バッファロー銀伝説

三十二手目

志し

「俺、辞めるね。」
仕事終わり、玄関でバッタリ吉田とたもるが出くわした。

「えっ、あの、吉田さん、そんな。」どう言葉を発して良いのか分からず、慌てるたもる。

「仕事は辞める。」

「あの、吉田さん、今日はこの後お忙しいですか？」

「いや、忙しくないけど。どうかした？」

「漆石に行きませんか？奢らせてください。」
たもる、23歳。
社会人数日にして、先輩を居酒屋に誘う。

「いやーたもる君給料日まだ来てないのに無理でしょ！」吉田に笑みがこぼれる。

「いえ、お金なら余り余っておりまして、大丈夫です、」たもるは嘘つきである。

「な、なんと、、たもる、、デイトレーダー？」

「いえ、あの、是非よろしくお願いします！」




～30分後、居酒屋漆石に到着～



「本当にたもる君の奢りでいいの？俺浴びるよ？酒。」

「デイトレーダーは酒を浴びさせる為に生きてますから、ごゆるりと、浴びてください。」

「ちょー君たもちゃん連日ありがとね！ほい！生2つ！！ごゆっくり！」大将の威勢の良い声に、お疲れ様でしたの声も一段あがる。

「おつかれさまでした！」

「それで、いきなりなんですけど、吉田さん、会社辞めないでください。」

「ほんといきなりだなぁ。まぁ飲もうよ！」