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蒼い約束

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 見上げた空が淡く輝く。この空のような『親友』との約束を、必ず守りたいと思った。目を閉じたその瞼の裏で、俊介が笑っている。


 俺の気持ちを、見透かすように。


「親しい友達は一人じゃなくたって……か」

 立ち上がりポツリと呟いた彬の声は、風がさらって隆哉と秀行には届かない。『友達』以上にはなるなと、釘を刺された気もした。

「――なら。一人で逝くなっての」

 俯いて、呆れ気味に微笑わらってみせる。

 だけどあいつにちゃんと、「好き」と伝えたかったな、と今更ながら思ったりした。

「一度学校に戻らないと」

「学校抜け出したの、絶対バレてるだろうな」

 後ろの二人が、現実的な問題に頭を抱えている。チロリとそれを眺め遣って、彬は楽しげに肩を震わせた。

「なんとかなんだろ、そんなモン」

「適当に言い訳見つけて、言うしかないよね」

「三人同時なのに? どー言い訳するんだよ、高橋」

「知らねぇよ」
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