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第二章「濡れた吐息と背徳の朝」
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彼の手が、ゆっくりと私の頬を撫でた。
雨の音が遠くから響き、まるで世界の輪郭がぼやけていくような、曖昧な時間。
「……真帆、触れてもいいか?」
その問いに、私は小さく頷いた。
言葉なんていらない。ただ、この気持ちに素直になりたかった。
彼の指先がそっと私の浴衣の合わせを外し、肩から滑り落ちる布地の音が微かに聞こえる。
薄い布の下に隠れていた肌が空気に晒され、少し震えた。
「冷えるか?」
「……だいじょうぶ。悠真さんの手……あったかいから」
そう答えた瞬間、彼の手が胸元へと降りてくる。柔らかく、慎重に、でも迷いのない指の動きだった。
「……ここ、好き?」
「んっ……すき、かも……っ」
胸の先端を舌で優しくなぞられた瞬間、腰が跳ねた。
快感と恥ずかしさがないまぜになって、私は思わず彼の肩を掴む。
「真帆……可愛い声、もっと聞かせて」
そう囁かれて、耳の奥まで熱くなる。
ゆっくりと脚が開かれ、彼の指が私の奥へと触れる。
「……濡れてるな」
「ちがっ……それは……っ」
「いいよ、感じて。俺のこと……」
指先が柔らかく、そこに触れた瞬間、身体が熱く震えた。
くちゅ、くちゅ……と音がして、自分の身体がどれだけ求めていたかを思い知らされる。
「もっと……触れて、奥まで……っ」
指が抜き差しされるたび、甘い痺れが腰から脳天へ抜けていく。
舌で胸を、指で奥を愛撫されながら、私は身体の奥でふるふると波打つ快感に身を委ねた。
そして、悠真さんの身体が重なってくる。
「……入れるよ」
私は、こくりと頷く。怖くないと言えば嘘になる。だけど、それ以上に彼を欲していた。
熱く、硬い彼の先端が、私の蜜口に当たる。
ゆっくり、ゆっくりと押し込まれていく異物感に、思わず息が止まった。
「っ……く、うぅ……っ」
「ごめん、痛い?」
「ちょっと……でも……だいじょうぶ。もっと……来て」
彼は私の額にキスを落としながら、奥まで一気に沈めてきた。
ズンと重い感覚。膣内がいっぱいに満たされて、息をするのも忘れる。
「……真帆、すごくきつい」
「だって……悠真さん、大きいから……っ」
熱と熱が絡まり合って、腰がゆっくりと動き出す。
痛みはやがて快感に変わり、波のように身体を包み込んでいった。
「んっ、んぁ……っ、ゆうま、さん……そこ、だめぇ……っ」
「だめじゃない。ここ、感じてるだろ?」
彼の腰が深く打ち付けられるたび、蜜が音を立てて滴る。
ぐちゅっ、ぱちゅっ――背徳的な音が部屋の中に響いて、それがまた身体を熱くさせた。
「もっ、もっと……もっとして……っ」
彼の動きが速くなり、絶頂が近づいてくる。
指を絡めて、唇を重ねて、そしてふたりで――
「いく、いくぅ……っ、いっしょに……っ!」
「ああ、真帆……っ!」
絶頂が訪れた瞬間、世界が真っ白になった。
身体の奥が痙攣し、彼の熱が私の中で弾ける。
繋がったまま、彼は私を強く抱きしめた。
――翌朝。
雨は止み、外では鳥のさえずりが聞こえていた。
私はまだ彼のベッドに、裸のままで横になっていた。
隣では、悠真さんが穏やかな寝息を立てている。
罪悪感と幸福感が、胸の中でせめぎ合う。
私たちは、間違っているのかもしれない。
でも、身体も心も、彼を欲してしまっていた。
布団の中で、そっと彼の手を握る。
「……もう、戻れないね」
そう呟いた声が、朝の光に溶けていった。
朝日が差し込む台所で、母の包丁の音が軽やかに響いていた。
窓の外は雨上がりの青空。山の木々が雨に濡れて深い緑をしていて、空気もどこか澄んでいる。
私はその音に耳を傾けながら、テーブルに座っていた。
着ているのは、昨夜のままのパジャマ。けれど中身の私は、もう昨日の私とは違っていた。
