28 / 47
24 異能と検討
しおりを挟む
レイジの声に、すぐに管理者の男は答える。
『何用だ?』
「さっきまでの俺の話は聞いてたか?」
『聞いていたが・・・すまない、あの仮説があっているかどうかを答えることは出来ない。』
「ああ、やっぱりか。まあ、別にそこまで期待してなかったが。言えることだったら最初から言っているだろうしな。」
レイジは管理者の言葉を首を振って否定すると、右腕を前に突き出す。
「ところで、だ。そろそろ『異能』とやらの使い方を教えてくれねぇか?確か・・・触れた相手の能力を奪う『簒奪』の異能だったか。」
レイジのその問いに、しかし管理者はすぐには答えない。
『・・・・・・・・・・・』
「ん、おいどうしたよ?」
『ああ、いやすまない。しかし妙だな・・・異能は、与えられた時点で使い方を知っているはずなのだが・・・わからないのか?』
管理者の言葉に、レイジは首を横に振る。
「全く、検討もつかねぇな。俺が初めから知ってたのなんざ、あの神殿の情報が少しってところだぞ。」
『ふむ・・・なにか不具合があったのかもしれないな。』
「不具合って・・・そんなシステム的な感じなのかよ。」
呆れたように言うレイジに構わず、管理者は話を続ける。
『わかった、では改めて使い方を教えよう。まず異能を発動するためには『起句』と呼ばれる言葉を口にする必要がある。異能によって起句を使用するタイミングや回数は異なるが、『王位貶し』は発動する度に起句を口にしなければならない。』
「結構な隙だし、相手に情報を与えることにならねえかそれ?」
『起句は動きながら口にしても有効だ。隙は可能な限り自分で消すしかない。では、『王位貶し』の起句を教えよう。しっかりと覚えてくれ。』
「あいよ。」
レイジが頷いたのを確認してか、一拍ほど空けて管理者は起句を伝える。
『・・・【奪え、欲望のままに】。これが、簒奪の異能の起句だ。』
「奪え、欲望のままに、か。よし、覚えたぜ。」
『銃に例えると、起句を口にした状態が撃鉄を起こしている状態だ。そして最後に異能の名前を発声することで効果が発動される。つまり、異能の名前が引鉄となる。』
「つまり、簒奪の異能の発動には3ステップ必要なわけだ。相手に触れる、起句を口にする、異能の名前を発声する、と。」
『その通り。注意点として、『王位貶し』は相手の生物が初めから持つ機能は奪えない。炎龍の吐息や、吸血鬼の再生能力などだな。奪えるのは異能のような特殊能力や、魔法などだ。』
「なるほどな・・・発動すれば、強そうではあるが。」
レイジは自分の体を見下ろす。
「相手に触るまでが大変そうだな。まあ、死なないからゴリ押しでも良いが・・・何らかの手段で行動不能にされると詰みだしな。」
『吸血鬼への対策は、当然この世界にも存在するだろう。石化や氷漬けなどが一般的だな。』
「くくっ、それはゾッとしねぇな。」
言葉とは裏腹に愉快そうに笑う。
「なにかこの異能に制限はあるか?」
『同時に奪える能力は一つだけ。なにか能力を奪っている時点で他の能力を奪うと、一つ目の能力は自動的に元の持ち主に返還される。また、奪った能力の使い方などは詳しくはわからないため、なにか隠れた力があってもそれを使えはしないな。』
「奪った能力は自発的に返せるか?」
『可能だ。相手に触れて、返したいと思うだけでいい。』
「ふむ・・・だいたいわかった。」
レイジは頷く。
「試しに一度使ってみないとよく分かんねぇな。俺そもそも魔法とか使ったことねぇからぶっつけ本番で上手くいく気がしねぇ。」
『では、この辺りの魔獣で試してみるといい。この森に住む魔獣は低級だが魔法を使えるものも多い。訓練にはうってつけだろう。』
「よし、わかった。・・・念の為、リリィを呼んでくるか。・・・いや、今はセシリアと話してるか。」
レイジは少し考えると、空に向かって声を出す。
「カイン、聞こえるかー!ちょっとこっちに来てくれ!」
『・・・それは、大丈夫なのか?』
「いずれ見せるんだ、大丈夫だろ。」
レイジが呼んで、数秒後。
羽ばたきの音と共に、大きな影が頭上に現れる。
「おう、悪いなカイン!ちょっと魔獣と戦いたいから、もしも何かあったら助けてくれ!」
「グロォォォン!」
空の上から、カインが吼えて答える。
ちらりと里を見るレイジ。最初は少し騒ぎになったようだが、リリィかセシリアが説明したのか矢などは襲ってこない。
「よし、行くか。」
レイジは念の為ナイフを確認すると、そのまま森の奥に入って行った。
『何用だ?』
「さっきまでの俺の話は聞いてたか?」
『聞いていたが・・・すまない、あの仮説があっているかどうかを答えることは出来ない。』
「ああ、やっぱりか。まあ、別にそこまで期待してなかったが。言えることだったら最初から言っているだろうしな。」
レイジは管理者の言葉を首を振って否定すると、右腕を前に突き出す。
「ところで、だ。そろそろ『異能』とやらの使い方を教えてくれねぇか?確か・・・触れた相手の能力を奪う『簒奪』の異能だったか。」
レイジのその問いに、しかし管理者はすぐには答えない。
『・・・・・・・・・・・』
「ん、おいどうしたよ?」
『ああ、いやすまない。しかし妙だな・・・異能は、与えられた時点で使い方を知っているはずなのだが・・・わからないのか?』
管理者の言葉に、レイジは首を横に振る。
「全く、検討もつかねぇな。俺が初めから知ってたのなんざ、あの神殿の情報が少しってところだぞ。」
『ふむ・・・なにか不具合があったのかもしれないな。』
「不具合って・・・そんなシステム的な感じなのかよ。」
呆れたように言うレイジに構わず、管理者は話を続ける。
