契約結婚を申し込んできた夫にちっちゃく復讐しようと思う

きんのたまご

文字の大きさ
3 / 48

3

しおりを挟む
なんやかんやですぐ彼と結婚する事になってしまった。
結婚式は身内だけでこじんまりとすませた・・・それでも豪華絢爛だった。流石侯爵家。屋敷もビックリする程大きかった。
嫁いで来た日にあるはずの初夜なんてモノも当然無く(あっても困るけど)使用人の皆は何とも言えない微妙な顔をしていた。
ああ、この屋敷の人は皆私が彼のお飾りの妻だと知っているんだわ。
同情されるのはまっぴらだけど・・・。この先この屋敷で暮らしてゆかなければならない。人間関係は大事だ。

私はまず屋敷の人間を全て私の味方に付けることにした。
まずはリサーチ。この屋敷の使用人が夫とその彼女の事をどう思っているか・・・。
私と言う嫁がこの家に嫁いで来た今!使用人の中では私達3人の事で話題が持ち切りだろう。私は数日かけて使用人達の噂話をこっそり聞いてみた。
すると私を可哀想だと言ってくれる人が半分。あとの半分のうち夫と彼女の事を美談のように言う人が三分の二あとの三分の一は財産目当てだから大丈夫なんでしょと言う人。
「やっぱり財産目当てとか言われてるか・・・それに夫と彼女を引き裂いて無理矢理結婚したとかもあったわね」
うーん。どうして行くべきか・・・。
「よし!まずは挨拶ね」
そう言って立ち上がった。
どちらにしろ部屋に篭もりっきりで居てやるつもりは無い!ここは私が住む家なのだ、どうせならとびっきり住みやすい家にしなければ!
まずは執事とメイド頭ね。私は2人を呼び出す。
挨拶は大事だ。私はそこそこ威厳を持ちつつも使用人を大事にしますよ~というオーラ?を醸し出す。
あまり下手に出すぎると何かやましい事があるのか?とかやっぱり夫に口出ししない大人しいお飾りの妻なのねとか言われかねない。だから私はここの女主人だとある程度の威厳は大事なのである。
「まだこの家のルールなど分からない事は教えて頂戴。これからこの家の事は女主人である私が取り仕切ります。いつまでも旦那様の御手を煩わせる訳にはいかないものね。皆にも協力して欲しいわ」
そう言って私はニッコリ微笑み執事とメイド頭の手を握る。
「親のようなあなた達がいればなんの心配もないわね」
そう言うと2人は少し驚いたような顔をして、その後よろしくお願い致しますと頭を下げてくれた。

「まぁ、取り敢えずはこんなものか」
あの2人を味方に付けるのは優先事項。後はちょっとずつね。
そして早速用意して貰った執務室で(この部屋は将来弟につかわせましょ)各方面への結婚の報告と彼のご両親への手紙をしたため始めた。

ちゃんと彼の妻が誰であるのか、皆には知っておいて貰わないとね。
あと彼のご両親には暫くこちらに来て頂きましょうか。彼のご両親は彼が私と結婚したのを機に息子に全て譲り領地に引っ込まれてしまわれた。結婚式では一応子供を楽しみにしている、と言ってはいたけど。
息子の不始末、知らないでは済まされませんよ。
私の可愛い弟もちゃんと紹介しないといけないし。
その時ノックの音がする。
「どうぞ」
私はお茶を持ってきてくれたメイドに笑顔で
「ありがとう」
と言うとまた手紙を書き始めた。

この時お茶を持って来てくれたメイドとはとても仲良くなるのだが、この時の奥様の顔は忙しそうなのにとても微笑んでいて・・・爛々と輝く目がすごく怖かったと後々語ってくれた。
失礼な!







ざまぁに向けての下準備進行中。
しおりを挟む
感想 441

あなたにおすすめの小説

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

真実の愛のお相手様と仲睦まじくお過ごしください

LIN
恋愛
「私には真実に愛する人がいる。私から愛されるなんて事は期待しないでほしい」冷たい声で男は言った。 伯爵家の嫡男ジェラルドと同格の伯爵家の長女マーガレットが、互いの家の共同事業のために結ばれた婚約期間を経て、晴れて行われた結婚式の夜の出来事だった。 真実の愛が尊ばれる国で、マーガレットが周囲の人を巻き込んで起こす色んな出来事。 (他サイトで載せていたものです。今はここでしか載せていません。今まで読んでくれた方で、見つけてくれた方がいましたら…ありがとうございます…) (1月14日完結です。設定変えてなかったらすみません…)

