悪役令嬢は呑んだくれ放浪の旅に出たい

はるみ

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1.まずは生っ!

酒類で世界を語れる

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まずはどこの国に行こう。。。
この世界にはどんなお酒があるんだろう。。。


お母様に連れて行かれた仕立て屋で採寸をしている時も、ドレスの打ち合わせ中も、その後のカフェでのお茶の時間も、ずっとそのことを考え心あらずの状態だった。


何時間にも及ぶお母様とのお出かけから解放された後、いそいそと屋敷の図書室へ向かった。

図書室に着くなり、目につく世界の国々に関する本を手当たり次第手に取り、部屋の真ん中の机に世界地図を広げた。

まずは我が母国、ヴァレンタイン王国。
この世界で5番目というそこそこの大きさの国土を持つ国。年間通して気温差があまり無くそこそこ良い気候に恵まれている。海も山もあり、特に際立った特徴は無いが、そこそこ色々と良いおかげでそこそこ国は繁栄している。

うんうん、お酒、旅行以外において全てそこそこ無難を好む自分にとってうってつけの国である。

ヴァレンタイン王国で主に飲まれているお酒は、一般的にはブドウから作られるワイン。赤や白、ロゼ、スパークリングなど種類は豊富だ。
労働者階級の間ではエールが頻繁に飲まれている。


そして西隣にあるナポレオン共和国。
この世界で4番目の大きさの国土を持ち、国力、文化共にヴァレンタイン王国とあまり変わらない。
一般的に飲まれているお酒もヴァレンタイン王国と変わらないが、この国ではリキュールやブランデー、ウィスキーが作られ名産となっている。
ヴァレンタイン王国でももちろんそれらのお酒は作られてはいるが、生産量は圧倒的にナポレオン共和国が上で、ヴァレンタイン王国で飲まれているそれらのお酒は主にナポレオン王国から輸入したものとなっている。

う~む、とても魅力的な国だ。是非とも酒蔵巡りをしてみたい。


東隣にあるのはコニャック王国。
この世界で6番目の大きさの国土を持つ国。
独特の文化を持ち、国教の教祖の下、宗教の教えに従い国民は生活をしている。国土はヴァレンタイン王国と比べ貧しく、度々色々な自然災害に見舞われている。
国が貧しいことと、宗教観の違いから、経済的、軍事的に度々ヴァレンタイン王国に喧嘩をふっかけてくる。

そんな国交状況が悪いコニャック王国だが、修道院で作られているというラム酒は絶品とのこと。門外不出の製造方法ということで他国では製造できないでいる。

これもこれで絶対飲まなくては・・・。
独特の文化もとっても気になる。


北には大きく広がるこの世界で1番広い国土を持つスミノフ大帝国。年間通して寒さが厳しい国だが、この国特産のウォッカはこの国に訪れたら体を温めるのに欠かせないアイテムだとか。。。

あーーーっ、
ウォッカを煽った時の喉がカッと熱くなる感触思い出したっ!!


南にはクエルボ連邦国。3番目の大きさの国土面積を持つ国。
商業国家で様々な国々と貿易を行い、この国では世界中の大体の物は手に入るという。
南方ということで観光リゾートビーチがあることも魅力的な国だ。

くぅっ、真っ青な海を真っ白のビーチから眺めながら、冷えたカクテルをキュッと呑みたいわぁ。


その他、コニャック王国から更に東の地には中小様々な国々があるらしい。様々なお酒達が私を待っているに違いない。
きっと焼酎、泡盛、日本酒だってあるはず。。。


ぅふふふ・・・・
笑いがこみ上げてくる。



その日以降、時間を見つけては図書室に籠り、地図を眺めつつ本のページをめくっては様々な国(酒)への思いにふける日々を過ごしだした。

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