ハズレ召喚として追放されたボクは、拡大縮小カメラアプリで異世界無双

さこゼロ

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第4章 シシーオ領にて

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私たちが鍛冶屋から外に出た途端、遠くの方から悲鳴らしきものが聞こえてきた。

「おい、今の…」

ケータが周りの様子を伺う。近くにいる人たちも騒ついているだけで、何があったのかは分からないみたい。

「アッチから聞こえてきました」

ルーが街並みの向こうを指差す。

「分かるの?」

私はビックリしてルーを見た。

「すみません、私、行ってみます。最後まで付き添えなくてごめんなさい」

ユイナが私たちの方に向かって頭を下げた。それからすぐに、ルーの指差した方向へ走りだす。やっぱりユイナは衛兵さんだってことか。

「ケータ…」

私が顔を向けると、ケータはゆっくり頷いた。

「やっぱり、放っておけないよな」

「そうですね」

ルーが頷く。

「少し怖いけど、ユイナには色々とお世話になったもんね」

サトコも少し緊張気味に頷いた。

「何が出来るか分からないけど、ボクらも行こう」

   ~~~

「誰か、治癒魔法を使える人はいませんか?」

私たちが駆けつけたとき、ユイナが声を張り上げていた。その足元には3人の男性衛兵が倒れていて、地面に血溜まりが出来ている。

どこかで見たことあると思ったら、さっきのいけ好かない人たちだ。とはいえこの出血量、放っといたら本当に危ない気がする。

「ど、どうしよ…」

私は狼狽えた。人生でこんな場面に出くわしたことない。どうしたらいいか分からない。

「私がっ!」

ルーが3人のもとに駆けつけた。

「アナタたち…」

ルーに気付いたユイナが驚いた顔を向けてきた。ルーは衛兵たちのそばで膝をつくと、右手の人差し指をたて、その指先にそっと息を吹いた。

すると、ルーの指先から金色の風が生まれ衛兵たちを包み込む。傷からの出血が止まり、衛兵たちの顔色が少しマシになった。

「こ、これは『癒しの息吹』」

ユイナが驚いた声を出した。

「あくまで応急処置です。早く治癒術士に見せてください」

そのとき、衛兵のひとりが意識を取り戻した。

「気を、つけろ…。『隠密』の、スキル持ち…だ」

「そんな、まさか?」

ユイナは片手剣を抜いて辺りをキョロキョロした。

「皆さん、気をつけてください。認識を阻害され、見えてても認識出来なくなります」

「ハルカ、頼む!」

ケータがコッチを向いて目配せした。

「うん、任せて」

衣装着たまんまでちょうど良かった。私はすぐに全員の位置を確認して結界の準備に入った。

「ケータくん、後ろ!」

その瞬間、サトコがケータに向けて必死に叫んだ。
私も釣られて顔を向ける。

「え?」

飛び込んできた光景に呆然となった。

身長80センチメートルほどの緑色の肌の小さな男が、ケータの背後から右の脇腹に刃物を突き刺していた。

「ケータ!」

私が悲鳴のような声をあげると、その男はケータから離れ途端に見失ってしまう。

ケータは膝から崩れ落ちると、脇腹を押さえながらうずくまった。もの凄い勢いで地面に血溜まりを作っていく。私は完全に思考が停止していた。指一本動かせない。

「ケータお兄ちゃん!」

ルーがケータに駆け寄ると、上半身を抱き抱え突然口づけをした。

は…?何が起きているの?脳が全く仕事をしない。

「アワワワ…」

どうやらサトコも、この状況に処理能力が追いついていないようだ。

私は半ば無意識に、全員に結界を張った。
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