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私が夫から持ちかけられた契約内容はこうだ。
1、まずこの結婚にはお互い恋愛感情は無い
2、お互い生活に口を出さない
3、妻の生活と地位はしっかり保証する
4、子供は作らなくても良い
5、将来この侯爵家は妻の弟に継がせる
尚どうしても夫婦で出ないといけない公式な行事には出席してもらわなければいけない。
とまぁ、この条件だけ見ればそんなに悪い事では無いように思う、自分の生活は保証されているし自由に生活出来る、おまけに将来この侯爵家が弟のものになると言う・・・だが!結婚するはずの2人に恋愛感情が無いとはどういう事だろうか。しかも子供作らないって・・・。
完全な仮面夫婦じゃないの。
すぐ断ることも出来たが・・・なぜこの幼なじみがこんな事を言い出したのか気になった。
「どうしてこんな事を?」
好奇心に負けて聞いてしまったこの時の私を殴りたい。
この時事情を聞かなければ何も知らない顔で断る事も出来たのに。
「実は好きな女がいるんだ」
幼なじみは結婚を申し込んでいるはずの私に向かいそう言った。
彼は話し出す。
「俺には何を捨てても一緒になりたい女がいるんだ、でもちょっと訳ありで俺の妻には出来ない。でも俺は彼女以外に考えられない!俺はこのままでも彼女とずっと一緒にいられたらいいと思っていた、けど周りが早く結婚しろと急かしてくる。親だって早くお嫁さんを貰って子供を作りなさいと」
うん、まぁ普通の事よね。婚期については放っといて欲しいところだけれど。
彼の話を聞きながら相槌をうつ。
「俺は一人っ子、家の事もあるし悩んでいた。その事を彼女に言うと私と別れた方が貴方が幸せになれるなら私は身を引くと言いだして」
あら、なかなかしっかりした子じゃないの。・・・でも彼女の言い方にあざとさを感じるのは私だけかしら?
「でもそれなら親族から養子とか貰って跡取りになって貰うとか出来たんじゃないの?で、貴方はその彼女と駆け落ちする」
「俺もそう言ったんだが、貴方に家を捨てさせる事なんて出来ないと」
うん、これお金だな。折角侯爵家のボンボンと付き合ってるのに家を捨てられたら無一文になってしまう。それを避けたかったんだな。彼女黒!
「ならば結婚は好きじゃ無い女として心は一生彼女に捧げる事にしようと・・・」
うん、随分身勝手な・・・。
「彼女もそれで納得してくれて・・・貴方の奥さんになりたかったけど私のせいだから仕方ないわ。ずっと貴方が一緒にいてくれるなら・・・私は我慢出来ると泣きながら言ってくれたんだ」
・・・いや、それ相手の迷惑考えて。奥さん可哀想過ぎでしょ!
ってその奥さんに私が今なろうとしている!
いくら恋愛感情がないにしろこれは酷い!
「そうなの大変なのね」
いや、ちっとも思って無いけど!
「そうなんだ!そうなんだよ!ここまで話したんだからお前なら協力してくれるだろう?」
「えっ、嫌ですけど」
私は速攻断った。
「何故だ!俺の事にさえ口出ししないでいてくれたら好きにしていてくれていいんだ!最後には侯爵家も弟の物になる!悪い話では無いだろう?」
「そもそも何故私なの?」
「お前なら幼馴染で信用出来る!弟も良い奴だ!親にもお前となら安心して貰える!」
・・・これはアレだ。最初から利用する気満々だったな。
「とにかくお断りするわ」
そう言って席を立った私の手を彼が掴む。
「いや、お前はもう俺の婚約者だ。どうあっても協力して貰う」
そうだ、もう既に私は彼の婚約者だった。
「では婚約解消しましょう」
「いいや、俺にはその意思がない、お前は俺に金を払って婚約解消しないといけなくなるぞ」
この国ではお互い納得しての婚約解消でない限り言い出した方が相手の納得する金額を払って婚約解消しなければならない。
本来なら立場の弱い女性を守る決まりだったけど、ここでそれが邪魔になるとは。
私は渋々ながらこの結婚に納得する他に道は無かった。
そして私は決意する。
この愚かな男に一生かけてねちっこく仕返ししてやろうと!
乙女の純情踏みにじったらどうなるか覚えておきなさい!
