桃色人形の館 〜凌辱されたラブドール〜

田中くりまんじゅう(しゃち)

文字の大きさ
7 / 12

7「エリカの異変」

しおりを挟む
 その日から毎晩、エリカたちと交わった。少女のエリカ、女性になったエリカ、中年のエリカ、痩せたエリカ、太ったエリカ。私は何人ものエリカを代わる代わるベッドに寝かせ、肌を重ねた。彼女たちはいつも従順で大人しく、私のいうことはなんでも聞いた。
 本物のエリカの方はといえば、あれほど興味を示していた人形館には全く近づかず、というか外に出ることさえ稀で、自分の部屋にこもって何をしているかわからない有様だった。
 それを心配した祖父が私に会いにきて、面倒を見るように言う。

「カオル、エリカが最近変なんだよ。お前も心配だろう? 少し様子を見に行ってやってくれよ」

「驚いたな。心配。今更心配だって? エリカが変なのはいつものことさ。この前なんて通りの真ん中で服を脱ぎ始めたんだぜ? 少し眺めてから止めたけどな。ああ、あれはいいケツだった……。はは、とにかく、まともであることの方が珍しい女だ。おかしくなるのは時間の問題さ」

「そんなこと言わないで頼むよ……。こずかいやるからさ」

「そういうことならやってもいいぜ」

「ありがとう。恩にきるよ」

 私は祖父から少しばかりの金を受け取り、エリカの方へ向かうふりをして、村はずれへの道を歩き出す。祖父はエリカが怖いのだ。彼には昔エリカに目を潰されかけた過去がある。当然といえば当然だが、少し彼女がかわいそうだ。エリカはこの村ではいわゆる村八分にされていて、誰も近づかない。話し相手は私だけ。私も似たようなものだが、彼女に対するこの村の人間の態度には憎悪に似たものを感じる。

「爺さんも結局、エリカが邪魔なんだよな」

 まあ、いい。エリカのことは気になるが、私は近頃忙しい。別に騙したわけじゃない。そう、明日か明後日にはエリカの様子を見に行くさ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

乳首当てゲーム

はこスミレ
恋愛
会社の同僚に、思わず口に出た「乳首当てゲームしたい」という独り言を聞かれた話。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

処理中です...