最弱ステータスのこの俺が、こんなに強いわけがない。

さこゼロ

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第四章 召喚者たち

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「そう言う事なら、気兼ねなく全て持って行ったらいいさ」

ミサからの事情説明を受けて、メイは笑顔で大きく頷いた。しかしその心中を察して、ミサが申し訳なさそうに頭を下げる。

「メイさん、本当にすみません」

「使徒さま、ヤメテおくれっ! 私が代わりに保管をしていただけで、ここにある物は全て使徒さまの私物さ。どうかお気になさらずに」

メイはミサの背中をポンと叩くと、白い歯を見せて「ニカッ」と笑った。

「ああ、だけど…ひとつだけ我がまま良いかい?」

そのとき何かを思い出したように、メイが少し表情を改めた。

「え、ええ、勿論」

ミサの返事を確認すると、メイがひとりで物品庫に入って行く。そしてその後、1本の杖を抱えて戻ってきた。

青銀に煌めく1メートル程のその杖に、心眼のタグがピンと跳ねる。

(水晶の…杖?)

「あ、それは…っ」

その杖を見て、ミサも「ハッ」と気付いて口元を押さえた。

「そうあの日、使徒さまを使徒さまと知らず、お客として初めて店に持ち込んだモノさ」

遠い目で微笑みながら、メイは大事そうに杖を抱き寄せる。

「これだけは手元に置いておきたくてね」

「ええ、構いません」

同じように微笑みながら、何かを思い出すようにミサもゆっくりと目を閉じた。

「あれは確か…メイさんが私を、おつかいのお嬢ちゃんと呼んだ日の事ですよ」

「いえいえ使徒さまが私を、店番のお嬢ちゃん扱いして、店長を呼ぶように仰った日の事さ」

そう言ってお互い顔を見合わせて、揃って満面の笑みを浮かべる。

微笑ましい筈のその光景に、何故だか神木公平の背中を冷たい汗が流れていった。

   ~~~

メイの再生屋には、決まった営業時間と云うものがない。彼女の都合次第で、臨時休業したり、早く閉店したりする。

それでも客足が無くならないのは、メイの技術に一定の価値が見出されているからなのだろう。

そして今日も店を早仕舞いする。

それが自分たちのためだと悟り、神木公平は少し困った表情を見せた。その意図を察したメイが、少年の腰のあたりをポンと叩く。

「気にするな…と言ってもするだろうけど、これは自分のためでもあるのさ」

「メイさんの…?」

「そうさ。アンタら二人…とくにトーコがサッサと慣れてくれたら、店番を交代で回せるんだ」

そう言って佐敷瞳子に笑顔を向ける。

「そのために雇ったんだから、期待してるよ」

「は、はい。頑張り…ます」

少しの気後れは見せつつも、それでも佐敷瞳子はしっかりと頷いた。

「あ、あの、俺は…?」

「何言ってんだいっ! 裏方に素材集め、力仕事だって山ほどあるんだ。シッカリ働いてもらうから覚悟しときなっ!」

パーンと思い切り背中を張られ、神木公平の呼吸が一瞬止まる。しかし徐々に笑みが込み上げると、シャキッと背筋を伸ばした。

「はい! 俺も頑張ります!」

スッキリとした表情を見せる神木公平に、メイは大きく頷き返す。それから右手の親指で店の外を指差し、ゆっくりと口を開いた。

「それじゃ、魔法道具でも見に行こうか」
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