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第3話 お前は眼中にないんだって!
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幼馴染ってヤツがいるそうだ、この世界には。
オレの意思に関係なく、設定があり、世界観があるのが、この世界。
設定として、オレは、イザベラを溺愛することができない仕組みになっている──!!!!
「ね、ラインハルトぉー」
廊下に出た途端、べったりとくっついてきたのは赤いドレスの女の子!!!
「お前、誰だよ!」
「幼馴染のリアちゃんを忘れたなんて言わせないわよぉ」
右腕に絡んだ彼女は、茶髪のショートヘアだ。
肩がぐるりとあいて、胸元がアピールされた赤いドレス。だが、小ぶりの胸にはあまり似合ってるとは思えない。
オレは腕を大きく振り払い、キルヒアイスのとなりを歩く。
「キルヒアイス、どうなってんの、これ」
「ラインハルト様の婚約者のリア様じゃないですか」
「……は? 婚約者、何人いんだよ!」
「3名ですが? みなさま、明日のキルヒアイス様の誕生日に、本妻になるか側室になるかで、かなりお立場がかわりますからね。ただ、本来は今日、イザベラ様は側室にも入らないことが決定されるはずでした」
左腕が急に重くなる。
「待ってよぉ、ラインハルトぉ。イザベラとは破棄したんでしょう?」
「してねーよ! 誰がするか!!!」
「はぁ? あたしと約束したじゃないのよ!」
「いつ!?」
「覚えてないの? ほら、5歳の頃、アッフェの丘で」
「めっちゃ覚えてねーし!!!」
振りはらって入った部屋は、豪華絢爛な食堂だった。
キルヒアイスがひいてくれた椅子に素早く腰をおろすが、どうしてかリアがとなりに座りだす。
「今日はお前と過ごす気はないから、家に帰れよ」
ナフが届き、膝にのせるオレに、リアもどうしてかナフを膝に広げている。
「クリスティーネなんかより、あたしのほうが可愛らしいと思わない?」
「イザベラが一番なんで」
「なんで、あんな冷徹女! いっつも、あたしとクリスティーネ、どっちにしようって言ってたじゃない」
そういう設定か……。
確かタイトルって、『悪役令嬢イザベラは溺愛されないのなら追放されてさしあげます』みたいな感じだったよな……。
うーん、雰囲気からするとー
イザベラが、リアとクリスティーネをいじめてるのか?
で、オレに……オレにだって……ふふ。このオレにー溺愛されないなら、追放されていいってことだから、
………オレが溺愛すれば問題ないってことだよな……」
「何、ぶつぶつ言ってるの?」
声に出ていたようだ。
オレは届いた前菜のサラダを頬張りつつ、考える。
この話は、きっと、オレ含め、リアとクリスティーネがなんかするんだろうな。
でー、イザベラが追放されて、どうすんだろ。
何すんだろ。
「……なにすんだろ……」
ポタージュを飲みながら、オレは思う。
もしかして、イザベラ、本当はオレに溺愛されたくないんじゃないかって。
「ね、ラインハルトぉ、明日の誕生日会のドレスなんだけどぉ」
「延期」
「は? なに言ってんのよ、ラインハルトぉ」
「延期する。キルヒアイス、誕生日会、延期。来週にして」
オレの真剣な表情がわかったのか、キルヒアイスはゆっくりと頷いた。
「無理です」
オレの意思に関係なく、設定があり、世界観があるのが、この世界。
設定として、オレは、イザベラを溺愛することができない仕組みになっている──!!!!
「ね、ラインハルトぉー」
廊下に出た途端、べったりとくっついてきたのは赤いドレスの女の子!!!
「お前、誰だよ!」
「幼馴染のリアちゃんを忘れたなんて言わせないわよぉ」
右腕に絡んだ彼女は、茶髪のショートヘアだ。
肩がぐるりとあいて、胸元がアピールされた赤いドレス。だが、小ぶりの胸にはあまり似合ってるとは思えない。
オレは腕を大きく振り払い、キルヒアイスのとなりを歩く。
「キルヒアイス、どうなってんの、これ」
「ラインハルト様の婚約者のリア様じゃないですか」
「……は? 婚約者、何人いんだよ!」
「3名ですが? みなさま、明日のキルヒアイス様の誕生日に、本妻になるか側室になるかで、かなりお立場がかわりますからね。ただ、本来は今日、イザベラ様は側室にも入らないことが決定されるはずでした」
左腕が急に重くなる。
「待ってよぉ、ラインハルトぉ。イザベラとは破棄したんでしょう?」
「してねーよ! 誰がするか!!!」
「はぁ? あたしと約束したじゃないのよ!」
「いつ!?」
「覚えてないの? ほら、5歳の頃、アッフェの丘で」
「めっちゃ覚えてねーし!!!」
振りはらって入った部屋は、豪華絢爛な食堂だった。
キルヒアイスがひいてくれた椅子に素早く腰をおろすが、どうしてかリアがとなりに座りだす。
「今日はお前と過ごす気はないから、家に帰れよ」
ナフが届き、膝にのせるオレに、リアもどうしてかナフを膝に広げている。
「クリスティーネなんかより、あたしのほうが可愛らしいと思わない?」
「イザベラが一番なんで」
「なんで、あんな冷徹女! いっつも、あたしとクリスティーネ、どっちにしようって言ってたじゃない」
そういう設定か……。
確かタイトルって、『悪役令嬢イザベラは溺愛されないのなら追放されてさしあげます』みたいな感じだったよな……。
うーん、雰囲気からするとー
イザベラが、リアとクリスティーネをいじめてるのか?
で、オレに……オレにだって……ふふ。このオレにー溺愛されないなら、追放されていいってことだから、
………オレが溺愛すれば問題ないってことだよな……」
「何、ぶつぶつ言ってるの?」
声に出ていたようだ。
オレは届いた前菜のサラダを頬張りつつ、考える。
この話は、きっと、オレ含め、リアとクリスティーネがなんかするんだろうな。
でー、イザベラが追放されて、どうすんだろ。
何すんだろ。
「……なにすんだろ……」
ポタージュを飲みながら、オレは思う。
もしかして、イザベラ、本当はオレに溺愛されたくないんじゃないかって。
「ね、ラインハルトぉ、明日の誕生日会のドレスなんだけどぉ」
「延期」
「は? なに言ってんのよ、ラインハルトぉ」
「延期する。キルヒアイス、誕生日会、延期。来週にして」
オレの真剣な表情がわかったのか、キルヒアイスはゆっくりと頷いた。
「無理です」
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