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第十章 護衛任務
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神木公平と佐敷瞳子がメイの店に帰宅したのは、夕方も遅い時間になってからの事であった。
既に夕食の準備も終わっており、そのまま直ぐに頂く事にする。どうやら海鮮料理を意識してか、ゴロっとお肉のビーフシチューが出てきた。貰った謝礼金が相当良かったのかもしれない。
昼に夜に豪勢な食事の余韻を堪能した後、神木公平はグレイスからの提案について、メイに相談を持ちかけた。
「やれば良いじゃないか」
「え…そんな、あっさり?」
メイのあまりの即答に、神木公平は逆に困惑を覚えてしまう。
「傭兵って言っても、毎日何かの任務がある訳じゃないからな。それ一本でやってるヤツなんか殆どいない」
「あ、そうなんですか?」
「ま、大抵は狩人との兼業が多いけどな。アンタらはそのまま、ウチの店で働いてくれたらいいさ」
そう言ってメイは、満面の笑みを見せた。
「でも…」
そのとき佐敷瞳子が、やや俯きながら言い難そうに口を開く。
「勿論分かってるさ。でもそれは、トーコのお役目には必要な事だろう?」
ああそうか、そう言う事か。神木公平は、寂しそうな表情を見せる佐敷瞳子を黙って見つめた。
咲森勇人たちを追いかけると言う事は、いずれこの街から出て行くと言う事なのだ。
「…さあ、この話はここでお終いだよ」
何となくしんみりとなった空気を追い払うように、メイが勢いよく立ち上がる。
「何も明日出て行く訳でもないんだ。これからもビシバシこき使ってやるから覚悟しなっ!」
メイは神木公平の背後に移動すると、その背中を思いっきり引っ叩いた。
~~~
「コーヘーさん、居るですかー?」
あれから数日後、メイの店にひょっこりチェルシーが姿を現した。
ちょうど店番を任されていた佐敷瞳子が、何とも言えない表情になる。
「…居ない。毎度ありがとう…ございました」
「ちょ、ちょっと待つですー。まだ用事は終わってないですー」
危うく帰されそうになり、慌ててチェルシーが店内に駆け込んできた。
「……何?」
「ザイードさんに聞いたですー。トーコさん、私にも新しい武器を見繕って欲しいのですー」
「…急に、何で?」
本能で何かを感じ取り、佐敷瞳子は訝しげな視線を向ける。
「今度、護衛の任務を任されたですー。そこでカッコいい姿を見せたいのですー」
「……誰に?」
「あ……えーっと」
そこでやっと佐敷瞳子のジト目に気付いたチェルシーが、顔を背けて右頬を人差し指でポリポリと掻いた。
「も…勿論、お母さんですー。私が傭兵を続ける事を認めて貰うですー」
佐敷瞳子は、何だか慌てた表情を見せるチェルシーをジッと見据える。しかしやがて諦めたように、小さく溜め息を吐いた。
「…分かった」
「感謝するですーっ!」
チェルシーは両手で佐敷瞳子の手を握りしめ、顔一杯に満面の笑みを浮かべる。
その邪気のない笑顔を見て、佐敷瞳子も毒気を抜かれたように微笑んだ。
(チェルシーに…一番合う武器)
そうしてボソッと呟いた。
既に夕食の準備も終わっており、そのまま直ぐに頂く事にする。どうやら海鮮料理を意識してか、ゴロっとお肉のビーフシチューが出てきた。貰った謝礼金が相当良かったのかもしれない。
昼に夜に豪勢な食事の余韻を堪能した後、神木公平はグレイスからの提案について、メイに相談を持ちかけた。
「やれば良いじゃないか」
「え…そんな、あっさり?」
メイのあまりの即答に、神木公平は逆に困惑を覚えてしまう。
「傭兵って言っても、毎日何かの任務がある訳じゃないからな。それ一本でやってるヤツなんか殆どいない」
「あ、そうなんですか?」
「ま、大抵は狩人との兼業が多いけどな。アンタらはそのまま、ウチの店で働いてくれたらいいさ」
そう言ってメイは、満面の笑みを見せた。
「でも…」
そのとき佐敷瞳子が、やや俯きながら言い難そうに口を開く。
「勿論分かってるさ。でもそれは、トーコのお役目には必要な事だろう?」
ああそうか、そう言う事か。神木公平は、寂しそうな表情を見せる佐敷瞳子を黙って見つめた。
咲森勇人たちを追いかけると言う事は、いずれこの街から出て行くと言う事なのだ。
「…さあ、この話はここでお終いだよ」
何となくしんみりとなった空気を追い払うように、メイが勢いよく立ち上がる。
「何も明日出て行く訳でもないんだ。これからもビシバシこき使ってやるから覚悟しなっ!」
メイは神木公平の背後に移動すると、その背中を思いっきり引っ叩いた。
~~~
「コーヘーさん、居るですかー?」
あれから数日後、メイの店にひょっこりチェルシーが姿を現した。
ちょうど店番を任されていた佐敷瞳子が、何とも言えない表情になる。
「…居ない。毎度ありがとう…ございました」
「ちょ、ちょっと待つですー。まだ用事は終わってないですー」
危うく帰されそうになり、慌ててチェルシーが店内に駆け込んできた。
「……何?」
「ザイードさんに聞いたですー。トーコさん、私にも新しい武器を見繕って欲しいのですー」
「…急に、何で?」
本能で何かを感じ取り、佐敷瞳子は訝しげな視線を向ける。
「今度、護衛の任務を任されたですー。そこでカッコいい姿を見せたいのですー」
「……誰に?」
「あ……えーっと」
そこでやっと佐敷瞳子のジト目に気付いたチェルシーが、顔を背けて右頬を人差し指でポリポリと掻いた。
「も…勿論、お母さんですー。私が傭兵を続ける事を認めて貰うですー」
佐敷瞳子は、何だか慌てた表情を見せるチェルシーをジッと見据える。しかしやがて諦めたように、小さく溜め息を吐いた。
「…分かった」
「感謝するですーっ!」
チェルシーは両手で佐敷瞳子の手を握りしめ、顔一杯に満面の笑みを浮かべる。
その邪気のない笑顔を見て、佐敷瞳子も毒気を抜かれたように微笑んだ。
(チェルシーに…一番合う武器)
そうしてボソッと呟いた。
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