玉座の檻

萌於カク

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初夜※

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 港町の別邸につくなり寝室に向かう。ヒート中のΩとαだ。二人とももう理性は半ば吹き飛んでいた。
 抱き合って唇を重ねる。
 こんなのは初めてだ。こんなに興奮したことはない。
 アミーユの高ぶりは、痛いほどに硬度を高めていた。
 アミーユは、Ωどころか女性とも経験がなかったが、不思議と不安はない。

 アミーユは自分からも匂いが漏れ出ていることを感じていた。Ωに呼応するαの匂いだ。
 アミーユはダンをベッドにそっと押し倒した。
 ゲイルとのことがよぎって、一瞬、手を止める。無理矢理にはしたくない。
 アミーユはダンの頬に手を伸ばして、そっと撫でた。熱でうまく喋ることができない。

「ダン、いい、ん、だな?」

 ダンはうなづいた。黒目で見上げる。

「お前こそ、いいのか。始まるともう止められないけど」

 アミーユは吐息とともにうなづいた。アミーユは笑んで見せた。アミーユの微笑にダンは目を細めた。
 アミーユはダンの大きくて硬い胸に顔をうずめた。ダンの匂いに狂いそうだ。二人を隔てるものはたとえシャツ一枚でも邪魔だ。

 ダンのボタンを外そうとするが、手が震えてうまくいかない。ダンは体を起こし、自分で脱いだ。そして、アミーユのボタンも外すと、アミーユからシャツもズボンもするりと脱がせた。
 互いに裸になって向き合う。アミーユは肩で息をし、その目が情欲に濡れている。アミーユは、水分を湛えた目でダンを見つめた。

「ダン、お前が欲しい………」

 アミーユは熱に浮かされるようにダンを掻き抱いた。ダンはアミーユを抱きしめ返すと、背中を抱いたままアミーユを寝台に倒した。

「アミーユ、俺もだ」

 ダンはアミーユに唇を重ねてきた。肌と肌とが重なる心地よさを味わう。
 アミーユは自分の膝が折り曲げられたとき、何が起きているのかよくわからなかった。
 そこを撫でる感触がして、アミーユはビクッと身をよじる。
 え………?

 アミーユは自分のそこが濡れているのを感じていた。ぬるぬると濡れたそこをなぞられている。あろうことかそこがひくついていることを自覚する。

「あっ………、えっ? あっ………」

 アミーユがダンを見ると、笑みを見せた。その目には欲情が灯っている。黒目の奥の赤い炎は欲情に燃え盛っている。満足そうにかすれた声で囁きかける。

「もう準備ができてる」

 ダンの欲望が濡れた場所に当てられる。当てられたものは恐ろしいほど熱くて硬い。

「い、やっ、違う」

 アミーユは逃れようと首を横に振るが、その腰はうねって、まるでダンのものを欲しがっているように動く。
 ネトネトと濡れたものがくっついては離れる音がする。自身のそこがダンのものを欲しがってひくつく音。それに気づいて、アミーユはおぞ気に身をよじる。
 その部分の密着が高まる。
 硬くて熱い先端がアミーユに入ってきた。

「あっ、ひぅ………」
「ふぅ、すごいな。すごくしめつける」

 ダンは困ったような顔で笑った。
 ち、違う。これは違う。間違っている。
 アミーユは欲を何とか押しのけて、ダンの腹を蹴った。ダンは難なく受け止めると、アミーユの足に唇を寄せてきた。

「きれいな足だ。とても、しなやかできれいだ」
「い、やだ、ちが、ちがう、あっ、あっ」

 アミーユは逃げようとするも、体はままならない。何で俺がこんな目に遭ってるんだ? おかしいだろう。

「アミーユ、きれいだ」

 ダンに見つめられれば、その体には甘いしびれが走る。体じゅうに歓喜が沸き起こっている。
 違う、これは間違っている、おかしい。逃げなければならないのに、体が動かない。それどころか、腰を揺らしている。体じゅうがダンを受け止めて喜んでいる。

 これでは俺はまるで………、まるでΩみたいではないか。

「いや、やめ……、いやだ、こんなの、いや」

 ダンがアミーユの腰を引き寄せると、アミーユの体はダンのもので貫かれた。熱い杭を打たれて、アミーユの視界が明滅した。

「あっ、あああっ」

 アミーユは声を上げる。痛みはない、それどころか、凄絶な快楽に襲われている。

「ダン、っ…んぁ、あぁっ、あっ、やっ」

 体の最奥でダンを感じる。射貫かれて耐え難い多幸感があった。
 に、逃げなきゃ………。

「ああ、すごいよ、アミーユ、とてもいい」

 襲い来る無邪気な暴漢はアミーユを執拗になぶる。
 アミーユの体の奥を何度もこすりあげる。そのたびに、アミーユは快楽に身もだえする。

「ダンっ、…はぁ、っ……っく…ああっ」

 アミーユは無我夢中でダンの首に腕を絡ませた。吸い取られていく、体も、そして、心も。もう正気はどこかに失せていた。
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