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弟side2
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1年前のあのパーティーで決定的な事をやらかしたあの馬鹿な義兄。
パーティーでのあの女の醜悪な姿が見えなかったのだろうか・・・。
だからといってあの場で馬鹿な義兄が姉の方を選んでいたとしても今までの事が許される訳では無いのだが。
両親と俺はこの1年前の間に何度も何度も別れて帰って来たらいいと話をした、でもその都度その都度姉には断られている。
何か考えがある事は分かっている・・・分かっているのだが、健気な妻を装って「余程夫の事を愛しているのね」と周りから言われている姉の姿を見ると正直面白くない。むしろムカムカする。
だが俺が勝手に「姉は義兄の事などなんとも思っていない、むしろ嫌っている」なんてとても言えないし。
そんな面白くない日々を送っていたある日姉から侯爵家の領地経営を手伝って欲しいと言われた。多分将来侯爵家を俺が継ぐ時の事を考えて今から慣れさせておこうと言う考えだろう。
そんな折、両親から話ておきたい事があると呼び出された。
コンコン
「失礼します」
俺は執務質の扉を開ける。そこにはお母様までいた。
「お話とは?」
「まぁ、座りなさい」
俺は勧められた席に座る。
「あの子から貴方を侯爵家に寄越して欲しいと手紙がきたわ」
「はい、俺の方にも来ました」
「そう、それでだな・・・お前に今まで黙っていた事がある」
「・・・なんですか?」
両親の深刻そうな雰囲気に姿勢を正す。
「・・・実は・・・お前は私達夫婦の子供では無い」
「あ、その事ですか・・・知ってました」
「え?」
両親は驚いていた。
「お2人は隠していたようなので敢えて言わなかったんですが・・・すいません」
「そうだったの?えっ?いつから?」
「んー、俺の5歳の誕生日の夜・・・だったかな?2人で話しているのを聞いてしまって」
「そう・・・そうだったのか」
そう、俺はこの家の息子では無い。今の父の妹夫婦の子供だ。俺の本当の母親は俺を産んで死んだらしい、男1人で育てて行くのは大変だろうと取り敢えず5歳位まで預かるつもりでこの家に引き取られたのだが父親も俺の5歳を待たずして亡くなり俺はそのままこの家に正式に引き取られる事になったのだ。
姉がこの事を知っているかは分からない、知っていそうな気もするしそうでないような気もする。ただ今まではそんな事を1度も言った事は無い。
「私達は貴方の事を本当の息子だと思っているわ。でも、貴方がこの家に縛られる事は無いのよ。だから姉のあの子の事も絶対に言うことを聞かなければいけない訳では無いわ・・・」
「大丈夫ですよ、俺は好きで姉さんの手伝いをしています」
俺はそうハッキリ言った。
「そう・・・そうなのね」
母は安心したようなちょっと複雑なような表情をしていた。
「あの子の事は貴方に任せるわ、どうか助けてあげてね」
「勿論です」
もしかしたら俺の気持ちはバレているのかもしれない。
「あっそうそう!この家の事は心配しないでいいわ」
そう言った母の腕には2歳になる弟が抱かれていた。
よし!こうなったからには俺は最後まで全力であの姉の力になろう。
そう決意して姉の待つ侯爵家に向かう。
パーティーでのあの女の醜悪な姿が見えなかったのだろうか・・・。
だからといってあの場で馬鹿な義兄が姉の方を選んでいたとしても今までの事が許される訳では無いのだが。
両親と俺はこの1年前の間に何度も何度も別れて帰って来たらいいと話をした、でもその都度その都度姉には断られている。
何か考えがある事は分かっている・・・分かっているのだが、健気な妻を装って「余程夫の事を愛しているのね」と周りから言われている姉の姿を見ると正直面白くない。むしろムカムカする。
だが俺が勝手に「姉は義兄の事などなんとも思っていない、むしろ嫌っている」なんてとても言えないし。
そんな面白くない日々を送っていたある日姉から侯爵家の領地経営を手伝って欲しいと言われた。多分将来侯爵家を俺が継ぐ時の事を考えて今から慣れさせておこうと言う考えだろう。
そんな折、両親から話ておきたい事があると呼び出された。
コンコン
「失礼します」
俺は執務質の扉を開ける。そこにはお母様までいた。
「お話とは?」
「まぁ、座りなさい」
俺は勧められた席に座る。
「あの子から貴方を侯爵家に寄越して欲しいと手紙がきたわ」
「はい、俺の方にも来ました」
「そう、それでだな・・・お前に今まで黙っていた事がある」
「・・・なんですか?」
両親の深刻そうな雰囲気に姿勢を正す。
「・・・実は・・・お前は私達夫婦の子供では無い」
「あ、その事ですか・・・知ってました」
「え?」
両親は驚いていた。
「お2人は隠していたようなので敢えて言わなかったんですが・・・すいません」
「そうだったの?えっ?いつから?」
「んー、俺の5歳の誕生日の夜・・・だったかな?2人で話しているのを聞いてしまって」
「そう・・・そうだったのか」
そう、俺はこの家の息子では無い。今の父の妹夫婦の子供だ。俺の本当の母親は俺を産んで死んだらしい、男1人で育てて行くのは大変だろうと取り敢えず5歳位まで預かるつもりでこの家に引き取られたのだが父親も俺の5歳を待たずして亡くなり俺はそのままこの家に正式に引き取られる事になったのだ。
姉がこの事を知っているかは分からない、知っていそうな気もするしそうでないような気もする。ただ今まではそんな事を1度も言った事は無い。
「私達は貴方の事を本当の息子だと思っているわ。でも、貴方がこの家に縛られる事は無いのよ。だから姉のあの子の事も絶対に言うことを聞かなければいけない訳では無いわ・・・」
「大丈夫ですよ、俺は好きで姉さんの手伝いをしています」
俺はそうハッキリ言った。
「そう・・・そうなのね」
母は安心したようなちょっと複雑なような表情をしていた。
「あの子の事は貴方に任せるわ、どうか助けてあげてね」
「勿論です」
もしかしたら俺の気持ちはバレているのかもしれない。
「あっそうそう!この家の事は心配しないでいいわ」
そう言った母の腕には2歳になる弟が抱かれていた。
よし!こうなったからには俺は最後まで全力であの姉の力になろう。
そう決意して姉の待つ侯爵家に向かう。
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