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幸せな二人
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辺り一面に骸骨が転がっている。
そこは罪人の居場所、刑場裏の崖の下である。
陰鬱な光景にアミーユも足を竦ませた。
ダンは目を細めて岩の上を見ると、アミーユと側近を置き去りに、一人でそこに向かった。
そして、マントで一つの遺体を包んで戻ってきた。
ダンの父、そして、アミーユの叔父ともなるリチャード国王に違いなかった。
こんな場所とあって墓荒らしも手を付けず、国王は立派な衣服に身を包んでいた。
リチャード国王の遺体は、王家の霊廟に埋葬されることになった。
そこには、ダンの母親であるディアナ妃の棺も、そして、ジョージ王子の棺もあった。
ダンはリチャード国王を葬った後、「愚かなのは罪だ」と吐き捨てるように言った。
♰♰♰
その夜、ダンは、アミーユにディアナ妃の白いナイトドレスを着せた。そして、アミーユをじっと見つめてきた。
「ダンはディアナ妃のことを覚えているの?」
「いや、まったく。母にも幸せなときがあったのかな」
ダンは無表情だが、その言葉には、慕情がうかがえた。アミーユはダンの赤毛を撫でながら言った。
「俺の母は幸せだったはずだ。そして今も幸せそうにしている。そんな母にクッキーを焼いてくれるような女性だったんだから、お前の母も幸せだったはずだ」
「ああ、アミーユが言うならそうだろう」
ダンはアミーユからドレスを脱がせながら言った。やはり丁寧にディアナ妃のドレスをたたんだ。
「マリア妃にディアナ妃のことを訊いてみようか?」
アミーユはときおりお忍びで母と姉とを訪ねるが、マリア妃はいつも穏やかで、アミーユが何かを訊けば、短い言葉で返してくれる。ディアナ妃のことも覚えていれば何か答えてくれるはずだ。
「いや、いい。終わったことだ」
ダンはアミーユの体をベッドに倒した。そして、唇を重ねる。
やはりダンには癒えない傷がまだ残っているのか、どこか荒々しい手つきだった。唇を重ねるのもどこか強引だ。
「ちょっと待て」
アミーユは身を引くも、ダンはお構いなしに襲い来る。平然とうそぶく。
「アミーユは、俺を拒めないんだよ? アミーユは俺のものだし、俺はアミーユのものだ!」
そう言いながら無邪気な顔で襲い来る。
「あっ、だめ、だめだ、やめろ!」
アミーユは声を荒げるも、ダンはやはり襲い来る。
「アミーユ、好き。アミーユは、俺のものだ」
「あんっ、あっ、ダン、だめだ、だめだってば!」
アミーユが珍しく怒ったせいか、ダンは、キョトンとした。眉尻のさがった間抜け顔が憎めない。
「アミーユ、何かあった?」
アミーユは起き上がった。そして、お腹に手を当てた。
「ややができた。だからいたわってくれ」
アミーユは半ば怒って言った。照れ隠しもあった。
ダンは間の抜けた顔で固まっていた。そのうち、ずびっと鼻をすすった。
「アミーユ!」
ダンはガバッと抱きしめようとしてきて、手を引っ込めた。そろりそろりとアミーユを抱きしめる。
「アミーユ、俺、アミーユにはもう何も持たせない。俺が食べさせる。着替えだって俺がさせる。風呂にだって俺が入らせる。だから、今度は無事に……」
アミーユは、ダンの背中を抱きしめ返した。
「自分のことは自分でできる」
ダンのずびっと鼻をすする音に、アミーユが呆れたようにくすくすと笑う声が重なる。
次第にダンも笑い出した。
「アミーユ、俺、嬉しい!」
「うん、俺もだ」
幸せが二人を包んでいた。
(おわり)
そこは罪人の居場所、刑場裏の崖の下である。
陰鬱な光景にアミーユも足を竦ませた。
ダンは目を細めて岩の上を見ると、アミーユと側近を置き去りに、一人でそこに向かった。
そして、マントで一つの遺体を包んで戻ってきた。
ダンの父、そして、アミーユの叔父ともなるリチャード国王に違いなかった。
こんな場所とあって墓荒らしも手を付けず、国王は立派な衣服に身を包んでいた。
リチャード国王の遺体は、王家の霊廟に埋葬されることになった。
そこには、ダンの母親であるディアナ妃の棺も、そして、ジョージ王子の棺もあった。
