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5年生 冬休み
異能道場へようこそ
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庭の物置きが轟音と共にせり上がり、地下室への扉が開いた。
「さあ、入って!」
「えへへ。カッコイイねー!」
『カズヤ。この入口はキミでも開閉できるようにしておく。好きに使うといい』
「ありがとう、ブルーさん!」
超能力の練習場所が必要だろうという、ブルーの提案で、栗っちにも地下室を開放することにした。念動力はもちろんだが、精神感応も、まだまだ強くなる。自分で制御できないと色々とマズいことになるそうだ。
『特に、人混みの中などでは、流れ込んでくる感情が多すぎて、パニックになりかねない』
不要な時は、能力をオフにできるように訓練する。
僕も協力する事になった。このままじゃ、僕の心の声、聞かれまくりだしね。
『まずは、カズヤの部屋を作ろう』
壁が床からせり出して空間を仕切り、ドアが現れる。僕の部屋の隣に、もうひとつ、栗っちの部屋が出来た。
『さらに、部屋の扉は、それぞれ本人でないと開けられないようにロックする。やはりプライバシーは大事だからね』
お前が言うか?!
おっと……これもブルーの思うツボなのか。
『さすがだタツヤ』
やはりそうだった。油断もスキもない。
『そしてこの空間の奥に、練習場を用意しておいた。広くて頑丈な部屋だよ』
地下室の奥の壁に、もう一つ、扉が現れた。僕は扉の取手を持ち、開けようとする。
……が、押しても引いても、びくともしない。何だ? 開かないぞ?
『引き戸にした』
「何でだよ!?」
「そういえば、いろんな道場の入り口って、なぜか引き戸が多いよね」
『それだ、カズヤ』
いや、違うだろ! 本当は、僕に「何でだよ!?」って言わせたかったんだよな。
『それだ、タツヤ』
認めちゃった! それだけの為に引き戸にしたの?! 逆にお疲れ様だよもう!
僕は取手を持ち、横に引いた。ゴロゴロと音を立てて、扉が開く。僕の力でも、そこそこ重い。かなり頑丈な作りの扉だ。
『アヤカが、魔法の練習をする事も想定してある。例の悪魔が使ったような魔法を試すなら、かなりの強度が必要だろうからね』
部屋の中に入ると、壁や床、天井も、冷たい色をした材質で出来ていて、たしかに、手前の空間とは作りが違っているのがわかる。天井の光る球体にも、ひとつひとつ、網目のガードが入っている。
「凄いな、ブルー! もしかして、この部屋、あっちの部屋より広くないか?」
『そうだ。これぐらい広いほうが、色々試せていいだろう』
「うわぁ……広っ!」
あとから入ってきた栗っちも、嬉しそうに室内を見回している。
『タツヤ、試しに、そこの壁を殴ってみてほしい』
「おいおい、ブルー。僕の拳、金属バットより硬いんだぜ? 大丈夫?」
『問題ない……はずだ』
はずって……よーし、それじゃ、ここら辺を。
「たっちゃん、気をつけて!」
「おう! せーの!」
パイィン! と、不思議な音を立てて、壁がヘコむ。
「ほら、言わんこっちゃない」
『いや、これで良いんだ。見てて』
石を投げ込んで波打った水面が、自然と平面に戻るように、ヘコんだ壁は、静かに元の形に戻った。
「おお! 面白いなこれ!」
『そうだろうタツヤ。下手に頑丈にするよりも、この方が強い。でも、扉や明かりはこの材質に加工できなかったので、なるべくなら攻撃しないで欲しい』
直すのが面倒だから、だそうだ。
『ところでタツヤ。一応、埋蔵金の話もしておいた方がいいんじゃないか?』
「そうだな、栗っち、ちょっとこっちへ来て!」
「え? なに?」
僕は、自分の部屋にある、リュックサックの中身を、栗っちに見せた。
「たっちゃん……! 僕、たっちゃんがそんな事をする人だなんて思わなかったよ!」
「いや、どんな事する人だと思ったんだよ?! っていうか〝精神感応〟で、ある程度、わかっちゃってるんだろ?」
「えへへ、一応、やっとかなきゃって思って」
『いい心掛けだ、カズヤ』
んー。ブルーからの悪影響がすごいな。
「僕は地球の破壊を防ぐために、世界中を飛び回ることになりそうなんだ。これはその軍資金ってわけさ」
「ええ!? 世界中を! いいなあ。僕も行きたいよー!」
『カズヤも、もっと覚醒が進んだ上で、普段の生活に支障をきたさなければ、同行してもらって構わない』
「そうか、学校とか、休むことになるもんね。たっちゃんは、学校どうするの?」
「僕はもうすぐ、自分そっくりの人形を作れるようになるんだって」
『〝土人形〟という。土といっても、見た目や質感、内部構造は、完全に人間と同じだ。残念ながら、強度も人間並みだが』
「へぇ! 分身を作れるんだ。便利そうだね」
「ところが、操作は自分でしなくちゃならないらしい」
『土人形の五感は、痛覚以外、自分にフィードバックされるので、慣れれば本当に自分自身のように操れるようになるし、極めれば、本体と分身を、同時に動かせるようになるよ』
「でも、すごく難しそう。たっちゃん、頑張ってね!」
