46 / 48
番外編
その後のアイリス3
しおりを挟む
弟との関係をハッキリさせる期限まであと3ヶ月に差し迫ったある日、私はとても困っていた。
「いいじゃないですか少しくらい」
「いえ、困ります」
私の肩を馴れ馴れしく抱き孤児院の外へ連れ出そうとしているこの男はとある伯爵家の次男。なんでも私が侯爵夫人だった頃に出席していたパーティーで私に一目惚れをしたらしい、その時は既婚者だったので諦めたらしいのだが私がグリードと別れたのを知って、そこからずっと私を探していたらしい。執念深い・・・。
「では、そろそろいい返事を聞かせて下さい」
「ずっとお断りしているはずですが」
「またまたぁ、恥ずかしがらなくてもいいんですよ!貴女は1度結婚していたのを気にしてそう言っているんでしょう?私は全然気にしませんよ!」
「いえ、私は誰とも結婚するつもりはありません!何度もそう言っています」
「ええ、分かります分かりますとも!貴族の世界は色々と言うものがいますからね!大丈夫です。私がちゃんとお守りしますよ」
「いえ、ですから私は結婚するつもりはありません」
「まだ早いですか?では後1年後ぐらいですか?」
・・・何なの?全然話が噛み合わない。ずっとずっとずっとずっとずーっと断っているのに。?言葉が通じてないの?
「・・・・・・・・・」
もう無理。私が話を無視して孤児院の中に入ろうとすると腕を掴まれた。
「話して下さい」
勢い良く腕を振り払うがビクともしない。
「待って下さい、まだお話は終わってませんよ。いつにしますか?結婚式」
そう言って微笑んで来る男を見てゾッとした。
「ちょっと、離して!」
「おい、やめろ!」
どうにか男から逃れようともがいているとアルフの声がした。
「アルフ!」
アルフが男の腕を私から離してくれた。
「・・・何だ?誰だ?」
「アイリスは俺のものだ・・・分かったら早くお帰り下さい」
「どういう事だ!侯爵と別れてから次の相手などいなかったはずだぞ!」
「そうなんですか?でも、現にこうしている訳ですからね・・・おいでアイリス」
そう言ってアレフは私を引き寄せ肩を抱いた。私はされるがままアレフに寄り添うように肩に頭を寄せる。
「そうなんです、黙っていて申し訳ありません」
そんな事実は無いが今はアレフの演技にのる以外の選択肢は無かった。
「騙したのか!・・・覚えておけよ!」
顔を真っ赤にして悪役よろしく捨て台詞を吐きながら男は去って行った。
「はぁ~」
男の姿が見えなくなり私はようやく肩の力を抜く。
「ありがとうアルフ、貴方が来てくれて助かったわ」
「アイリスは美人だからな・・・兎に角気を付けて」
そう言ってアレフは私の頭をポンポンと撫でその後は何も言わず去って行った。
「いつもならもっと怒りそうなのに・・・どうしたのかしら」
私はアルフが去って行った背中を見送った。
アイリスと約束した期限まであと3ヶ月・・・この先もきっと・・・アイリスが1人でいる限りこんな事は付き纏う。
「アイリスを任せられるような人を探さないと・・・」
「いいじゃないですか少しくらい」
「いえ、困ります」
私の肩を馴れ馴れしく抱き孤児院の外へ連れ出そうとしているこの男はとある伯爵家の次男。なんでも私が侯爵夫人だった頃に出席していたパーティーで私に一目惚れをしたらしい、その時は既婚者だったので諦めたらしいのだが私がグリードと別れたのを知って、そこからずっと私を探していたらしい。執念深い・・・。
「では、そろそろいい返事を聞かせて下さい」
「ずっとお断りしているはずですが」
「またまたぁ、恥ずかしがらなくてもいいんですよ!貴女は1度結婚していたのを気にしてそう言っているんでしょう?私は全然気にしませんよ!」
「いえ、私は誰とも結婚するつもりはありません!何度もそう言っています」
「ええ、分かります分かりますとも!貴族の世界は色々と言うものがいますからね!大丈夫です。私がちゃんとお守りしますよ」
「いえ、ですから私は結婚するつもりはありません」
「まだ早いですか?では後1年後ぐらいですか?」
・・・何なの?全然話が噛み合わない。ずっとずっとずっとずっとずーっと断っているのに。?言葉が通じてないの?