――彼と、関係を持ってしまった。
ほんの数時間前まで、悠真さんの腕の中にいた。
熱い吐息、重なる肌、愛しさと罪悪感が混ざったまま、私は彼を受け入れた。
「真帆、パン焼けたわよー」
母の声に、思わずビクッとしてしまう。
「う、うん、ありがとう」
自然に返事をしたつもりだったのに、自分の声が少し震えていた気がする。
リビングに入ってきた父は新聞を手にしており、そのあとに続いて――
悠真さんが、無言で姿を現した。
眼鏡をかけ、いつもの無表情な顔。
けれど私の目は、彼の指先にふと注目してしまう。
私の身体を触れていた、その指。
(だめ、普通にしてなきゃ……)
そう思えば思うほど、胸がざわざわして落ち着かない。
「おはよう、悠真。昨日はありがとうね、停電のとき」
母が笑顔で話しかけると、彼は軽く頷いた。
「……別に、大したことじゃないし」
低くて冷たい、いつも通りの声。
けれど一瞬だけ、私の方に視線が向いた。
ほんの少し。ほんの0.5秒にも満たない一瞥――なのに、その熱が私の胸を締めつけた。
昨日の夜を、思い出してしまう。
彼の唇。彼の身体。私の中に流れ込んだ熱。
「真帆、ぼーっとしてるけど?」
「え、あっ、ごめん!なんでもない、ちょっと眠くて……」
思わず笑ってごまかしたけれど、内心は心臓がバクバクしていた。
誰にも気づかれてはいけない。私たちは、もう普通の兄妹ではないのだから。
それから数日、私たちはまるで「何もなかった」ように日常を過ごした。
でも、すべてが同じではなかった。
――例えば、食事のとき。
向かい合って座る距離が、ほんの少し、意識されているように感じる。
――例えば、廊下ですれ違うとき。
肩が少し触れただけで、火がついたように鼓動が早くなる。
――例えば、夜の階段。
リビングの明かりが落ちたあと、誰もいないときにふと指先が交差して……でも何もなかったように離れる。
「……真帆」
ある夜、階段の途中で彼が私の名前を低く呼んだ。
振り返ると、誰もいない二階の廊下に、彼だけが立っていた。
眼鏡越しの視線が、熱を孕んでいる。
「……なに?」
小さく囁くように返すと、彼は静かに口を開いた。
「……また、夜、来るか?」
心臓が跳ねた。
身体があの夜の熱を思い出す。
私は、ゆっくりと頷いた。
「……うん」
言葉にするだけで、背徳の甘さが胸に満ちていく。
日常の中に潜む、ひとつの秘密。
ふたりだけが知る、夜の密会。
それは背徳でありながら、心を震わせるほど甘くて、もう戻れない中毒のようでもあった。
月が高く昇る夜。風の音と虫の声が静けさの中に溶けている。
私はゆっくりと、自分の部屋を出た。
足音を立てないように廊下を歩き、そっとあの部屋の前に立つ。
軽くノックをすると、すぐにドアが開いた。
そこにいたのは、私だけの“義兄”――悠真さん。
眼鏡を外し、濡れたような視線で私を迎え入れる。
「……来たんだな」
「うん……来たよ」
ふたりきりの夜。
ドアが閉まる音と同時に、私の背中は壁に押し付けられ、彼の唇が重なった。
「んっ……んぅ……っ」
舌が絡み、唇を食むたびに、身体が熱くなっていく。
彼の指先が私の部屋着のボタンを一つずつ外し、胸元に触れる。
「真帆……ここ、もう立ってるな」
「だって……待ってたから……」
乳首を指で挟まれ、甘く締めつけられるたびに、脚の間が疼く。
「全部、脱がせていい?」
「……うん。悠真さんの好きにして」
布が肌から滑り落ち、冷たい空気と彼の熱が入り混じる。
ベッドに横たえられ、太ももを開かれた瞬間、膣口から蜜がこぼれた。
「すごい……もう濡れてる」
「……触ってほしかったの。悠真さんに」
彼の唇が胸元に降りてきて、舌が乳首を転がす。
くちゅ、じゅる、と音を立てながら、彼は私を貪った。
「ゆうま……さんっ、そこ、んんっ……っ」
脚の間に指が伸びてきて、蜜壺に入ってくる。
「気持ちいい?」
