異世界配信惑星ファンタジーライブマスター衆神環視惑星

中級中破微小提督

文字の大きさ
3 / 25
第一章 MP強化編

第3話 形態進化

しおりを挟む
 今はオーガを倒した後、城壁の上だ。
「シコル。ここでは一日三回お祈りで食料と水の配給が受けられる。使ってみるか?」
「は? お祈りで食事が出るのかよ」
「まあ、見てろ。祈りの言葉は何でもいい。手を組み合わせて跪け。我らが父よ。その信徒に導きを与えたまえ」
 ゼロスが言葉通り跪いて手を組み合わせる。するとその前に明かりが灯りそこにゼロスが手を入れると白い柔らかそうなパンと水の入ったコップが出てくる。
「おお!? なんの手品だよ!?」
「神からの支給品だ。騙されたと思ってやってみろ」
 ほうほう。俺も同じように跪いて手を組む。
「南無阿弥陀仏!」
 おお!? 俺の前に光が出てくる。恐る恐る手を入れると柔らかなパンの感触とヒンヤリと冷たいガラスのコップの感触がある。それを掴むと光は消えた。
「シコル。お前お経て。念仏で出て来たパンは食いたくねぇな」
「うるせぇな。出て来たんだからいいだろ。本当に食ってもいいのか?」
「毒じゃねぇといいけどな。それとも米で出来たパンか?」
「いただきます!」
 うだうだ言っているゼロスは無視して齧り付く。うめぇな。水も冷えてやがる。
「それをそんなに美味そうに食う奴初めて見たぜ。欠食児童か?」
「いや普通に美味いだろ。こういうプレーンなパンって憧れだったんだよな。何でもかんでもデコってなんか入ってるからな。いらねぇんだよな。ああいうの」
「デコ? お前何を食って生きて来たんだ?」
「この白パンがレアなんだよ。売ってねぇだろこういうの」
「なんでパンがレアなんだ。白パンだが生焼けじゃないだろ」
 ? 何か話が嚙み合わねぇな。生焼け白パンがレアなのか? 普通にハズレだろ。

「ごちそうさま!」
 そうこうする内に食べ終わるが、足りねぇな。
「なあ、神の施しならワインが出てくるんじゃねぇのか?」
「あるぜ。そっちは立ったままでオーケーだ。胸に手を当てて、我らが父よ。血の猛りをわが手に与えたまえ」
 ゼロスの前にワインの張ったグラスが現れる。それを手にすると手の中で揺らす。
「こっちは一日に一回だ。やってみろ」
 俺も胸に手を当てる。
「南無妙法蓮華経!」
 おお! 俺の前にもワイングラスが!
 だがそれをひったくる手が現れた。

「おい! なにする・・・オーク!!!」
 オークだ。フガフガ言いながら、いや、こいつ戦闘服を着ているぞ。
 ゼロスが間髪入れずにアサルトの斉射でトドメを指す。
 おいおいおい。まだ残ってるじゃねぇか!
 床にぶちまけられたワインは残念だが俺の血がぶちまけられないだけマシか。
 俺がアサルトを召喚して警戒するともう一匹銃を構えたオークが居る。こいつも戦闘服だ。だがそいつが銃を構えた途端銃が消える。よくわからないが殺意は本物だ。俺はアサルトで掃射する。
 俺が更に警戒をしているとゼロスは落ち着いたものだった。

「おい! 第二陣じゃないのか」
「いや。もう終わりだ」
 ゼロスの視線を辿ると銃声が轟く。他で片付けたみたいだな。
「あれが新人の末路だ。ほとんどはアレだ」
 ? 何の話だ?
「さっきのオークが元新人だ。さっきも言ったろ。俺達は神に監視されてる。犯罪を起こす前にああなるのさ」
「つまり・・・、どういうことだ?」
 さっきの話は聞いていた。聞いていたが、嘘だろ?
「お前の想像通りだ。正確には形態進化らしいけどな。俺達とここの住人はその行動で種族変化が起こる。プラス方向は見たことないが、マイナス方向はああなるって事さ」

「奴らは何をしたんだ?」
「わかるだろ。女が居て酒を奪うんだ。そっちの方も奪う気だったんだろう。窃盗は分かり易く変わる。あの手の奴は死んでも治らないからな。判定も緩いんだろ」
「それだけでか」
「ああ。犯罪行為はかなり厳しいぞ。人のものは盗るな。こういう基本中の基本が出来ない奴は特に厳しい。新人が次々に死ぬわけさ」
「銃も出せずに死ぬってのはこういう事か」
「まあ、そんな顔をするなシコル。お前は大丈夫だ。初のワインだ。お前にやるよ」
 ゼロスがワイン入りのグラスを俺に差し出す。
「これで窃盗判定のオーク行きはないだろうな」
「安心しろ。監視されてると言っただろ。これで窃盗なら薦めている俺がオーク行きだ」
 俺はゼロスのワインを受け取ると飲み干す。
「美味い。これは気持ちよくシコれそうだ」
「そいつは良かった。明日になったら感想を聞かせてくれ。朝になったら食堂が開いてるからな。そこで会おう」
「ああって寝床は何処だよ」
「これから行くぞ。一応個室だ」
 やっと憩いの時間か。長かったな。


ーーー

終神完死惑星side
「しっかし反応が初々しいな。配給で驚く奴久々に見たぜ」
「なんか持ち方と食い方がエロいな」
「あそこに俺のモノを入れて握ってもらいてぇ」
「ご馳走様が言える子は良い子」

