恋愛するって、溺愛(ヤンデレ)ではないよね。

白夜

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第4話 邂逅

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 「母さん、行ってきまーす。」


 「いってらっしゃい、陽。」


ーー朝。陽は靴を手早く履いて、家のドアを右手で開け、外へ出た。外へ出ると、唯が鞄を両手で持ちながら、待っていた。


 「おはよう、唯ちゃん。わざわざ待ってくれなくても良かったのに、ごめんね。(ああ、ホント昨日は寝れなかったなあ。誰かに見張られてる気がして・・・現時点で、最有力候補はコイツだな。)」


 「おはようー、陽君。私が好きでやってることだから気にしないで。それよりおばさんは?」


 「ああ、家に居るよ。」


 「そうなの?じゃあ挨拶しとこうかな。」


 「え、いいよ。あまりホームルームまで時間ないし。(何だか会わせると、ろくなことしそうにないしな。)」


 「挨拶するのは幼馴染(将来の嫁)として当然だよ。」


 「でも今日、帰りにうち寄るんでしょ?だったらその時でいいよ。(やっぱ、なんか企んでやがるな。)」


 「陽君がそう言うなら.....。でも必ず挨拶するからね(将来のお義母さんに)。」


 「分かった。じゃあ行こうか、唯ちゃん。(適当に理由つけて、会わせるのは回避するか。)」


 ********************


 「(あー、入りたくねー。)」


 陽は嫌々ながらもNー1のドアを開けた。中に居たのは.....


 「(え?まだ、全然来てないじゃん。来てるのは、三人だけか。ですわの人は来てるけど。・・・クラスメイトだし、挨拶しとくか。)」


 「ええと、桐谷君と志津さんだよね?一年間よろしく。」


 「同じく、一年間よろしくお願いします。」


 陽は唯と一緒に、チャラい感じのイケメン桐谷と男っぽい感じの女子、志津に話しかけた。


 「ああ、よろしくっなっ!!(キラッ)」


 「一年間よろしくねっ♪よっくん、ゆいゆい」


 一人は無駄にカッコよく、もう一人はやけにフレンドリーに返された。


 「あ、う、うん。(おい、昨日の自己紹介見た感じ、二人はまともだと思ったんだけど違うのかよ。ていうか、何だよ。よっくんって。)」


 陽はあだ名を勝手に決められて、少し眉根が寄るが、すぐにどうでもいいことと切り捨てて、離れた場所にいるツインドリルヘアーのあの人を見た。


 「・・・それじゃあ、高城さんに挨拶しに行こうかな。(ですわっとか、ツッコンで下さいと言ってるようなものだからな。)」


 「じゃあなっ!!(キラッ)」


 「じゃあね♪」


 ********************


 「た、高城さん。僕、玻座間 陽っていうんだけど、一年間よろしくね。(さあ、どう出るですわ。)」


 「私は、朝倉 唯といいます。一年間よろしくお願いします。」


 二人の自己紹介を優雅な席の座り方で、華麗に聞いていた高城は、そのやかましい位に目立つドリル金髪払って、 二人に向き直った。


 「玻座間君に朝倉さんですわね。既にご存知かと思いますが、私、高城 深雪と申しますわ。一年間よろしくですわ。」


 「(このドリル、意外とまともかもしれない。)」


 陽は高城に対して、そんな失礼すぎることを考えていると、唯が少し上ずった声で喋り出した。


 「あのー、高城さんってもしかして、高城財閥の御子女だったりしますか?」


 「その通りですわ。よく分かりましたわね。」


 「ええ、ちょっと父がそっちの世界に精通しておりまして。」


 「あら、そうだったの。貴方とは、そっちの方の話が通じそうね。」


 「はい、それなりには。」

 そして二人は、グッと硬い握手を交わした。


「(・・・・・・・・ なんだこの奇妙な友情は。ていうか唯のお父さんって、何者なんだ?一応、幼馴染の僕ですら知らないぞ。金持ちというのは知っていたが。)」

 陽がよく分からない状況にそんな気持ちを抱いていると、ガラガラとドアを開ける音がした。そして、ヤツが来やがった。


 「フッ、今日の運命を共にするのは、これだけか。残りの眷属を、後々揃える必要がありそうだ。」


 「(き、キターーーーーーーーーーー!!!!来やがった。まさか、こんなに真面目に登校してくるとは思わなかったよ。ていうか、何気にクラスメイトを眷属とか呼んでるし。・・・・・・・・・すごく、すごーーーーーーーーーく気が進まないが、一応挨拶しとくか。あー、やりたくねー。)」


 「唯ちゃんはここに居て。僕一人で鷺沼君に挨拶してくる。」


 「え、でも....。」


 「とにかくっ!!ここに居てね。(ドリルですわですら、気が合うんだ。あんな奴と引き合わせたら、どんな化学反応が起きるか分かったもんじゃない。混ぜるな危険って奴だ。)」


 「う、うん。(どうしたんだろ、陽君。....もしかして、嫉妬!?)」


 二人とも全く逆のベクトル方向に全力で、突き進んでいた。


********************


 「あ、あのー。鷺沼君だよね。一年間よろしく、ね?」


 「ムッ、貴様は確か玻座間 陽。・・・貴様匂うな。」


 「え、匂う?風呂にはちゃんと、入っているつもりなんだけど....。(おい、僕はきちんと昨日も風呂入ったぞ。むしろ、匂うのはお前の方だろうが。人間のクズの匂いがプンプンするぜ。)」


 基本的に陽は偶にしかここまで、毒舌にはならない。例えば、明らか自分より社会不適合者に馬鹿にされる時とか。


 「貴様、もしや遊戯機の相棒、グランド・クエストをやってはいまいか?」


 この瞬間、陽の中で思考がかつてないスピードで回転した。


 「(....そういうことか。)ああ、もちろんやってるよ。」


 「それは誠か!?此処にも、同胞が居たとは・・・!」


 「鷺沼君はどのぐらいやったの?(まあ、よくて二番目の街といったところか。こいつだもんな。社会不適合者だもんな。)」


 勝手に早とちりし、勘違いしてキレたのは陽の方なのだが、何故だかまだ社会不適合者のレッテルを鷺沼に貼ったままである。というか、社会不適合=ゲーム出来ないって、誰が決めたのだろう。


 「我は15周はやったな。」


 「(は、はあああああああああああああ!?頭おかしいんじゃねーの!?僕ですら、中盤までしか行けなかったのに。)そ、そうか。でも、あの中盤クエストはどうやって....。時間かかるだろ?」


 「あれはああして、こうして....。」


 「(成る程。やるじゃん、鷺沼!!)  どうやら僕、鷺沼君とは仲良くなれそうだよ。」


 見事な掌返しである。さっきまで、散々社会不適合者だ何だと騒いでいたのに。


 「ほう、気が合うではないか。秦灼で良い。貴様はもう既に、悠久なる刻を生ける眷属(エターナル・ソウルメイト)だからな。」


 「ああそうだな、シンヤ!エターナル・ソウルメイトだな!(やっふー、攻略本やネット見ても全然攻略出来なかった、史上最難関のクソゲーをクリアする時が遂にきたぜーーーーー!!)」

 

 「そうだ、悠久なる刻を生ける眷属(エターナル・ソウルメイト)だ。」


 「「あははははっははははははははははーーーーー!!!!!」」


 こうして片方はクソゲー攻略本として、もう片方は良い感じの眷属として、気持ち悪い笑い方で嗤った。そして、それを遠くから見ていた唯はというと....。


 「(えっ、陽君。まさか、そっちなの?)」


 盛大にアレと誤解していた。更に....。


 「(そうだとしても、陽君は渡さない!!)」


 唯にとって、新たなる恋のライバル?が出来た瞬間だった。




 





 
 

 

 


 
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