ダンはリチャード国王を葬った後、「愚かなのは罪だ」と吐き捨てるように言った。
♰♰♰
その夜、ダンは、アミーユにディアナ妃の白いナイトドレスを着せた。そして、アミーユをじっと見つめてきた。
「ダンはディアナ妃のことを覚えているの?」
「いや、まったく。母にも幸せなときがあったのかな」
ダンは無表情だが、その言葉には、慕情がうかがえた。アミーユはダンの赤毛を撫でながら言った。
「俺の母は幸せだったはずだ。そして今も幸せそうにしている。そんな母にクッキーを焼いてくれるような女性だったんだから、お前の母も幸せだったはずだ」
「ああ、アミーユが言うならそうだろう」
ダンはアミーユからドレスを脱がせながら言った。やはり丁寧にディアナ妃のドレスをたたんだ。
「マリア妃にディアナ妃のことを訊いてみようか?」
アミーユはときおりお忍びで母と姉とを訪ねるが、マリア妃はいつも穏やかで、アミーユが何かを訊けば、短い言葉で返してくれる。ディアナ妃のことも覚えていれば何か答えてくれるはずだ。
「いや、いい。終わったことだ」
ダンはアミーユの体をベッドに倒した。そして、唇を重ねる。
やはりダンには癒えない傷がまだ残っているのか、どこか荒々しい手つきだった。唇を重ねるのもどこか強引だ。
「ちょっと待て」
アミーユは身を引くも、ダンはお構いなしに襲い来る。平然とうそぶく。
「アミーユは、俺を拒めないんだよ? アミーユは俺のものだし、俺はアミーユのものだ!」
そう言いながら無邪気な顔で襲い来る。
「あっ、だめ、だめだ、やめろ!」
アミーユは声を荒げるも、ダンはやはり襲い来る。
「アミーユ、好き。アミーユは、俺のものだ」
「あんっ、あっ、ダン、だめだ、だめだってば!」
アミーユが珍しく怒ったせいか、ダンは、キョトンとした。眉尻のさがった間抜け顔が憎めない。
「アミーユ、何かあった?」
アミーユは起き上がった。そして、お腹に手を当てた。
「ややができた。だからいたわってくれ」
アミーユは半ば怒って言った。照れ隠しもあった。
ダンは間の抜けた顔で固まっていた。そのうち、ずびっと鼻をすすった。
「アミーユ!」
ダンはガバッと抱きしめようとしてきて、手を引っ込めた。そろりそろりとアミーユを抱きしめる。
「アミーユ、俺、アミーユにはもう何も持たせない。俺が食べさせる。着替えだって俺がさせる。風呂にだって俺が入らせる。だから、今度は無事に……」
アミーユは、ダンの背中を抱きしめ返した。
「自分のことは自分でできる」
ダンのずびっと鼻をすする音に、アミーユが呆れたようにくすくすと笑う声が重なる。
次第にダンも笑い出した。
「アミーユ、俺、嬉しい!」
「うん、俺もだ」
幸せが二人を包んでいた。
(おわり)
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久々に読もうとしたら、番外編があってびっくりしました!めちゃくちゃ嬉しかったです!
主人公とにかく大変な目にあったのであとは幸せに暮らしてくれるといいな!応援してます!
トーンさま
ありがとうございます!大変、励みになります!これからも頑張ります!
ダンが普通にクソ野郎でびっくりしました。
お前なんかスパダリの風上にも置けねぇ。
あんだけ利用して、それで本当にアミーユの事好きだったとか言われても全く信用できません。
結局、最初から最後まで転がされて翻弄されてボロボロになってるアミーユ可哀想すぎます!!!
ストーリーはすごく面白かったです(#´ᗜ`#)
ストーリーは面白かったようでよかったです(^^♪
ダンは、そう言えばスパダリではないですね💦クズが好きすぎて、そこらへん、おかしくなっています💦
アミーユは好きになってもらえたようでホッとしました。
クズ×不憫が性癖なんだとつくづく思いました💦
ダンがダニエル王子だったとは!∑(゚Д゚)
これからは穏やかに2人過ごせることを祈るばかり、、、
また子供もできるといいなぁ。゚(゚´ω`゚)゚。
今度こそは。
ラストまでお読みいただきありがとうございます。ラストのシーンが描きたいためだけに長い物語を作ってしまいました。この二人は今後はめちゃくちゃ幸せに生きていきます。子どももたぶんめちゃくちゃたくさん……♡