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064.棘
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路地から黒いとげがはみ出していたため、うかつにも覗いてしまった。まるまると太った芋虫がそこにおり、もぞもぞと動いている。とげを壁に擦りつけて何か行っているようだ。もこもこと身体を動かすたびになかで内臓らしき塊が動く。その一部が薄くなっており、体内に人間の顔が浮き上がったところで、思わず大きく悲鳴を上げてしまった。
ぎゃ。
声を上げたのが良くない。こちらを認識した虫が身を捩る。中にいた顔はひしゃげて見えなくなった。蟲の身体に合わせてとげがぶんぶん動く。巨体もとげも大きく揺れた。そして、――とげはこちらに飛んできたのである。
再び悲鳴。喉の奥から自分でも聞いたことのない嗚咽が飛び出した。
うずくまる身体に向かってくる黄色の柔らかい身体からどうやって逃げたのかわからない。病院に駆け込み意識を失った。
治療の甲斐なく、その日以降どんどん身体からとげが生えてくる。あの芋虫と同様にブクブクと膨らんでいく肉体。皮膚が薄くなった
部分からは内臓が薄く見え、身体の動きに合わせて蠢いた。
俺もあの蟲になるのか。
意識が絶望と身体の急激な変化で意識は朦朧としていた。
棘の突出がピークになったらしい。寝返りすらうてない状況で、重たくとげが揺れる。そのうち、とげの中で何かが蠢く気配がした。
ぶちゅり。
何かが破ける音がして、目をやると、とげを突き破りあの芋虫と同じ黄色の身体が這いだしていた。他のとげからも同じように、あの芋虫のミニチュアが転がりながら溢れてくる。
『おめでとうございます。2500g元気な赤ちゃんですよ』
脳裏にドラマで出てきたセリフの一節がよぎった。
悲鳴が響いた。
ぎゃ。
声を上げたのが良くない。こちらを認識した虫が身を捩る。中にいた顔はひしゃげて見えなくなった。蟲の身体に合わせてとげがぶんぶん動く。巨体もとげも大きく揺れた。そして、――とげはこちらに飛んできたのである。
再び悲鳴。喉の奥から自分でも聞いたことのない嗚咽が飛び出した。
うずくまる身体に向かってくる黄色の柔らかい身体からどうやって逃げたのかわからない。病院に駆け込み意識を失った。
治療の甲斐なく、その日以降どんどん身体からとげが生えてくる。あの芋虫と同様にブクブクと膨らんでいく肉体。皮膚が薄くなった
部分からは内臓が薄く見え、身体の動きに合わせて蠢いた。
俺もあの蟲になるのか。
意識が絶望と身体の急激な変化で意識は朦朧としていた。
棘の突出がピークになったらしい。寝返りすらうてない状況で、重たくとげが揺れる。そのうち、とげの中で何かが蠢く気配がした。
ぶちゅり。
何かが破ける音がして、目をやると、とげを突き破りあの芋虫と同じ黄色の身体が這いだしていた。他のとげからも同じように、あの芋虫のミニチュアが転がりながら溢れてくる。
『おめでとうございます。2500g元気な赤ちゃんですよ』
脳裏にドラマで出てきたセリフの一節がよぎった。
悲鳴が響いた。
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