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2.レモンハイくださぃ
1次会の会費は5千円でした【side キール】
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ゲーム、漫画、アニメの国、日本。
僕は東の果てにある日本という国のオタクカルチャーが大好きだ。
いつか絶対に日本に行ってオタクを満喫してやるっ。
常日頃よりそんな野望を抱いていていた僕に、チャンスが巡って来た。
日本支社に行って新製品を開発、リリースしてくるというプロジェクトが上がったのだ。
早速手を挙げ、念願の日本の地を踏みしめることが出来た。
ここが夢にまで見た中野、池袋、そして秋葉原!!
これも欲しい、あれも欲しい、こんなものが発売しているとはっ!
やはりネットで購入するのと、実物を見てから購入するのとではだいぶ違うなぁ。
これから色々とお宝を購入する為にも、頑張って仕事をして給料を貰わなければっ!
僕は気合を入れて日本支社に出社した。
「アメリカ本社から来ましたダニエル・リバーです。一昨年大学院を卒業したばかりで、設計開発業務において足りない面が多々あるかと思いますが、何卒ご教授宜しくお願い致します。」
アニメを見て憶えた滑らかな日本語で、これから共に仕事をしていくプロジェクトメンバーに自己紹介を行った。
業務が始まり、始めは戸惑うことなどもあったが、元々僕は何事もそつなくこなせるタイプなので、今回のプロジェクトも順調に進んでいった。
メンバーには自分と同じくらいの年齢の若い女性が一名いた。
日本人にしては色素が薄く、光に透ける茶色の髪に同じ色の大きな瞳。日本人離れしたはっきりとした目鼻立ち。
まるで日本の漫画に出てくるような可愛いらしい顔立ちをしていた。
彼女は度々失敗をし、そそっかしいところがある人だったが、チームのムードメーカーであった。周りから『呑み会幹事長』と呼ばれ、よく自分のことも呑みに誘った。
業務においては、よく彼女は自分に頼って欲しそうな素振りをしてきたので、当たり障りのない質問などをして、彼女とコミュニケーションを取ってきた。
そんな彼女が35歳と自分よりも10歳も年上だと知った時は本当に驚いた。
メンバーと彼女を弄りつつ、業務に勤しみ、あっという間に2年が経ち、ついに開発製品のリリースまでこぎつけた。
マメに質問をする僕は彼女の中で『自分が育て上げた後輩』ということになっていた。プロジェクトの中盤以降は、僕が彼女の面倒をみていたのだが。。。。
この2年間で彼女にどんどん惹かれていく自分を感じた。
プロジェクトの打ち上げ後、彼女にこの気持ちを打ち明けようとしていたが、打ち上げでは相変わらず暴飲し泥酔している彼女を見て告白の日を改めることとした。
週末明け、出勤してこない彼女を心配したメンバーが彼女の緊急連絡先に確認を行ったことにより彼女の死亡を知った。
昨晩、彼女を見失わなければ。
3次会に行くのを止めて彼女を連れて帰宅をしていれば。
後悔の思いに潰れ、正体が無くなるまで深酒をし、気づいたら僕は彼女が亡くなったという現場に立った。
ここから彼女は僕の居ない世界へ旅立ったのか・・・。
ここからだと僕も彼女と同じところに行けるのかな・・・?
やがて僕は白い光に包まれ意識を失った。
次に僕が目を覚ましたのはロワイヤル伯爵家の3男、キール・ロワイヤルとしてだった。まだ幼く自由に動くこともままならない状態であった。
やがて自力で動き回れるようになり話すこともできるようになった頃、この世界が生前やったことのある乙ゲーの世界だと気付いた。
もしかしたら彼女もこの世界に転生しているかもしれない。
そんな自分に都合が良い妄想などをして、ただただこの世界で生きていた時・・・
ロワイヤル家主催のお茶会にて彼女を見つけた。
姿形は変わっているが、僕の本能が間違いなく彼女だと告げている。
あぁ、神様、ありがとうございます!!
今度こそ僕は彼女を守り、彼女と共に幸せになります。
========
図書室のソファに横になりながら本を読んでいたカシスはふと顔を上げ僕に尋ねた。
「そう言えばキールも転生したということは、あっちの世界で死んじゃったていうことだよね?」
「はい、お姉様が亡くなられた数日後、僕も酔っぱらって線路に落ちて死んじゃいました。」
僕は戯けて答えた。
「っぶw マジかい? いやぁ、私が身を張って『酔っ払ってホームの淵に立ってはいけい』ということを示したのに、それを教訓としなかったんだね。」
「お酒を呑んでいたら、ついそのことを忘れて同じ轍を踏んでしまいました。」
「それわかるぅー。本当ダメなんだけどねー。でもお酒は止められない。」
今彼女が常に僕の側にいるという、この幸せを噛み締める。
これからもずっと、ずっと一緒ですよ。
僕は東の果てにある日本という国のオタクカルチャーが大好きだ。
いつか絶対に日本に行ってオタクを満喫してやるっ。
常日頃よりそんな野望を抱いていていた僕に、チャンスが巡って来た。
日本支社に行って新製品を開発、リリースしてくるというプロジェクトが上がったのだ。
早速手を挙げ、念願の日本の地を踏みしめることが出来た。
ここが夢にまで見た中野、池袋、そして秋葉原!!
