最弱ステータスのこの俺が、こんなに強いわけがない。

さこゼロ

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第八章 決闘!

62 番外編 3

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城塞都市フィアホルン。

アーバイン王国のほぼ中心に位置し、国防と経済の要として発展してきた。

しかし国土の半分が魔境と化した現在では、その役割は自ずと前線基地へと移行している。

そしてそのフィアホルンの街に、咲森勇人、白石和真、鳴神ひかりの3人が足を踏み入れた。

王都を凌ぐほどの頑強な防壁が都市を円形に囲み、白を基調とした石造りの丸い街並みが続く。

中央にそびえる城を中心に5本の大きな街道が放射状に延び、それぞれの街道を結ぶ中小様々な街路が年輪のように何本も走っていた。

「こりゃスゲーな。ヨーロッパの写真みたいだ」

白石和真が騎士団の馬車の窓から外を眺めて、その街並みに驚嘆の声をあげる。

「うん、ホントー。すっごくキレーっ!」

鳴神ひかりも反対側の窓から上半身を乗り出し、風に踊るゆるふわパーマのセミロングを右手で押さえながら瞳を輝かせた。

それからストンと座席に腰を落ち着かせ、遠い目をしながら独り言のように呟く。

「コーくんとトコっちにも見せてあげたいなー」

「…直ぐに来る。信じて待てばいい」

そのとき二人の真ん中に座っていた咲森勇人が、右手の中指で眼鏡の眉間をクイッと持ち上げた。

「でもでも、ウチらがここにいるって、ちゃんと分かるかなー?」

「披露式典にも来ていたから、そのあたりの事情は問題ないだろう」

そう言って咲森勇人は、何かを思い出したように微かに笑う。

「えー、ユーたんズルーい! いつの間にコーくんと会ったのー⁉︎」

その途端、鳴神ひかりは驚いたように声をあげ、咲森勇人の左腕を引っ張った。グイグイと何度も揺さぶられる中、咲森勇人が意外そうな顔を鳴神ひかりに向ける。

「何を言っている…テラスから見えただろう? 広場の一番後ろに来ていたぞ」

「は、はあっ⁉︎ 勇人さん、もしかしてあそこから見えたんスか?」

咲森勇人のその発言に、右側に座っていた白石和真から素っ頓狂な声があがった。

確かにテラスからは広場の全体が見渡せた…が、とてもじゃ無いが個人個人の顔が判別出来るような距離ではない。

「ああ」

しかし咲森勇人の返答は、とてもシンプルな物であった。

「ええー、そんなのウチには無理だよー。絶対に見えないー」

「全く、無自覚にチート振りかざして…マジでラノベの主人公っスか!」

鳴神ひかりと白石和真が思い思いに異議を唱えていると、突然馬車が急停車する。そして直ぐに馬車の扉が開いて、ユミルが蒼い顔で現れた。

「すみません、カズマさまっ! 緊急事態でして…とにかく一緒に来て頂けませんか?」
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