな魔物達が教えてくれた。
人間はこうして暮らすのだと。料理をしたり、掃除したり、洗濯したり。
お風呂に入る事も教えてもらったなぁ。
物心ついた時は私も魔物だと思っていたのだがそれは違うと教えてくれたのも魔物だった。
生憎ここには鏡?がない。鏡とは自分の姿が写る物らしい。これも教えてもらった。
『窓のガラスに映っているのがティアだよ』
と言われ見てみたら確かに魔物とは違うようだ。私のような容姿の者を人間と言うらしい。
だから私は当たり前のように人間と魔物は意思の疎通が出来て仲が良いのだろうと思っていたのだが、この森に迷い込んだ人間?がモーリー達を見て凄い顔をして逃げて行くので、そうじゃないんだと悟った。
みんな私に優しくしてくれるのに何でモーリー達を見て逃げるのかとモーリーのおかあさんに聞くと私以外の人間に魔物の言葉は通じないらしい。
ふーん。ってことは私も魔物なんじゃ?と思ってもやっぱり人間らしかった。どちらにしても魔物とこうして意志疎通が出来る私もまた普通の?人間では無いのだろう。もしかしたら人形の魔物なのかも!うんそうだ!そうに違いない!私は部屋の中1人で納得するのだった。
すると
コンコンコン
次は凄く小さいノック。
「今日はお客様が多いわ。……はーい」
私は扉を開ける、するとそこには誰もいない。
「?あら?」
おかしいなぁ。と首を傾げつつ扉を閉めようとすると
《ティア》
と、とても小さな声。下を見ると白いモコモコが。
「ジル!」
ジルは白兎のお爺さん。もうかれこれ200年くらいこの森に住んでいるらしくジルにも色んな事を教えられた。
何を隠そうジルがこの森の長なのだ。
そうそう、私は動物とも話が出来る。
やっぱりこうなると"私人間説" ますます怪しいなぁ。
とそんな事を考えていると
《お邪魔するよ》
とピョンと部屋の中に入ってきた。
「どうぞ」
私はジルを部屋に入れる。
「今回の旅はどうだった?」
ジルは長く生きているのでずっとこの森にいると退屈らしくしばしば旅に出る。森を抜けて人間の馬車?とかにこっそり乗ったりするらしい。
え~っと、今回は一年位かな?
いつも旅のお土産物と一緒に土産話を聞かせてくれる。とっても物知りだ。
《う~ん。今回も有意義な旅だったわい》
「そっか。今回はどこの国に?」
私は一枚の紙を机の上に広げる。
それは書きかけの地図?
私はジルの話にそってジルが行った国の場所を書き記している。
因みにこれはジルにするように言われた事だ。
《今回は前回行った国のもう1つ向こうに行ってきた。そこには海と呼ばれる大きな水溜まりがあってそこから魚と呼ばれる物を捕り人間は生活していた。活気のあるとても綺麗な国だったわい》
とその国の事を思い出すジルはとても楽しそうだった。
「そっかぁ、いつか私もジルと一緒に行ってみたいな」
《……そうじゃな。いつかな》
これはお決まりの台詞。何回もそう言ってジルは1度も私を森の外へ連れていってくれたことは無い。
まぁここでの生活に不満はない。魔物達も動物達もとても優しい。
私は毎日楽しく暮らしている。
              
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

拾った年上侯爵が甘え上手すぎて、よしよししてたら婚約することになりました

星乃和花
恋愛
⭐︎火木土21:00更新ー本編8話・後日談8話⭐︎ 王都の市場で花屋をしているリナは、ある朝―― 路地裏で倒れている“美形の年上男性”を拾ってしまう。 熱で弱っているだけ……のはずが、彼はなぜか距離が近い。 「行かないで」「撫でて」「君がいると回復する」 甘えが上手すぎるうえに、褒め方までずるい。 よしよし看病してあげていたら、いつの間にか毎日市場に現れるようになり、 気づけば花屋は貴族の面会所(?)になっていて―― しかも彼の正体は、王都を支える侯爵家の当主だった!? 「君は国のために必要だ(※僕が倒れるから)」 年上当主の“甘え策略”に、花屋の心臓は今日ももたない。 ほのぼの王都日常コメディ×甘やかし捕獲ラブ、開幕です。