『わかった、では改めて使い方を教えよう。まず異能を発動するためには『起句』と呼ばれる言葉を口にする必要がある。異能によって起句を使用するタイミングや回数は異なるが、『王位貶し』は発動する度に起句を口にしなければならない。』
「結構な隙だし、相手に情報を与えることにならねえかそれ?」
『起句は動きながら口にしても有効だ。隙は可能な限り自分で消すしかない。では、『王位貶し』の起句を教えよう。しっかりと覚えてくれ。』
「あいよ。」
レイジが頷いたのを確認してか、一拍ほど空けて管理者は起句を伝える。
『・・・【奪え、欲望のままに】。これが、簒奪の異能の起句だ。』
「奪え、欲望のままに、か。よし、覚えたぜ。」
『銃に例えると、起句を口にした状態が撃鉄を起こしている状態だ。そして最後に異能の名前を発声することで効果が発動される。つまり、異能の名前が引鉄となる。』
「つまり、簒奪の異能の発動には3ステップ必要なわけだ。相手に触れる、起句を口にする、異能の名前を発声する、と。」
『その通り。注意点として、『王位貶し』は相手の生物が初めから持つ機能は奪えない。炎龍の吐息や、吸血鬼の再生能力などだな。奪えるのは異能のような特殊能力や、魔法などだ。』
「なるほどな・・・発動すれば、強そうではあるが。」
レイジは自分の体を見下ろす。
「相手に触るまでが大変そうだな。まあ、死なないからゴリ押しでも良いが・・・何らかの手段で行動不能にされると詰みだしな。」
『吸血鬼への対策は、当然この世界にも存在するだろう。石化や氷漬けなどが一般的だな。』
「くくっ、それはゾッとしねぇな。」
言葉とは裏腹に愉快そうに笑う。
「なにかこの異能に制限はあるか?」
『同時に奪える能力は一つだけ。なにか能力を奪っている時点で他の能力を奪うと、一つ目の能力は自動的に元の持ち主に返還される。また、奪った能力の使い方などは詳しくはわからないため、なにか隠れた力があってもそれを使えはしないな。』
「奪った能力は自発的に返せるか?」
『可能だ。相手に触れて、返したいと思うだけでいい。』
「ふむ・・・だいたいわかった。」
レイジは頷く。
「試しに一度使ってみないとよく分かんねぇな。俺そもそも魔法とか使ったことねぇからぶっつけ本番で上手くいく気がしねぇ。」
『では、この辺りの魔獣で試してみるといい。この森に住む魔獣は低級だが魔法を使えるものも多い。訓練にはうってつけだろう。』
「よし、わかった。・・・念の為、リリィを呼んでくるか。・・・いや、今はセシリアと話してるか。」
レイジは少し考えると、空に向かって声を出す。
「カイン、聞こえるかー!ちょっとこっちに来てくれ!」
『・・・それは、大丈夫なのか?』
「いずれ見せるんだ、大丈夫だろ。」
レイジが呼んで、数秒後。
羽ばたきの音と共に、大きな影が頭上に現れる。
「おう、悪いなカイン!ちょっと魔獣と戦いたいから、もしも何かあったら助けてくれ!」
「グロォォォン!」
空の上から、カインが吼えて答える。
ちらりと里を見るレイジ。最初は少し騒ぎになったようだが、リリィかセシリアが説明したのか矢などは襲ってこない。
「よし、行くか。」
レイジは念の為ナイフを確認すると、そのまま森の奥に入って行った。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜
平明神
ファンタジー
ユーゴ・タカトー。
それは、女神の「推し」になった男。
見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。
彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。
彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。
その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!
女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!
さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?
英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───
なんでもありの異世界アベンジャーズ!
女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕!
※不定期更新。最低週1回は投稿出来るように頑張ります。
※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
貞操逆転世界に転生したのに…男女比一対一って…
美鈴
ファンタジー
俺は隼 豊和(はやぶさ とよかず)。年齢は15歳。今年から高校生になるんだけど、何を隠そう俺には前世の記憶があるんだ。前世の記憶があるということは亡くなって生まれ変わったという事なんだろうけど、生まれ変わった世界はなんと貞操逆転世界だった。これはモテると喜んだのも束の間…その世界の男女比の差は全く無く、男性が優遇される世界ではなかった…寧ろ…。とにかく他にも色々とおかしい、そんな世界で俺にどうしろと!?また誰とも付き合えないのかっ!?そんなお話です…。
※カクヨム様にも投稿しております。内容は異なります。
※イラストはAI生成です
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
MP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる