恋愛するって、溺愛(ヤンデレ)ではないよね。

白夜

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第3話 本性を現す幼馴染

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 前途多難であることを察した陽は、今日最後のイベント、入学式アンド始業式に出席していた。


 「それではこれより校長先生から、祝いの言葉をもらいたいと思います。」


 司会進行役の先生がマイクで、体育館中の生徒に呼び掛けた。そして、あの校長先生(ロリ)がステージに出てくる。


 『小さい.....』


 『ロリだ.....』


 『かわいい.....』


 案の定というべきか、ざわざわと校長先生(ロリ)について、体育館中の生徒達が喋り出した。しかし、相変わらずというか、僕のクラスを含め、Nコースの三つのクラスの人は誰一人として校長先生について喋っていないようだ。それどころか...


 「(寝ていたり、ゲームしてやがる・・・。)」


 そもそも興味が無いというか、何というか、そんな感じだった。というか、なぜか先生達は、他のコースの生徒には姿勢を正しくしろとか、ちゃんと前を向いて話を聞けとか言うくせに、Nコースの生徒だけはスルーしている。


 「(このコース何か裏がありそうだな。なんか強い力が働いているみたいだ。)」


 陽がそんなことを考えていると、どうやら校長先生(ロリ)の話が終わったみたいだ。


 「校長先生、ありがとうございました。では、そろそろ終わりに移っていきましょう。次は.......」


 ********************


 「やっと、終わったー。(あのロ、いや、校長随分と機嫌良さそうだったが、何かいいことでもあったのか?)」


 「おつかれー、陽君。」


 「どうも。(まあ、どうでもいいか。)」


 実は校長先生(ロリ)が機嫌良かったのは、陽の所為なのだが、陽はそんなことには気付かずに、早々に忘れることにした。その後、諸連絡等諸々の面倒ごとを聞いた後、今日はどうやら、自己紹介と入学式アンド始業式だけだったみたいで、陽は今久しぶりに、唯と帰路につくことになった。


 「しかし、変なクラスだったよね。ですわ口調の人や、厨二病の人や、トゲトゲしいっていうか、毒々しい人や、メッチャゆる~~い人がいたりさ。」


 「そうだねー。ちょっと、個性的な人達だったねー。・・・あ、駅に着いたみたいだよ。」


 「あ、ホントだ。それじゃあ、また明日学校で会おうね。」


 「うん!じゃあね。」


 そうして、陽は唯と別れた。


 「(やっと、観察出来る!!)」


 そう、別れたつもりだった。


 「(あーやっぱりいいなぁ。後ろから、隠し撮りするのは。)」


 陽は全く気付いていないが、 陽の背後から凄まじい速さでシャッター音が鳴り続ける。ただし、ずっと背後から撮っているわけではなく、ある時は塀の上から、ある時は下水道の中から、ある時は変装して、通りすがりの人を装いながらしていた。しかし、この程度ならまだかわいい方だった。本当に恐ろしいのは......


 「(陽君の家、到着・・・!!)」


 ・・・これからだった。


 「ただいまー。(あー、無駄に疲れた。)」


 「(裏口から入ろう。)」


 唯はいつも出入りするのに、便利な裏口をあらかじめ作っていた。その裏口を知っているものは他には居ない。


 「少し、ゲームでもするか。」


 陽は自分の部屋でくつろいでいた。そのため、唯はこの部屋に入れない。・・・そんなことはなかった。


 「(クローゼットの中に秘密の通路を作って正解だったね。うーん、ここからだと何をいっているのかよく分からないなあ~。よし、盗聴機を使って、イヤホンで聴こう。・・・なになに、唯ちゃんかわいかったな。・・・照れるなぁ~~。好きだって?私も陽君のことがすごくすごくすごく好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好きだよ。)」


 ・・・このストーカーの恐ろしいことは、自分の都合のいいように解釈してしまうところである。更に、陽のプライバシーもへったくれもないことを平気でやってのける。


 「(トイレっと。)」


 陽が部屋を出たと同時にストーカーも、移動を開始した。今、唯の頭の中は.....


 「(え、トイレについてきて欲しい?陽君の頼みならもちろんついていくよ!だって、私は陽君の将来の.....)」


 いや、本当に怖いのはこのストーカー、


 「(お嫁さんだから!!)」


 ストーカーの自覚がないことかもしれない。

 
 「(あ、待ってよ~~。陽君~~。)」


 ストーカーの1日は、長い。


 

 


 

 


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