「お? オークが出現だ!」
「どこだ!?」
「やったぜ!」
「待ってました!」
「剥け剥け」
「この日の為にイキてきました」
「取りあえず即BAN以外で頼む」
「慌てるTS娘で抜けそう」

「駄目じゃねぇーか!!!」
「何しに来たオス豚ァ!!!」
「ワイン飲んどる場合かァ!!!」
「期待外れ」
「ハイ解散」



Tips
基本的に天罰が起きる前に魔物堕ちが起こる。
天罰は犯罪が確定した後に起こる。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

極限効率の掃除屋 ――レベル15、物理だけで理を解体する――

銀雪 華音
ファンタジー
「レベル15か? ゴミだな」 世界は男を笑い、男は世界を「解体」した。 魔力も才能も持たず、万年レベル15で停滞する掃除屋、トワ。 彼が十年の歳月を費やして辿り着いたのは、魔法という神秘を物理現象へと引きずり下ろす、狂気的なまでの**『極限効率』**だった。 一万回の反復が生み出す、予備動作ゼロの打撃。 構造の隙間を分子レベルで突く、不可視の解体。 彼にとって、レベル100超えの魔物も、神の加護を受けた聖騎士も、ただの「非効率な肉の塊」に過ぎない。 「レベルは恩恵じゃない……。人類を飼い慣らすための『制限(リミッター)』だ」 暴かれる世界の嘘。動き出すシステムの簒奪者。 管理者が定めた数値(レベル)という鎖を、たった一振りのナイフで叩き切る。 これは、最弱の掃除屋が「論理」という名の剣で、世界の理(バグ)を修正する物語。気になる方は読んでみてください。 ※アルファポリスで先行で公開されます。

英雄の番が名乗るまで

長野 雪
恋愛
突然発生した魔物の大侵攻。西の果てから始まったそれは、いくつもの集落どころか国すら飲みこみ、世界中の国々が人種・宗教を越えて協力し、とうとう終息を迎えた。魔物の駆逐・殲滅に目覚ましい活躍を見せた5人は吟遊詩人によって「五英傑」と謳われ、これから彼らの活躍は英雄譚として広く知られていくのであろう。 大侵攻の終息を祝う宴の最中、己の番《つがい》の気配を感じた五英傑の一人、竜人フィルは見つけ出した途端、気を失ってしまった彼女に対し、番の誓約を行おうとするが失敗に終わる。番と己の寿命を等しくするため、何より番を手元に置き続けるためにフィルにとっては重要な誓約がどうして失敗したのか分からないものの、とにかく庇護したいフィルと、ぐいぐい溺愛モードに入ろうとする彼に一歩距離を置いてしまう番の女性との一進一退のおはなし。 ※小説家になろうにも投稿

35年ローンと共に異世界転生! スキル『マイホーム』で快適5LDK引きこもり生活 ~数学教師、合気道と三節根で異世界を論破する~

月神世一
ファンタジー
紹介文 「結婚しよう。白い壁の素敵なお家が欲しいな♡」 そう言われて35年ローンで新築一戸建て(5LDK)を買った直後、俺、加藤真守(25歳)は婚約者に捨てられた。 失意の中、猫を助けてトラックに轢かれ、気づけばジャージ姿の女神ルチアナに異世界へと放り出されていた。 ​「あげるのは『言語理解』と『マイホーム』でーす」 ​手に入れたのは、ローン残高ごと召喚できる最強の現代住宅。 電気・ガス・水道完備。お風呂は全自動、リビングは床暖房。 さらには貯めたポイントで、地球の「赤マル」から「最新家電」までお取り寄せ!? ​森で拾った純情な狩人の美少女に胃袋を掴まれ、 罠にかかったポンコツ天使(自称聖騎士)が居候し、 競馬好きの魔族公爵がビールを飲みにやってくる。 ​これは、借金まみれの数学教師が、三節根と計算能力を武器に、快適なマイホームを守り抜く物語。 ……頼むから、家の壁で爪を研ぐのはやめてくれ!

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

もしもゲーム通りになってたら?

クラッベ
恋愛
よくある転生もので悪役令嬢はいい子に、ヒロインが逆ハーレム狙いの悪女だったりしますが もし、転生者がヒロインだけで、悪役令嬢がゲーム通りの悪人だったなら? 全てがゲーム通りに進んだとしたら? 果たしてヒロインは幸せになれるのか ※3/15 思いついたのが出来たので、おまけとして追加しました。 ※9/28 また新しく思いつきましたので掲載します。今後も何か思いつきましたら更新しますが、基本的には「完結」とさせていただいてます。9/29も一話更新する予定です。 ※2/8 「パターンその6・おまけ」を更新しました。 ※4/14「パターンその7・おまけ」を更新しました。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

異世界スローライフ希望なのに、女神の過保護が止まらない

葉泪秋
ファンタジー
「小説家になろう」日間ランキング最高11位!(ハイファンタジー) ブラック企業で過労死した俺、佐久間遼。 神様に願ったのは、ただ「異世界で、畑でも耕しながらのんびり暮らしたい」ということだけ。 そうして手に入れた、辺境の村での穏やかな日々。現状に満足し、今度こそは平穏なスローライフを……と思っていたのだが、俺の妙なスキルと前世の社畜根性が、そうはさせない。 ふとした善意で枯れた井戸を直したことから、堅物の騎士団長やら、過保護な女神やらに目をつけられることになる。 早く穏やかに暮らしたい。 俺は今日も、規格外に育った野菜を手、皆の姿を眺めている。 【毎日18:00更新】 ※表紙画像はAIを使用しています

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

処理中です...