「・・・・・・・・・」
もう無理。私が話を無視して孤児院の中に入ろうとすると腕を掴まれた。
「話して下さい」
勢い良く腕を振り払うがビクともしない。
「待って下さい、まだお話は終わってませんよ。いつにしますか?結婚式」
そう言って微笑んで来る男を見てゾッとした。
「ちょっと、離して!」
「おい、やめろ!」
どうにか男から逃れようともがいているとアルフの声がした。
「アルフ!」
アルフが男の腕を私から離してくれた。
「・・・何だ?誰だ?」
「アイリスは俺のものだ・・・分かったら早くお帰り下さい」
「どういう事だ!侯爵と別れてから次の相手などいなかったはずだぞ!」
「そうなんですか?でも、現にこうしている訳ですからね・・・おいでアイリス」
そう言ってアレフは私を引き寄せ肩を抱いた。私はされるがままアレフに寄り添うように肩に頭を寄せる。
「そうなんです、黙っていて申し訳ありません」
そんな事実は無いが今はアレフの演技にのる以外の選択肢は無かった。
「騙したのか!・・・覚えておけよ!」
顔を真っ赤にして悪役よろしく捨て台詞を吐きながら男は去って行った。
「はぁ~」
男の姿が見えなくなり私はようやく肩の力を抜く。
「ありがとうアルフ、貴方が来てくれて助かったわ」
「アイリスは美人だからな・・・兎に角気を付けて」
そう言ってアレフは私の頭をポンポンと撫でその後は何も言わず去って行った。
「いつもならもっと怒りそうなのに・・・どうしたのかしら」
私はアルフが去って行った背中を見送った。
アイリスと約束した期限まであと3ヶ月・・・この先もきっと・・・アイリスが1人でいる限りこんな事は付き纏う。
「アイリスを任せられるような人を探さないと・・・」
42
あなたにおすすめの小説
私と子供より、夫は幼馴染とその子供のほうが大切でした。
小野 まい
恋愛
結婚記念日のディナーに夫のオスカーは現れない。
「マリアが熱を出したらしい」
駆けつけた先で、オスカーがマリアと息子カイルと楽しげに食事をする姿を妻のエリザが目撃する。
「また裏切られた……」
いつも幼馴染を優先するオスカーに、エリザの不満は限界に達していた。
「あなたは家族よりも幼馴染のほうが大事なのね」
離婚する気持ちが固まっていく。
婚約者を想うのをやめました
かぐや
恋愛
女性を侍らしてばかりの婚約者に私は宣言した。
「もうあなたを愛するのをやめますので、どうぞご自由に」
最初は婚約者も頷くが、彼女が自分の側にいることがなくなってから初めて色々なことに気づき始める。
*書籍化しました。応援してくださった読者様、ありがとうございます。
【商業企画進行中・取り下げ予定】さようなら、私の初恋。
ごろごろみかん。
ファンタジー
結婚式の夜、私はあなたに殺された。
彼に嫌悪されているのは知っていたけど、でも、殺されるほどだとは思っていなかった。
「誰も、お前なんか必要としていない」
最期の時に言われた言葉。彼に嫌われていても、彼にほかに愛するひとがいても、私は彼の婚約者であることをやめなかった。やめられなかった。私には責務があるから。
だけどそれも、意味のないことだったのだ。
彼に殺されて、気がつけば彼と結婚する半年前に戻っていた。
なぜ時が戻ったのかは分からない。
それでも、ひとつだけ確かなことがある。
あなたは私をいらないと言ったけど──私も、私の人生にあなたはいらない。
私は、私の生きたいように生きます。
完結 そんなにその方が大切ならば身を引きます、さようなら。
音爽(ネソウ)
恋愛
相思相愛で結ばれたクリステルとジョルジュ。
だが、新婚初夜は泥酔してお預けに、その後も余所余所しい態度で一向に寝室に現れない。不審に思った彼女は眠れない日々を送る。
そして、ある晩に玄関ドアが開く音に気が付いた。使われていない離れに彼は通っていたのだ。
そこには匿われていた美少年が棲んでいて……
〈完結〉【書籍化&コミカライズ・取り下げ予定】記憶を失ったらあなたへの恋心も消えました。
ごろごろみかん。
恋愛
婚約者には、何よりも大切にしている義妹がいる、らしい。
ある日、私は階段から転がり落ち、目が覚めた時には全てを忘れていた。
対面した婚約者は、
「お前がどうしても、というからこの婚約を結んだ。そんなことも覚えていないのか」
……とても偉そう。日記を見るに、以前の私は彼を慕っていたらしいけれど。
「階段から転げ落ちた衝撃であなたへの恋心もなくなったみたいです。ですから婚約は解消していただいて構いません。今まで無理を言って申し訳ありませんでした」
今の私はあなたを愛していません。
気弱令嬢(だった)シャーロットの逆襲が始まる。
☆タイトルコロコロ変えてすみません、これで決定、のはず。
☆商業化が決定したため取り下げ予定です(完結まで更新します)
【完】貴方達が出ていかないと言うのなら、私が出て行きます!その後の事は知りませんからね
さこの
恋愛
私には婚約者がいる。
婚約者は伯爵家の次男、ジェラール様。
私の家は侯爵家で男児がいないから家を継ぐのは私です。お婿さんに来てもらい、侯爵家を未来へ繋いでいく、そう思っていました。
全17話です。
執筆済みなので完結保証( ̇ᵕ ̇ )
ホットランキングに入りました。ありがとうございますペコリ(⋆ᵕᴗᵕ⋆).+*
2021/10/04
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
【完結】亡くなった人を愛する貴方を、愛し続ける事はできませんでした
凛蓮月@騎士の夫〜発売中です
恋愛
【おかげさまで完全完結致しました。閲覧頂きありがとうございます】
いつか見た、貴方と婚約者の仲睦まじい姿。
婚約者を失い悲しみにくれている貴方と新たに婚約をした私。
貴方は私を愛する事は無いと言ったけれど、私は貴方をお慕いしておりました。
例え貴方が今でも、亡くなった婚約者の女性を愛していても。
私は貴方が生きてさえいれば
それで良いと思っていたのです──。
【早速のホトラン入りありがとうございます!】
※作者の脳内異世界のお話です。
※小説家になろうにも同時掲載しています。
※諸事情により感想欄は閉じています。詳しくは近況ボードをご覧下さい。(追記12/31〜1/2迄受付る事に致しました)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる