ウェカピポの日常

ピコキチ

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ウェカピポVS警察官

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ウェカピポVS警察官

  ウェカピポは血を見れない  気分が悪くなるから
  ウェカピポは蚊に刺されやすい  血がうまいから
  ウェカピポは世界名作劇場が好き  特にフランダースの犬

「出してくだサーーイ!お巡りサーン!出してオーーー!」
ウェカピポはとある日の夜、留置所に居た・・・威勢よく出して出してと声を上げるが聴き入って貰えない。威勢のよさだけではどうにもならないのが日本警察である!
だがしかし!ウェカピポ半泣きになりながらも威勢よくお巡りさんに訴える。

そもそも何故ウェカピポは留置所に入れられてしまったのかと言うと、まだまだ新米の頃に威勢よく授業を終えたウェカピポはポパイルに連れられ六本木へと遊びに来ていた。まだまだ日本に慣れていないのでウェカピポは二つ返事でオーケーしたのだった。

「行きまショー!ポパイルサン!わざわざ誘ってくれてアリガトネー!!」

余りに威勢のいいアリガトネーに当初はウェカピポも困惑させられた物だが今となっては心地いい風のようなもの。2人は電車を乗り継ぎ六本木へと繰り出した。六本木のとある場所に外国人御用達のクラブがあるの・・・【CLUB SAMURAI】 日本好きの外国人オーナーが経営しているクラブである。ノリの良いダンスミュージックにダンスフロアと、ゆったり飲めるBOX席も何席か設置してあり外国人のみならず日本人の利用者もいる中々に評判の店である。

「お邪魔シマース!!」

ウェカピポの威勢の良い返事も場内の喧騒とミュージックに掻き消される程に盛り上がっていた。
ポパイルに連れられBOX席へと座ったウェカピポは乾杯はとりあえずビール!という日本のしきたりに習ってビールで乾杯。

「カンパーーイ!!」

威勢よくジョッキをぶつけられてポパイル少しビールが顔に跳ねたがこの程度ではニヒルな笑みは消さない。ニヒルな男ポパイル

適度にアルコールが入り話が盛り上がりを見せた頃ポパイルが一言

「ダンスっちまうか?ウェカピポォ!?」

「はーい!ダンスっちまいますオー!」

ウェカピポは顔を赤くしてダンスフロアへ行くと威勢よくダンスを始めた。勿論踊れない。だがノリの良いミュージックも相まって雰囲気だけでも凄く楽しかった。ポパイルは明日午前の授業があるから先に帰ってしまったがウェカピポは踊りを止められなかった。一通り落ち着いたウェカピポは帰宅しようと持ち物を整えているとその時BOX席の足もと付近に財布が落ちている事に気付いた。ポパイルが財布を落としたのか!今走って届ければまだ間に合うかもしれない!ウェカピポは走った。酔いのせいで多少頭がフラついているが威勢よく走った。すると前方にポパイルらしき人影を捉えた!駅に入ろうとしている!駅に行っても切符買えないよポパイルサーン!!
必死に走ったウェカピポは声をかければ届くか!?と言う距離まで来て誰かに肩を掴まれた!

「食い逃げ野郎!!楽しく踊ってたみてぇだけど次はハードラックとダンスっちまうか!?ォオー!?」

急に肩を激しく掴まれ食い逃げと言われウェカピポはお金を払わず飛び出してきてしまった事に気付いた!

「ゴメンナサイですオー!ゴメンナサイですオー!」

威勢よく謝ったがポパイルを追いかけズッと走っていたのが裏目に出て逃げてると思われたために警察を呼ばれたのだった・・・

そして現在に至る・・・警察はウェカピポの話を信じていない訳ではなかったが身受け人が来ないと出せないのでポパイルを呼び出していた。
そしてニヒルな笑顔を浮かべたポパイルに迎えられ無事に釈放されたウェカピポはそのままポカンとしたまま帰路へと着いた。

ウェカピポは頭をリフレッシュさせようと顔を洗うために洗面台へと行き、初めて自分が涙を流している事に気付いた・・・

  自分の無実を信じてくれず留置所に放り込んだ警察が許せなかった・・・
  なにより酒に酔い取り乱し食い逃げ紛いの事をしてしまい警察のお世話になった自分自身が殴ってやりたい程に許せなかった・・・

それでもウェカピポは次の日、警察官に会えば威勢よくゴクローサマデス!を言うだろう・・・
またその次の日も・・・

その威勢の良さが彼の取り柄なのだから・・・
それを失くせばウェカピポはウェカピポでなくなるのだから・・・
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