ウェカピポの日常

ピコキチ

文字の大きさ
11 / 11

ウェカピポVSラーメン屋

しおりを挟む
ウェカピポVSラーメン屋


  ウェカピポは歌いたい  歌うと陽気になるから
  ウェカピポは旅行したい  もっと日本を見て回りたいから
  ウェカピポは四季を感じたい  日本の素晴らしい一面であるから

  ウェカピポは最近コンビニのヌードルを食べ過ぎて本場のラーメン屋へ行きたかった。しかし寿司屋の一件以来、外食はなるべく控えていた。だが日本のラーメン文化に触れずして日本を語れぬと察したウェカピポは週末は必ずラーメン屋でラーメンを食すと決めていた。

  ラーメン1日1万杯!!日本で消費されるラーメンの杯数は軽く1万杯を越えるであろう・・・
  物凄い勢いで消費されてゆくラーメン。まさに国民食!!ラーメン屋へ行かずに何処へ行くというのか!!いざ行かん!目指すはラーメン屋!!!!

  ウェカピポは威勢よく近所のラーメン屋のノレンをくぐった・・・!!

  「らっしゃーーい!!一名っすねぇー!!カウンターどぞーーっ!!」

  ウェカピポの威勢の良さに負けんばかりの掛け声でウェカピポを迎える店主!
  ウェカピポも負けじと店主に応える!

  「らっしゃいましたぁ!!ラーメンお願いシャス!!」

  「醤油!?塩!?味噌!?豚骨!?」

  店主が間を置かずウェカピポに問いただす!ラーメン屋の知識があまり無いウェカピポは一瞬戸惑ったものの持ち前の威勢の良さで華麗に返す!

  「醤油でお願シャス!!」

  日本といえば醤油!醤油といえば日本!それがウェカピポが思う日本像である!!だが店主の返しは止まらない!?

  「あっさり!?こってり!?それともこっさりすか!?」

  怒涛の如く詰め寄る店主!人気店ゆえにダラダラ説明をしている暇は無いのかもしれない・・・ウェカピポは店内を見渡したが席はチラホラ空いている・・・しかし店に入ったからには店主がルールである!ウェカピポ考える時間を捨て威勢よく応える!!」

「こってりでお願シャス!!」

  醤油こってり一丁!!!店主のコールが店にこだましたかと思えばすかさず怒声がウェカピポに飛んでくる!!

  「麺の固さは!?」

ワッツ!?麺の固さ!?ワッツ!?何だそれは!!ウェカピポ一瞬思考が停止する!!するとすかさず店主の罵声が響き渡る!!

  「やわ!?普通!?かた!?バリかた!?ハリガネ!?粉落としかい!?!?」

  ウェカピポ次第に店内の異様な熱気に飲み込まれつつあったが持ち前の威勢の良さで正気を保ちつつ応える!?

  「か、固めお願シャス!!」

  すると1秒の間も置かずに店主が声を荒げる!!

  「ニンニクどーしますー!?」

  「ニンニクお願シャス!!」

  まだまだ店主の荒ぶりは止まらない!

  「ネギは!?抜き?あり?多め!?」

  「ありでお願しゃす!!」

  まだまだくるよぉぉ!!!!!

  「背脂抜き!?あり!?」

 「背脂多めでお願シャス!!」

 「ウチは背脂増しはやってねぇからッ!!」

  店主の荒ぶり声が店内に響き渡る!!他の客は見て見ぬフリ聞こえぬフリで己のラーメンを無心で啜っていた!!ズルズルー!ズズルーー!!

  そこに追い討ちをかけるように店主がウェカピポを睨みつけ問いかける!!

  「一味入れとくよー!?」

  「お!お願シャス!!」

  ウェカピポはすでに満身創痍であったがなんとか耐え抜いた・・・
  怒涛のような詰問を耐え抜いた・・・
  遂に食せるのか!!本場のラーメンを!!!

  「醤油こってり麺固ネギニンニク背脂一味入りお待ち!!」

  遂にきたッッ!!ウェカピポ念願のラーメン!!これでまた日本の知識を1つ得られるッッ!!

  だがしかしッッ!!

 「スイマセーン!!お箸がないオーーー!!」

  ウェカピポ食べようとしたが箸が無い事に気付く!!すると店主!顔を真っ赤にしてウェカピポに怒声を飛ばす!!
  
  「お客さん!!ウチは箸と水はセルフだよ!!入り口に張り紙してあんだろっ!!ノレンくぐったら箸と水入れて席で待っててくんないと!!他の客に迷惑かかっちまうよ!!」

  だがしかし席はチラホラ空いている・・・
ウェカピポはスイマセンと告げると入り口に戻ると箸を持ち席に着くと無心でラーメンを啜った・・・
  ラーメンを啜り終えるとウェカピポはレジへ行き会計を済ませた・・・すると店主がボソっと一言。
  
  「ウチのラーメンはまずスープから味わって頂きたかったんだけどね・・・まぁ外人サンだし今回は見なかった事にしとくよ。次からは気を付けてね。」

  ウェカピポはぺこりと会釈を済ますと帰宅し歯を磨くために洗面台へと向かった。
  そこで初めて自分が涙を流している事に気付いた・・・

  客に1から10まで細かく注文を迫り食べ方にまで注文を付け最終的に外人だからと済ませるラーメン屋の店主が許せなかった・・・
  なによりそれを受け入れ文句の1つも返せず郷に入れば郷に従えの精神で無言でラーメンを美味しく頂いてしまった自分自身がなにより許せなかった・・・

  しかしウェカピポは次の日も威勢よくコンビニラーメンを啜るだろう・・・
  そしていつの日かまた、威勢よくラーメン屋でラーメンを啜るだろう・・・.
  
  その威勢の良さが彼の取り柄なのだから。
  それを失くせばウェカピポはウェカピポでなくなるのだから・・・
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

鐘ヶ岡学園女子バレー部の秘密

フロイライン
青春
名門復活を目指し厳しい練習を続ける鐘ヶ岡学園の女子バレー部 キャプテンを務める新田まどかは、身体能力を飛躍的に伸ばすため、ある行動に出るが…

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

処理中です...