「気持ち……いい、奥まで……してぇ……」
ずぷっ――と音を立てて、彼の指が中で動き出す。
指先で膣壁をなぞられ、たまらず声が漏れる。
「あっ、あっ、そこ、だめぇ……っ、くるっ……!」
何度も擦られ、快感が身体の奥からせり上がってくる。
そして彼は、自分のものを取り出し、私の上に重なった。
「中、欲しい?」
「……欲しい、悠真さんの、全部……入れて……」
ぬるんとした音のあと、熱がゆっくりと奥に入り込んでくる。
ぐちゅぐちゅと濡れた音が、部屋の中にいやらしく響いた。
「やっぱり……真帆、気持ちよすぎてやばい」
「私も……!気持ちいい、いっぱい動いて……!」
腰が打ち付けられるたび、膣内が掻き回され、身体の奥が震える。
繋がった場所からあふれる蜜がシーツを濡らしていく。
「真帆……好きだ」
「私もっ、好き……悠真さん、もっと……奥まで!」
背中を抱きしめられ、深く突き上げられて、私は絶頂へと達した。
ぎゅうっと膣が締まり、彼もまた熱を放って果てる。
「んんっ……いっぱい出てる、悠真さんの……中に、熱い……」
ふたりで乱れたまま、しばらく動けなかった。
――翌朝。
私はいつも通り制服に着替えて、リビングへ降りた。
「おはよう、真帆。今日はお弁当いる?」
母が笑顔で声をかけてくれる。
父は新聞を読んでいて、まるで昨日と同じ朝。
けれど、私の身体の奥には、昨夜の名残がまだ温かく残っていた。
「おはよう、……お弁当、お願い」
私が席に着くと、悠真さんがキッチンから戻ってきた。
眼鏡越しの視線が、ほんの一瞬、私を捉える。
その一瞬だけで、また身体の奥が疼いてしまう。
「おはよう、悠真。今日もお仕事?」
母の何気ない声かけに、彼はコーヒーを口にしながら静かに頷いた。
「……うん。今日中に納品しなきゃいけないコードがあって」
「へぇ、大変ねぇ。ちゃんとごはん食べてよ?」
「……ああ、ありがとう」
母と交わす当たり障りのない会話の中にも、私は昨夜の彼の吐息や、熱を覚えていた。
家族と過ごす朝。
けれど私は、誰にも言えない“夜の約束”を胸に抱えていた。
雨の音が遠くから響き、まるで世界の輪郭がぼやけていくような、曖昧な時間。
「……真帆、触れてもいいか?」
その問いに、私は小さく頷いた。
言葉なんていらない。ただ、この気持ちに素直になりたかった。
彼の指先がそっと私の浴衣の合わせを外し、肩から滑り落ちる布地の音が微かに聞こえる。
薄い布の下に隠れていた肌が空気に晒され、少し震えた。
「冷えるか?」
「……だいじょうぶ。悠真さんの手……あったかいから」
そう答えた瞬間、彼の手が胸元へと降りてくる。柔らかく、慎重に、でも迷いのない指の動きだった。
「……ここ、好き?」
「んっ……すき、かも……っ」
胸の先端を舌で優しくなぞられた瞬間、腰が跳ねた。
快感と恥ずかしさがないまぜになって、私は思わず彼の肩を掴む。
「真帆……可愛い声、もっと聞かせて」
そう囁かれて、耳の奥まで熱くなる。
ゆっくりと脚が開かれ、彼の指が私の奥へと触れる。
「……濡れてるな」
「ちがっ……それは……っ」
「いいよ、感じて。俺のこと……」
指先が柔らかく、そこに触れた瞬間、身体が熱く震えた。
くちゅ、くちゅ……と音がして、自分の身体がどれだけ求めていたかを思い知らされる。
「もっと……触れて、奥まで……っ」
指が抜き差しされるたび、甘い痺れが腰から脳天へ抜けていく。
舌で胸を、指で奥を愛撫されながら、私は身体の奥でふるふると波打つ快感に身を委ねた。
そして、悠真さんの身体が重なってくる。
「……入れるよ」
私は、こくりと頷く。怖くないと言えば嘘になる。だけど、それ以上に彼を欲していた。
熱く、硬い彼の先端が、私の蜜口に当たる。
ゆっくり、ゆっくりと押し込まれていく異物感に、思わず息が止まった。
「っ……く、うぅ……っ」
「ごめん、痛い?」
「ちょっと……でも……だいじょうぶ。もっと……来て」