これも欲しい、あれも欲しい、こんなものが発売しているとはっ!
やはりネットで購入するのと、実物を見てから購入するのとではだいぶ違うなぁ。
これから色々とお宝を購入する為にも、頑張って仕事をして給料を貰わなければっ!
僕は気合を入れて日本支社に出社した。
「アメリカ本社から来ましたダニエル・リバーです。一昨年大学院を卒業したばかりで、設計開発業務において足りない面が多々あるかと思いますが、何卒ご教授宜しくお願い致します。」
アニメを見て憶えた滑らかな日本語で、これから共に仕事をしていくプロジェクトメンバーに自己紹介を行った。
業務が始まり、始めは戸惑うことなどもあったが、元々僕は何事もそつなくこなせるタイプなので、今回のプロジェクトも順調に進んでいった。
メンバーには自分と同じくらいの年齢の若い女性が一名いた。
日本人にしては色素が薄く、光に透ける茶色の髪に同じ色の大きな瞳。日本人離れしたはっきりとした目鼻立ち。
まるで日本の漫画に出てくるような可愛いらしい顔立ちをしていた。
彼女は度々失敗をし、そそっかしいところがある人だったが、チームのムードメーカーであった。周りから『呑み会幹事長』と呼ばれ、よく自分のことも呑みに誘った。
業務においては、よく彼女は自分に頼って欲しそうな素振りをしてきたので、当たり障りのない質問などをして、彼女とコミュニケーションを取ってきた。
そんな彼女が35歳と自分よりも10歳も年上だと知った時は本当に驚いた。
メンバーと彼女を弄りつつ、業務に勤しみ、あっという間に2年が経ち、ついに開発製品のリリースまでこぎつけた。
マメに質問をする僕は彼女の中で『自分が育て上げた後輩』ということになっていた。プロジェクトの中盤以降は、僕が彼女の面倒をみていたのだが。。。。
この2年間で彼女にどんどん惹かれていく自分を感じた。
プロジェクトの打ち上げ後、彼女にこの気持ちを打ち明けようとしていたが、打ち上げでは相変わらず暴飲し泥酔している彼女を見て告白の日を改めることとした。
週末明け、出勤してこない彼女を心配したメンバーが彼女の緊急連絡先に確認を行ったことにより彼女の死亡を知った。
昨晩、彼女を見失わなければ。
3次会に行くのを止めて彼女を連れて帰宅をしていれば。
後悔の思いに潰れ、正体が無くなるまで深酒をし、気づいたら僕は彼女が亡くなったという現場に立った。
ここから彼女は僕の居ない世界へ旅立ったのか・・・。
ここからだと僕も彼女と同じところに行けるのかな・・・?
やがて僕は白い光に包まれ意識を失った。
次に僕が目を覚ましたのはロワイヤル伯爵家の3男、キール・ロワイヤルとしてだった。まだ幼く自由に動くこともままならない状態であった。
やがて自力で動き回れるようになり話すこともできるようになった頃、この世界が生前やったことのある乙ゲーの世界だと気付いた。
もしかしたら彼女もこの世界に転生しているかもしれない。
そんな自分に都合が良い妄想などをして、ただただこの世界で生きていた時・・・
ロワイヤル家主催のお茶会にて彼女を見つけた。
姿形は変わっているが、僕の本能が間違いなく彼女だと告げている。
あぁ、神様、ありがとうございます!!
今度こそ僕は彼女を守り、彼女と共に幸せになります。
========
図書室のソファに横になりながら本を読んでいたカシスはふと顔を上げ僕に尋ねた。
「そう言えばキールも転生したということは、あっちの世界で死んじゃったていうことだよね?」
「はい、お姉様が亡くなられた数日後、僕も酔っぱらって線路に落ちて死んじゃいました。」
僕は戯けて答えた。
「っぶw マジかい? いやぁ、私が身を張って『酔っ払ってホームの淵に立ってはいけい』ということを示したのに、それを教訓としなかったんだね。」
「お酒を呑んでいたら、ついそのことを忘れて同じ轍を踏んでしまいました。」
「それわかるぅー。本当ダメなんだけどねー。でもお酒は止められない。」
今彼女が常に僕の側にいるという、この幸せを噛み締める。
これからもずっと、ずっと一緒ですよ。
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