白い結婚を告げようとした王子は、冷遇していた妻に恋をする

夏生 羽都
恋愛
ランゲル王国の王太子ヘンリックは結婚式を挙げた夜の寝室で、妻となったローゼリアに白い結婚を宣言する、 ……つもりだった。 夫婦の寝室に姿を見せたヘンリックを待っていたのは、妻と同じ髪と瞳の色を持った見知らぬ美しい女性だった。 「『愛するマリーナのために、私はキミとは白い結婚とする』でしたか? 早くおっしゃってくださいな」 そう言って椅子に座っていた美しい女性は悠然と立ち上がる。 「そ、その声はっ、ローゼリア……なのか?」 女性の声を聞いた事で、ヘンリックはやっと彼女が自分の妻となったローゼリアなのだと気付いたのだが、驚きのあまり白い結婚を宣言する事も出来ずに逃げるように自分の部屋へと戻ってしまうのだった。 ※こちらは「裏切られた令嬢は、30歳も年上の伯爵さまに嫁ぎましたが、白い結婚ですわ。」のIFストーリーです。 ヘンリック(王太子)が主役となります。 また、上記作品をお読みにならなくてもお楽しみ頂ける内容となっております。

婚約破棄を申し入れたのは、父です ― 王子様、あなたの企みはお見通しです!

みかぼう。
恋愛
公爵令嬢クラリッサ・エインズワースは、王太子ルーファスの婚約者。 幼い日に「共に国を守ろう」と誓い合ったはずの彼は、 いま、別の令嬢マリアンヌに微笑んでいた。 そして――年末の舞踏会の夜。 「――この婚約、我らエインズワース家の名において、破棄させていただきます!」 エインズワース公爵が力強く宣言した瞬間、 王国の均衡は揺らぎ始める。 誇りを捨てず、誠実を貫く娘。 政の闇に挑む父。 陰謀を暴かんと手を伸ばす宰相の子。 そして――再び立ち上がる若き王女。 ――沈黙は逃げではなく、力の証。 公爵令嬢の誇りが、王国の未来を変える。 ――荘厳で静謐な政略ロマンス。 (本作品は小説家になろうにも掲載中です)

【完結】恋が終わる、その隙に

七瀬菜々
恋愛
 秋。黄褐色に光るススキの花穂が畦道を彩る頃。  伯爵令嬢クロエ・ロレーヌは5年の婚約期間を経て、名門シルヴェスター公爵家に嫁いだ。  愛しい彼の、弟の妻としてーーー。  

いくつもの、最期の願い

しゃーりん
恋愛
エステルは出産後からずっと体調を崩したままベッドで過ごしていた。 夫アイザックとは政略結婚で、仲は良くも悪くもない。 そんなアイザックが屋敷で働き始めた侍女メイディアの名を口にして微笑んだ時、エステルは閃いた。 メイディアをアイザックの後妻にしよう、と。 死期の迫ったエステルの願いにアイザックたちは応えるのか、なぜエステルが生前からそれを願ったかという理由はエステルの実妹デボラに関係があるというお話です。

龍王の番〜双子の運命の分かれ道・人生が狂った者たちの結末〜

クラゲ散歩
ファンタジー
ある小さな村に、双子の女の子が生まれた。 生まれて間もない時に、いきなり家に誰かが入ってきた。高貴なオーラを身にまとった、龍国の王ザナが側近二人を連れ現れた。 母親の横で、お湯に入りスヤスヤと眠っている子に「この娘は、私の○○の番だ。名をアリサと名付けよ。 そして18歳になったら、私の妻として迎えよう。それまでは、不自由のないようにこちらで準備をする。」と言い残し去って行った。 それから〜18年後 約束通り。贈られてきた豪華な花嫁衣装に身を包み。 アリサと両親は、龍の背中に乗りこみ。 いざ〜龍国へ出発した。 あれれ?アリサと両親だけだと数が合わないよね?? 確か双子だったよね? もう一人の女の子は〜どうしたのよ〜! 物語に登場する人物達の視点です。

〈完結〉だってあなたは彼女が好きでしょう?

ごろごろみかん。
恋愛
「だってあなたは彼女が好きでしょう?」 その言葉に、私の婚約者は頷いて答えた。 「うん。僕は彼女を愛している。もちろん、きみのことも」

処理中です...