1、まずこの結婚にはお互い恋愛感情は無い
2、お互い生活に口を出さない
3、妻の生活と地位はしっかり保証する
4、子供は作らなくても良い
5、将来この侯爵家は妻の弟に継がせる
尚どうしても夫婦で出ないといけない公式な行事には出席してもらわなければいけない。
とまぁ、この条件だけ見ればそんなに悪い事では無いように思う、自分の生活は保証されているし自由に生活出来る、おまけに将来この侯爵家が弟のものになると言う・・・だが!結婚するはずの2人に恋愛感情が無いとはどういう事だろうか。しかも子供作らないって・・・。
完全な仮面夫婦じゃないの。
すぐ断ることも出来たが・・・なぜこの幼なじみがこんな事を言い出したのか気になった。
「どうしてこんな事を?」
好奇心に負けて聞いてしまったこの時の私を殴りたい。
この時事情を聞かなければ何も知らない顔で断る事も出来たのに。
「実は好きな女がいるんだ」
幼なじみは結婚を申し込んでいるはずの私に向かいそう言った。
彼は話し出す。
「俺には何を捨てても一緒になりたい女がいるんだ、でもちょっと訳ありで俺の妻には出来ない。でも俺は彼女以外に考えられない!俺はこのままでも彼女とずっと一緒にいられたらいいと思っていた、けど周りが早く結婚しろと急かしてくる。親だって早くお嫁さんを貰って子供を作りなさいと」
うん、まぁ普通の事よね。婚期については放っといて欲しいところだけれど。
彼の話を聞きながら相槌をうつ。
「俺は一人っ子、家の事もあるし悩んでいた。その事を彼女に言うと私と別れた方が貴方が幸せになれるなら私は身を引くと言いだして」
あら、なかなかしっかりした子じゃないの。・・・でも彼女の言い方にあざとさを感じるのは私だけかしら?
「でもそれなら親族から養子とか貰って跡取りになって貰うとか出来たんじゃないの?で、貴方はその彼女と駆け落ちする」
「俺もそう言ったんだが、貴方に家を捨てさせる事なんて出来ないと」
うん、これお金だな。折角侯爵家のボンボンと付き合ってるのに家を捨てられたら無一文になってしまう。それを避けたかったんだな。彼女黒!
「ならば結婚は好きじゃ無い女として心は一生彼女に捧げる事にしようと・・・」
うん、随分身勝手な・・・。
「彼女もそれで納得してくれて・・・貴方の奥さんになりたかったけど私のせいだから仕方ないわ。ずっと貴方が一緒にいてくれるなら・・・私は我慢出来ると泣きながら言ってくれたんだ」
・・・いや、それ相手の迷惑考えて。奥さん可哀想過ぎでしょ!
ってその奥さんに私が今なろうとしている!
いくら恋愛感情がないにしろこれは酷い!
「そうなの大変なのね」
いや、ちっとも思って無いけど!
「そうなんだ!そうなんだよ!ここまで話したんだからお前なら協力してくれるだろう?」
「えっ、嫌ですけど」
私は速攻断った。
「何故だ!俺の事にさえ口出ししないでいてくれたら好きにしていてくれていいんだ!最後には侯爵家も弟の物になる!悪い話では無いだろう?」
「そもそも何故私なの?」
「お前なら幼馴染で信用出来る!弟も良い奴だ!親にもお前となら安心して貰える!」
・・・これはアレだ。最初から利用する気満々だったな。
「とにかくお断りするわ」
そう言って席を立った私の手を彼が掴む。
「いや、お前はもう俺の婚約者だ。どうあっても協力して貰う」
そうだ、もう既に私は彼の婚約者だった。
「では婚約解消しましょう」
「いいや、俺にはその意思がない、お前は俺に金を払って婚約解消しないといけなくなるぞ」
この国ではお互い納得しての婚約解消でない限り言い出した方が相手の納得する金額を払って婚約解消しなければならない。
本来なら立場の弱い女性を守る決まりだったけど、ここでそれが邪魔になるとは。
私は渋々ながらこの結婚に納得する他に道は無かった。
そして私は決意する。
この愚かな男に一生かけてねちっこく仕返ししてやろうと!
乙女の純情踏みにじったらどうなるか覚えておきなさい!
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