13 / 114
第二章 メイの再生屋
13
しおりを挟む
「少し試して良いですか?」
神木公平は貰ったヘッドホンを着けながら、ミサの方に顔を向けた。その表情からは、好奇心でウズウズしている様子が伺える。
「ええ、構いません」
ミサは「フフッ」と軽く吹き出すと、ゆっくり大きく頷いた。ミサの返事を確認してから、神木公平はタッと走って距離をとる。
向こうで手を振る神木公平の姿を見て、佐敷瞳子はゆっくりとヘッドホンを装着した。
「公平くん…聞こえますか?」
佐敷瞳子がいつもの調子で声を出す。
次の瞬間…
「おおーっ、聞こえるーーっ!」
「きゃっ」
突然ヘッドホンから飛び込んできた大声に、佐敷瞳子は驚いてその場にしゃがみ込んだ。
「わ、悪いっ! 思わず声が出ちまった」
神木公平が、ヘッドホンを首元にズラして駆け戻ってくる。それだけで佐敷瞳子のヘッドホンからは、何も声が聞こえない。どうやら二人ともが耳に当てていないと作動しないようだ。
「大丈夫か?」
神木公平が心配そうに右手を差し出す。
「大丈夫、少しビックリ…しただけ」
佐敷瞳子も同じようにヘッドホンを首元へとズラすと、その手をとって立ち上がった。
~~~
武器やら防具やら調理器具。様々な物が所狭しと雑然に並べられた店内に、神木公平と佐敷瞳子は口をポカンと開けて立っていた。
あの後ミサが、「移動します」と宣言してから杖をコツンと床に突くと、周りの様子が一変する。
瞬間移動と言うべきか…まるで召喚されたあの時のようだ。
「おや、使徒さま、いらっしゃい」
突然店内に声が響き、佐敷瞳子がビクッ身体を震わせる。
そのとき店の奥から、ひとりの少女が姿を現した。
かなり小柄な少女である。身長が佐敷瞳子の肩ほどくらいしかない。焦げ茶色のストレートな頭髪はツインテールに結い上げられ、「つなぎ」のような薄桃色の作業着を着用していた。
「メイさんに頼みたいことがありまして」
ミサはメイに微笑みかけると、自身の連れへと視線を移す。
「こちらはメイさん、この店の店主です」
「え、店主? こんな小さな子が?」
思わず飛び出た神木公平の言葉に、メイが目に見えてムスッとなった。
「公平さん、この方はドワーフ族です。こう見えても、お二人よりずっと年上なんですよ」
「あ…す、すみませんっっ」
ミサの説明を受けて、神木公平は慌てて何度も頭を下げた。
「使徒さまのお連れでなければ、二度とこの店の敷居はまたがせないところだよ」
言葉とは裏腹にメイは口を開けて笑顔を作ると、神木公平の前にスックと立つ。
「ようこそ、メイの再生屋へ!」
差し出された右手を見つめ、神木公平は一瞬困惑した。風習が一緒か分からないが、おそらく握手なのだろう。神木公平はその手を握ると、自身も深々と頭を下げた。
「よ、よろしくお願いします」
神木公平の反応に満足したのか、メイはニッコリと微笑んだ。
神木公平は貰ったヘッドホンを着けながら、ミサの方に顔を向けた。その表情からは、好奇心でウズウズしている様子が伺える。
「ええ、構いません」
ミサは「フフッ」と軽く吹き出すと、ゆっくり大きく頷いた。ミサの返事を確認してから、神木公平はタッと走って距離をとる。
向こうで手を振る神木公平の姿を見て、佐敷瞳子はゆっくりとヘッドホンを装着した。
「公平くん…聞こえますか?」
佐敷瞳子がいつもの調子で声を出す。
次の瞬間…
「おおーっ、聞こえるーーっ!」
「きゃっ」
突然ヘッドホンから飛び込んできた大声に、佐敷瞳子は驚いてその場にしゃがみ込んだ。
「わ、悪いっ! 思わず声が出ちまった」
神木公平が、ヘッドホンを首元にズラして駆け戻ってくる。それだけで佐敷瞳子のヘッドホンからは、何も声が聞こえない。どうやら二人ともが耳に当てていないと作動しないようだ。
「大丈夫か?」
神木公平が心配そうに右手を差し出す。
「大丈夫、少しビックリ…しただけ」
佐敷瞳子も同じようにヘッドホンを首元へとズラすと、その手をとって立ち上がった。
~~~
武器やら防具やら調理器具。様々な物が所狭しと雑然に並べられた店内に、神木公平と佐敷瞳子は口をポカンと開けて立っていた。
あの後ミサが、「移動します」と宣言してから杖をコツンと床に突くと、周りの様子が一変する。
瞬間移動と言うべきか…まるで召喚されたあの時のようだ。
「おや、使徒さま、いらっしゃい」
突然店内に声が響き、佐敷瞳子がビクッ身体を震わせる。
そのとき店の奥から、ひとりの少女が姿を現した。
かなり小柄な少女である。身長が佐敷瞳子の肩ほどくらいしかない。焦げ茶色のストレートな頭髪はツインテールに結い上げられ、「つなぎ」のような薄桃色の作業着を着用していた。
