最弱ステータスのこの俺が、こんなに強いわけがない。

さこゼロ

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第九章 怪しいご招待

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「儂はな、サシキトーコ。この光景が割と好きなんじゃ。人間と云う生き物も、そこまで嫌いな訳じゃない」

エルアーレは周囲をゆっくりと見回しながら、呟くように言葉を零す。

「じゃが仲間が言うように、儂らに住み難い世界である事もまた事実」

それから再び、佐敷瞳子へと視線を戻した。

「じゃから試しておった。果たして本当に、手を差し伸べてやる程の価値があるのかどうかをな」

「エルアーレ…?」

いまいち話の飲み込めない佐敷瞳子が、不思議そうに小首を傾げる。

「どうやら気付いておるようじゃが、彼奴あやつの上陸を向こうの岬の方に誘導してやる。ただし手を貸してやるのはそこまでじゃ。後はお主らで何とかせい」

「えっと、何のこと…」

「おー、そうじゃ!」

しかし佐敷瞳子の疑問を押し退けて、エルアーレが思い出したように声を張り上げた。それからポケットに右手を突っ込むと、中から小指ほどのガラスボトルを取り出す。ボトルの先には飾り紐が結ばれており、首飾りのようになっていた。

「お主には、コレをやろう」

両手で受け取った佐敷瞳子は、そのまま首飾りをマジマジと見つめる。

「星の…砂?」

「ほー、やはり分かるか。今となってはお主らには貴重な物じゃろうて、大事にするが良い」

そう言ってエルアーレはニッコリと笑った。

「コーヘーさーん!」

そのとき後ろの方から、大きな声が届いてくる。どうにも聞き覚えのある声に、佐敷瞳子は咄嗟に後ろに振り返った。

現れたのは案の定、笑顔で駆けつけてくるチェルシーであった。

   ~~~

「コーヘーさん、奇遇ですね。こんな所で何してるんですかー?」

「奇遇…って」

チェルシーのにこやかな笑顔に、神木公平は頬を掻きながら苦笑いを浮かべる。

「今はフリマを見てて…」

そう言って振り返るが、エルアーレの姿は既にそこには無かった。

「フリマ…? ああ、今日はバザールが開かれてたんですねー」

「気付いてなかったのか?」

「コーヘーさんしか見えてなかったですー」

チェルシーは「テヘッ」と笑って、自分の頭をコツンと小突いた。

神木公平は思わず呆気に取られるが、可愛い仕草も相まって、男として何とも言えない感情が沸々と込み上げてくる。

「チェルシー…仕事は?」

そのときムッとした表情で、佐敷瞳子が無理矢理会話に割り込んだ。

「あ、トーコさんも居たんですねー」

まるで初めて気付いたように、チェルシーが驚きの表情を見せる。

「だから…仕事は?」

佐敷瞳子は負けじと、チェルシーを睨みつけた。

「今の任務はマリナジーテの防衛ですー。心配して頂かなくても結構ですー」

「…防衛? 何かあったのか?」

「先日ここの近海で、巨大なクラーケンが観測されたですー。もしかしたら襲ってくるかもしれないですー」

チェルシーのその言葉に、神木公平と佐敷瞳子は思わず顔を見合わせた。
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