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第十一章 フィアホルン攻防戦
90 番外編 6
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「イ・ナ・ズ・マ・サンダーっ!」
鳴神ひかりが冥杖バルキエラを振り上げ、高らかに声を張り上げた。
同時に、天空に巨大な魔法陣が浮かび上がり、まるで華厳の滝のような稲妻が魔物の群れの中に落雷する。
その威力は、落雷の中心地は勿論、地面を迸る稲妻によってさえ、周囲の魔物を広範囲に一掃していく力を持つ。
「いつ見てもスゲーなー、ひかりちゃんの魔法は」
その光景を眺めていた白石和真が、鳴神ひかりの斜め後方で呑気な感想を述べた。頭の後ろで両指を組み、聖銀の大盾は背中に背負ったままである。
直後に学ラン姿の咲森勇人が、疾風のように駆け出した。その背中には、ミサが渡した純白のマントがひるがえっている。
何でも次元の女神が以前に関わった事のある特殊なマントとかで、レプリカながらもオリジナルと同等の性能を持つ。
名を「回雪のマント」と云う。
咲森勇人は太陽剣シャムシェールをスラリと腰から抜き放ち、鳴神ひかりの雷撃に耐えた残りの魔物に一気に肉迫した。
手始めに選んだ大鬼の目前で跳躍すると、何もない虚空を蹴り、一瞬でその背後に着地する。
唐突に咲森勇人の姿を見失った大鬼は、訳も分からず首を跳ね飛ばされ、魔核を残して消滅した。
「ユートさまに続けーーっ!」
それが引き金となって、凛とした女性の声が戦場に響き渡る。輝く金色のポニーテールを振り乱し、ユミルが騎士団を連れて突撃を開始した。
「あのマントのせいで、ただでさえ反則な勇人さんが更に凶悪になったなー」
「ホントー、カッコいいよねー」
白石和真の妬み半分の賞賛に、鳴神ひかりも頬を染めながら賛同する。
そんな彼女の姿を目にして、白石和真は右手で両目を覆って天を仰いだ。
「あーヤッパ、派手な方がモテるよなー…」
~~~
「カズマさまーっ」
「おっと、そろそろお仕事か」
戦闘開始から暫くたった頃、聞き覚えのある凛とした声が届いてくる。
白石和真がノンビリと前に進み出ると、数人の騎士を引き連れてユミルがこちらに戻ってきた。
「すみません、カズマさま。お願いします」
「はいよ、エリアヒール」
右手を開いて前に突き出しながら、白石和真が魔法を唱える。すると地面に大きな魔法陣がパァーッと広がり、若緑色の光を放ち始めた。
「おおっ!」
その中に立つ男性騎士たちが、その効果に思わず感嘆の声を漏らす。
「一度に何人も治療出来るなんて、カズマさまの魔法はやはり素晴らしいです」
その光景を傍らで見ていたユミルが、胸の前で両指を組んで瞳を輝かせた。
この世界の回復魔法は、1対1が基本となる。
過去に何度も同時治療の研究が行われたが、どうしても回復効果が落ちてしまい、思うような成果は得られなかった。
それを可能にした白石和真の回復スキルは、正に召喚者のチート能力の賜物である。
「カズっぺの魔法だって、スゴイじゃん」
「へへ、ヤッパそーかなー」
ユミルに倣った鳴神ひかりの賞賛を受け、白石和真は分かりやすく天狗になって胸を反らした。
鳴神ひかりが冥杖バルキエラを振り上げ、高らかに声を張り上げた。
同時に、天空に巨大な魔法陣が浮かび上がり、まるで華厳の滝のような稲妻が魔物の群れの中に落雷する。
その威力は、落雷の中心地は勿論、地面を迸る稲妻によってさえ、周囲の魔物を広範囲に一掃していく力を持つ。
「いつ見てもスゲーなー、ひかりちゃんの魔法は」
その光景を眺めていた白石和真が、鳴神ひかりの斜め後方で呑気な感想を述べた。頭の後ろで両指を組み、聖銀の大盾は背中に背負ったままである。
直後に学ラン姿の咲森勇人が、疾風のように駆け出した。その背中には、ミサが渡した純白のマントがひるがえっている。
何でも次元の女神が以前に関わった事のある特殊なマントとかで、レプリカながらもオリジナルと同等の性能を持つ。
名を「回雪のマント」と云う。
咲森勇人は太陽剣シャムシェールをスラリと腰から抜き放ち、鳴神ひかりの雷撃に耐えた残りの魔物に一気に肉迫した。
手始めに選んだ大鬼の目前で跳躍すると、何もない虚空を蹴り、一瞬でその背後に着地する。
唐突に咲森勇人の姿を見失った大鬼は、訳も分からず首を跳ね飛ばされ、魔核を残して消滅した。
「ユートさまに続けーーっ!」
それが引き金となって、凛とした女性の声が戦場に響き渡る。輝く金色のポニーテールを振り乱し、ユミルが騎士団を連れて突撃を開始した。
「あのマントのせいで、ただでさえ反則な勇人さんが更に凶悪になったなー」
「ホントー、カッコいいよねー」
白石和真の妬み半分の賞賛に、鳴神ひかりも頬を染めながら賛同する。
そんな彼女の姿を目にして、白石和真は右手で両目を覆って天を仰いだ。
「あーヤッパ、派手な方がモテるよなー…」
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「カズマさまーっ」
「おっと、そろそろお仕事か」
戦闘開始から暫くたった頃、聞き覚えのある凛とした声が届いてくる。
白石和真がノンビリと前に進み出ると、数人の騎士を引き連れてユミルがこちらに戻ってきた。
「すみません、カズマさま。お願いします」
「はいよ、エリアヒール」
右手を開いて前に突き出しながら、白石和真が魔法を唱える。すると地面に大きな魔法陣がパァーッと広がり、若緑色の光を放ち始めた。
「おおっ!」
その中に立つ男性騎士たちが、その効果に思わず感嘆の声を漏らす。
「一度に何人も治療出来るなんて、カズマさまの魔法はやはり素晴らしいです」
その光景を傍らで見ていたユミルが、胸の前で両指を組んで瞳を輝かせた。
この世界の回復魔法は、1対1が基本となる。
過去に何度も同時治療の研究が行われたが、どうしても回復効果が落ちてしまい、思うような成果は得られなかった。
それを可能にした白石和真の回復スキルは、正に召喚者のチート能力の賜物である。
「カズっぺの魔法だって、スゴイじゃん」
「へへ、ヤッパそーかなー」
ユミルに倣った鳴神ひかりの賞賛を受け、白石和真は分かりやすく天狗になって胸を反らした。
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