最弱白竜ですが、なぜか学園最強の銀竜に番認定されました

めめめ
恋愛
竜の血を引く者だけが貴族になれるこの世界で、白竜は最も格の低い竜の証。 白竜の男爵令嬢リーゼロッテは、特待生として国内最高峰の王立竜騎学園に入学する。待っていたのは上位貴族からの蔑みと、学園を支配する四人の御曹司「四竜」。 その筆頭、銀竜公爵家の嫡男ルシアンに初日から啖呵を切ったリーゼは、いじめと嫉妬の嵐に巻き込まれていく。 それでも彼女は媚びない、逃げない、折れない。 やがてルシアンはリーゼから目が離せなくなり―― 白竜の少女が、学園と王国の運命を変える。 身分差×竜×学園ラブファンタジー、開幕。

異世界に転移してしまった私、古民家をもらったのでカフェを始めたら大盛況。国王陛下が頻繁に来るのですが、どうしたらいいですか?

来栖とむ
ファンタジー
ブラック企業で疲れ果てた30歳の元OL・美里(みさと)が転移した先は、見渡す限りの深い森。 そこで彼女が授かったのは、魔女の称号……ではなく、一軒の**「日本の古民家」**だった! 亡き祖母が遺したその屋敷には、異世界では失われたはずの「お醤油」「お味噌」「白いお砂糖」という禁断の調味料が眠っていて――。 「えっ、唐揚げにそんなに感動しちゃうの?」 「プリン一口で、国王陛下が泣いちゃった……!?」 おにぎり、オムライス、そして肉汁溢れるハンバーグ。 現代日本の「当たり前」が、この世界では常識を覆す究極の美食に。 お掃除のプロな親子や、お忍びの王様、さらにはツンデレな宮廷料理人まで巻き込んで、 美味しい香りに包まれた、心もお腹も満たされるスローライフが今、始まります!

王家に生まれたエリーザはまだ幼い頃に城の前に捨てられた。が、その結果こうして幸せになれたのかもしれない。

四季
恋愛
王家に生まれたエリーザはまだ幼い頃に城の前に捨てられた。

異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました

雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。 気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。 剣も魔法も使えないユウにできるのは、 子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。 ……のはずが、なぜか料理や家事といった 日常のことだけが、やたらとうまくいく。 無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。 個性豊かな子供たちに囲まれて、 ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。 やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、 孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。 戦わない、争わない。 ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。 ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、 やさしい異世界孤児院ファンタジー。

旦那様、愛人を作ってもいいですか?

ひろか
恋愛
私には前世の記憶があります。ニホンでの四六年という。 「君の役目は魔力を多く持つ子供を産むこと。その後で君も自由にすればいい」 これ、旦那様から、初夜での言葉です。 んん?美筋肉イケオジな愛人を持っても良いと? ’18/10/21…おまけ小話追加

自己肯定感の低い令嬢が策士な騎士の溺愛に絡め取られるまで

嘉月
恋愛
平凡より少し劣る頭の出来と、ぱっとしない容姿。 誰にも望まれず、夜会ではいつも壁の花になる。 でもそんな事、気にしたこともなかった。だって、人と話すのも目立つのも好きではないのだもの。 このまま実家でのんびりと一生を生きていくのだと信じていた。 そんな拗らせ内気令嬢が策士な騎士の罠に掛かるまでの恋物語 執筆済みで完結確約です。

治癒魔法で恋人の傷を治したら、「化け物」と呼ばれ故郷から追放されてしまいました

山科ひさき
恋愛
ある日治癒魔法が使えるようになったジョアンは、化け物呼ばわりされて石を投げられ、町から追い出されてしまう。彼女はただ、いまにも息絶えそうな恋人を助けたかっただけなのに。 生きる希望を失った彼女は、恋人との思い出の場所で人生の終わりを迎えようと決める。

処理中です...