「メイさんに頼みたいことがありまして」
ミサはメイに微笑みかけると、自身の連れへと視線を移す。
「こちらはメイさん、この店の店主です」
「え、店主? こんな小さな子が?」
思わず飛び出た神木公平の言葉に、メイが目に見えてムスッとなった。
「公平さん、この方はドワーフ族です。こう見えても、お二人よりずっと年上なんですよ」
「あ…す、すみませんっっ」
ミサの説明を受けて、神木公平は慌てて何度も頭を下げた。
「使徒さまのお連れでなければ、二度とこの店の敷居はまたがせないところだよ」
言葉とは裏腹にメイは口を開けて笑顔を作ると、神木公平の前にスックと立つ。
「ようこそ、メイの再生屋へ!」
差し出された右手を見つめ、神木公平は一瞬困惑した。風習が一緒か分からないが、おそらく握手なのだろう。神木公平はその手を握ると、自身も深々と頭を下げた。
「よ、よろしくお願いします」
神木公平の反応に満足したのか、メイはニッコリと微笑んだ。
0
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
冷遇された聖女の結末
菜花
恋愛
異世界を救う聖女だと冷遇された毛利ラナ。けれど魔力慣らしの旅に出た途端に豹変する同行者達。彼らは同行者の一人のセレスティアを称えラナを貶める。知り合いもいない世界で心がすり減っていくラナ。彼女の迎える結末は――。
本編にプラスしていくつかのifルートがある長編。
カクヨムにも同じ作品を投稿しています。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします
夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。
アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。
いわゆる"神々の愛し子"というもの。
神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。
そういうことだ。
そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。
簡単でしょう?
えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか??
−−−−−−
新連載始まりました。
私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。
会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。
余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。
会話がわからない!となるよりは・・
試みですね。
誤字・脱字・文章修正 随時行います。
短編タグが長編に変更になることがございます。
*タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。
【完結】異世界で魔道具チートでのんびり商売生活
シマセイ
ファンタジー
大学生・誠也は工事現場の穴に落ちて異世界へ。 物体に魔力を付与できるチートスキルを見つけ、 能力を隠しつつ魔道具を作って商業ギルドで商売開始。 のんびりスローライフを目指す毎日が幕を開ける!
99歳で亡くなり異世界に転生した老人は7歳の子供に生まれ変わり、召喚魔法でドラゴンや前世の世界の物を召喚して世界を変える
ハーフのクロエ
ファンタジー
夫が病気で長期入院したので夫が途中まで書いていた小説を私なりに書き直して完結まで投稿しますので応援よろしくお願いいたします。
主人公は建築会社を55歳で取り締まり役常務をしていたが惜しげもなく早期退職し田舎で大好きな農業をしていた。99歳で亡くなった老人は前世の記憶を持ったまま7歳の少年マリュウスとして異世界の僻地の男爵家に生まれ変わる。10歳の鑑定の儀で、火、水、風、土、木の5大魔法ではなく、この世界で初めての召喚魔法を授かる。最初に召喚出来たのは弱いスライム、モグラ魔獣でマリウスはガッカリしたが優しい家族に見守られ次第に色んな魔獣や地球の、物などを召喚出来るようになり、僻地の男爵家を発展させ気が付けば大陸一豊かで最強の小さい王国を起こしていた。
【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる