最弱ステータスのこの俺が、こんなに強いわけがない。

さこゼロ

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第一章 プレミアム召喚札

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佐敷瞳子は、ただ呆然と黒板を眺めていた。

どうしてこんな事になるのか意味が分からない。理解が全く追いつかない。

「なん…で?」

それからもう一度、神木公平をそっと見つめる。蒼い顔で立ち尽くす彼の姿が、痛々しくて見ていられない。力になりたい。助けてあげたい。

「まー、これだけステータスが低いと、成長チートって可能性もあるけどなー」

「あ、それっ! それだよっ!」

「だったら強くなってから合流すればいい。何も今リスクを負う必要はない」

周りがうるさくて、思考が上手くまとまらない。佐敷瞳子は両手を耳に当てて、必死に自分の足下に視線を注ぐ。

「うーー、何でユーたん、そんな意地悪ばかり言うのーっ?」

「俺は別に意地悪で言ってるんじゃない。魔物の攻撃力がどの程度かは分からないが、俺たちと行動をともにすれば、彼の死のリスクが跳ね上がるんだ。それをちゃんと理解しているのか?」

「ううー…でもー」

それにあのスキル……あのスキルが全くの謎だ。佐敷瞳子は黒板のスキルを注視する。

「タグの中には、表示が…ない…」

タンイセン……たんいせん…

「ところでさー、ひかりちゃん。何でアイツにそこまでこだわる訳?」

「ええーっ、だって一緒にいたいじゃん」

「だから何でさ?」

たんい、せん…

「あ、単位千…」

途端に佐敷瞳子の目の前が、パァーッと明るく開けた。自分の見てるステータスと、黒板の数値がやっと重なる。

これで皆んなを説得出来る。佐敷瞳子は勇気を振り絞って、一歩前に踏み出した。

「あ、あの…」
「えっとー…割とタイプなんだよねー、コーくんのこと」

その瞬間、佐敷瞳子の瞳に、照れ臭そうに頬を染める鳴神ひかりの姿が飛び込んできた。

(え…っ⁉︎)

踏み出した足がそのまま止まる。

「ちょちょ、ちょっとひかりちゃん、それってどーいう意味…てか、だったらオレは?」

白石和真が慌てふためくように声を張り上げた。

「んーとそーだねー…1番2番は甲乙付けがたいけどー、カズっぺは3番かなー?」

右手の人差し指であごに軽く触れながら、鳴神ひかりが「ニャハ」と可愛く笑う。

「よっしゃー、3位入賞…って、ドベやんけー」

白石和真が頭を抱えて天を仰いだ。

「何か話があったんじゃないのか?」

そのとき咲森勇人が、そばで立ち尽くす佐敷瞳子をゆっくりと見つめる。

「あの……」

佐敷瞳子は顔を伏せて押し黙った。それから、ただひと言だけ口を開く。

「私は公平くんと、一緒に…います」

「そうか…それがいい」

「えーっ、トコっちも来ないのー? てかコーくん置いてくので話は決まりなのー?」

鳴神ひかりが咲森勇人の腕を掴んで更に粘る。

「何もこれが今生の別れでもないさ。彼は必ず追いついてくる…そうだろ?」

そう言って咲森勇人は、神木公平の顔をジッと見据えた。

「はい、必ず」

その視線を真っ直ぐに受け止めて、神木公平が力強く頷く。

「この物語の主人公は、どうやらキミのようだな、神木くん」

咲森勇人は眼鏡をクイッと持ち上げると、初めて楽しそうに「フッ」と微笑んだ。
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