彼は私の額にキスを落としながら、奥まで一気に沈めてきた。
ズンと重い感覚。膣内がいっぱいに満たされて、息をするのも忘れる。
「……真帆、すごくきつい」
「だって……悠真さん、大きいから……っ」
熱と熱が絡まり合って、腰がゆっくりと動き出す。
痛みはやがて快感に変わり、波のように身体を包み込んでいった。
「んっ、んぁ……っ、ゆうま、さん……そこ、だめぇ……っ」
「だめじゃない。ここ、感じてるだろ?」
彼の腰が深く打ち付けられるたび、蜜が音を立てて滴る。
ぐちゅっ、ぱちゅっ――背徳的な音が部屋の中に響いて、それがまた身体を熱くさせた。
「もっ、もっと……もっとして……っ」
彼の動きが速くなり、絶頂が近づいてくる。
指を絡めて、唇を重ねて、そしてふたりで――
「いく、いくぅ……っ、いっしょに……っ!」
「ああ、真帆……っ!」
絶頂が訪れた瞬間、世界が真っ白になった。
身体の奥が痙攣し、彼の熱が私の中で弾ける。
繋がったまま、彼は私を強く抱きしめた。
――翌朝。
雨は止み、外では鳥のさえずりが聞こえていた。
私はまだ彼のベッドに、裸のままで横になっていた。
隣では、悠真さんが穏やかな寝息を立てている。
罪悪感と幸福感が、胸の中でせめぎ合う。
私たちは、間違っているのかもしれない。
でも、身体も心も、彼を欲してしまっていた。
布団の中で、そっと彼の手を握る。
「……もう、戻れないね」
そう呟いた声が、朝の光に溶けていった。
朝日が差し込む台所で、母の包丁の音が軽やかに響いていた。
窓の外は雨上がりの青空。山の木々が雨に濡れて深い緑をしていて、空気もどこか澄んでいる。
私はその音に耳を傾けながら、テーブルに座っていた。
着ているのは、昨夜のままのパジャマ。けれど中身の私は、もう昨日の私とは違っていた。
――彼と、関係を持ってしまった。
ほんの数時間前まで、悠真さんの腕の中にいた。
熱い吐息、重なる肌、愛しさと罪悪感が混ざったまま、私は彼を受け入れた。
「真帆、パン焼けたわよー」
母の声に、思わずビクッとしてしまう。
「う、うん、ありがとう」
自然に返事をしたつもりだったのに、自分の声が少し震えていた気がする。
リビングに入ってきた父は新聞を手にしており、そのあとに続いて――
悠真さんが、無言で姿を現した。
眼鏡をかけ、いつもの無表情な顔。
けれど私の目は、彼の指先にふと注目してしまう。
私の身体を触れていた、その指。
(だめ、普通にしてなきゃ……)
そう思えば思うほど、胸がざわざわして落ち着かない。
「おはよう、悠真。昨日はありがとうね、停電のとき」
母が笑顔で話しかけると、彼は軽く頷いた。
「……別に、大したことじゃないし」
低くて冷たい、いつも通りの声。
けれど一瞬だけ、私の方に視線が向いた。
ほんの少し。ほんの0.5秒にも満たない一瞥――なのに、その熱が私の胸を締めつけた。
昨日の夜を、思い出してしまう。
彼の唇。彼の身体。私の中に流れ込んだ熱。
「真帆、ぼーっとしてるけど?」
「え、あっ、ごめん!なんでもない、ちょっと眠くて……」
思わず笑ってごまかしたけれど、内心は心臓がバクバクしていた。
誰にも気づかれてはいけない。私たちは、もう普通の兄妹ではないのだから。
それから数日、私たちはまるで「何もなかった」ように日常を過ごした。
でも、すべてが同じではなかった。
――例えば、食事のとき。
向かい合って座る距離が、ほんの少し、意識されているように感じる。
――例えば、廊下ですれ違うとき。
肩が少し触れただけで、火がついたように鼓動が早くなる。
――例えば、夜の階段。
リビングの明かりが落ちたあと、誰もいないときにふと指先が交差して……でも何もなかったように離れる。
「……真帆」
ある夜、階段の途中で彼が私の名前を低く呼んだ。
振り返ると、誰もいない二階の廊下に、彼だけが立っていた。
眼鏡越しの視線が、熱を孕んでいる。
「……なに?」
小さく囁くように返すと、彼は静かに口を開いた。
「……また、夜、来るか?」
心臓が跳ねた。
身体があの夜の熱を思い出す。
私は、ゆっくりと頷いた。
「……うん」
言葉にするだけで、背徳の甘さが胸に満ちていく。
日常の中に潜む、ひとつの秘密。
ふたりだけが知る、夜の密会。
それは背徳でありながら、心を震わせるほど甘くて、もう戻れない中毒のようでもあった。
月が高く昇る夜。風の音と虫の声が静けさの中に溶けている。
私はゆっくりと、自分の部屋を出た。
足音を立てないように廊下を歩き、そっとあの部屋の前に立つ。
軽くノックをすると、すぐにドアが開いた。
そこにいたのは、私だけの“義兄”――悠真さん。
眼鏡を外し、濡れたような視線で私を迎え入れる。
「……来たんだな」
「うん……来たよ」
ふたりきりの夜。
ドアが閉まる音と同時に、私の背中は壁に押し付けられ、彼の唇が重なった。
「んっ……んぅ……っ」
舌が絡み、唇を食むたびに、身体が熱くなっていく。
彼の指先が私の部屋着のボタンを一つずつ外し、胸元に触れる。
「真帆……ここ、もう立ってるな」
「だって……待ってたから……」
乳首を指で挟まれ、甘く締めつけられるたびに、脚の間が疼く。
「全部、脱がせていい?」
「……うん。悠真さんの好きにして」
布が肌から滑り落ち、冷たい空気と彼の熱が入り混じる。
ベッドに横たえられ、太ももを開かれた瞬間、膣口から蜜がこぼれた。
「すごい……もう濡れてる」
「……触ってほしかったの。悠真さんに」
彼の唇が胸元に降りてきて、舌が乳首を転がす。
くちゅ、じゅる、と音を立てながら、彼は私を貪った。
「ゆうま……さんっ、そこ、んんっ……っ」
脚の間に指が伸びてきて、蜜壺に入ってくる。
「気持ちいい?」
「気持ち……いい、奥まで……してぇ……」
ずぷっ――と音を立てて、彼の指が中で動き出す。
指先で膣壁をなぞられ、たまらず声が漏れる。
「あっ、あっ、そこ、だめぇ……っ、くるっ……!」
何度も擦られ、快感が身体の奥からせり上がってくる。
そして彼は、自分のものを取り出し、私の上に重なった。
「中、欲しい?」
「……欲しい、悠真さんの、全部……入れて……」
ぬるんとした音のあと、熱がゆっくりと奥に入り込んでくる。
ぐちゅぐちゅと濡れた音が、部屋の中にいやらしく響いた。
「やっぱり……真帆、気持ちよすぎてやばい」
「私も……!気持ちいい、いっぱい動いて……!」
腰が打ち付けられるたび、膣内が掻き回され、身体の奥が震える。
繋がった場所からあふれる蜜がシーツを濡らしていく。
「真帆……好きだ」
「私もっ、好き……悠真さん、もっと……奥まで!」
背中を抱きしめられ、深く突き上げられて、私は絶頂へと達した。
ぎゅうっと膣が締まり、彼もまた熱を放って果てる。
「んんっ……いっぱい出てる、悠真さんの……中に、熱い……」
ふたりで乱れたまま、しばらく動けなかった。
――翌朝。
私はいつも通り制服に着替えて、リビングへ降りた。
「おはよう、真帆。今日はお弁当いる?」
母が笑顔で声をかけてくれる。
父は新聞を読んでいて、まるで昨日と同じ朝。
けれど、私の身体の奥には、昨夜の名残がまだ温かく残っていた。
「おはよう、……お弁当、お願い」
私が席に着くと、悠真さんがキッチンから戻ってきた。
眼鏡越しの視線が、ほんの一瞬、私を捉える。
その一瞬だけで、また身体の奥が疼いてしまう。
「おはよう、悠真。今日もお仕事?」
母の何気ない声かけに、彼はコーヒーを口にしながら静かに頷いた。
「……うん。今日中に納品しなきゃいけないコードがあって」
「へぇ、大変ねぇ。ちゃんとごはん食べてよ?」
「……ああ、ありがとう」
母と交わす当たり障りのない会話の中にも、私は昨夜の彼の吐息や、熱を覚えていた。
家族と過ごす朝。
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