「うん。栗っちも超能力の練習、一緒に頑張ろう!」
『ん。まてよ……もしかしたら……』
「どうしたんだ、ブルー?」
『タツヤがカズヤの土人形を作れれば、ちょっとした細工で、カズヤも遠隔操作できるかもしれない』
「マジで!? それ良いじゃん!」
「わあ! それが出来れば、僕もたっちゃんについて行けるね!」
『だが、カズヤが一緒に行くのは、あくまでも、もう少し覚醒が進んでからだよ。危険な事も、あるかもしれないからね?』
「うん。わかったよ!」
『さあ、それじゃ、カズヤ、少しだけ、〝精神感応〟の練習、やっておくかい?』
「はーい! ブルーさん、よろしくお願いします。たっちゃんも、手伝って!」
「おう、任せとけ! で、ブルー、どうすれば良い?」
『まずは、聴覚と精神感応を、切り分ける事から始めよう。簡単な言葉を、発声と思考で交互にカズヤに伝えるんだ。カズヤは、タツヤが口に出した言葉だけを、同じく、口に出して返して』
なるほどね。意外と面白そうだ。
『じゃ、最初は、動物の名前でやってみようか』
「さあ、入って!」
「えへへ。カッコイイねー!」
『カズヤ。この入口はキミでも開閉できるようにしておく。好きに使うといい』
「ありがとう、ブルーさん!」
超能力の練習場所が必要だろうという、ブルーの提案で、栗っちにも地下室を開放することにした。念動力はもちろんだが、精神感応も、まだまだ強くなる。自分で制御できないと色々とマズいことになるそうだ。
『特に、人混みの中などでは、流れ込んでくる感情が多すぎて、パニックになりかねない』
不要な時は、能力をオフにできるように訓練する。
僕も協力する事になった。このままじゃ、僕の心の声、聞かれまくりだしね。
『まずは、カズヤの部屋を作ろう』
壁が床からせり出して空間を仕切り、ドアが現れる。僕の部屋の隣に、もうひとつ、栗っちの部屋が出来た。
『さらに、部屋の扉は、それぞれ本人でないと開けられないようにロックする。やはりプライバシーは大事だからね』
お前が言うか?!
おっと……これもブルーの思うツボなのか。
『さすがだタツヤ』
やはりそうだった。油断もスキもない。
『そしてこの空間の奥に、練習場を用意しておいた。広くて頑丈な部屋だよ』
地下室の奥の壁に、もう一つ、扉が現れた。僕は扉の取手を持ち、開けようとする。
……が、押しても引いても、びくともしない。何だ? 開かないぞ?
『引き戸にした』
「何でだよ!?」
「そういえば、いろんな道場の入り口って、なぜか引き戸が多いよね」
『それだ、カズヤ』
いや、違うだろ! 本当は、僕に「何でだよ!?」って言わせたかったんだよな。
『それだ、タツヤ』
認めちゃった! それだけの為に引き戸にしたの?! 逆にお疲れ様だよもう!
僕は取手を持ち、横に引いた。ゴロゴロと音を立てて、扉が開く。僕の力でも、そこそこ重い。かなり頑丈な作りの扉だ。
『アヤカが、魔法の練習をする事も想定してある。例の悪魔が使ったような魔法を試すなら、かなりの強度が必要だろうからね』
部屋の中に入ると、壁や床、天井も、冷たい色をした材質で出来ていて、たしかに、手前の空間とは作りが違っているのがわかる。天井の光る球体にも、ひとつひとつ、網目のガードが入っている。
「凄いな、ブルー! もしかして、この部屋、あっちの部屋より広くないか?」
『そうだ。これぐらい広いほうが、色々試せていいだろう』
「うわぁ……広っ!」
あとから入ってきた栗っちも、嬉しそうに室内を見回している。
『タツヤ、試しに、そこの壁を殴ってみてほしい』
「おいおい、ブルー。僕の拳、金属バットより硬いんだぜ? 大丈夫?」
『問題ない……はずだ』
はずって……よーし、それじゃ、ここら辺を。
「たっちゃん、気をつけて!」
「おう! せーの!」
パイィン! と、不思議な音を立てて、壁がヘコむ。
「ほら、言わんこっちゃない」
『いや、これで良いんだ。見てて』
石を投げ込んで波打った水面が、自然と平面に戻るように、ヘコんだ壁は、静かに元の形に戻った。
「おお! 面白いなこれ!」
『そうだろうタツヤ。下手に頑丈にするよりも、この方が強い。でも、扉や明かりはこの材質に加工できなかったので、なるべくなら攻撃しないで欲しい』
直すのが面倒だから、だそうだ。
『ところでタツヤ。一応、埋蔵金の話もしておいた方がいいんじゃないか?』
「そうだな、栗っち、ちょっとこっちへ来て!」
「え? なに?」
僕は、自分の部屋にある、リュックサックの中身を、栗っちに見せた。
「たっちゃん……! 僕、たっちゃんがそんな事をする人だなんて思わなかったよ!」
「いや、どんな事する人だと思ったんだよ?! っていうか〝精神感応〟で、ある程度、わかっちゃってるんだろ?」
「えへへ、一応、やっとかなきゃって思って」
『いい心掛けだ、カズヤ』
んー。ブルーからの悪影響がすごいな。
「僕は地球の破壊を防ぐために、世界中を飛び回ることになりそうなんだ。これはその軍資金ってわけさ」
「ええ!? 世界中を! いいなあ。僕も行きたいよー!」
『カズヤも、もっと覚醒が進んだ上で、普段の生活に支障をきたさなければ、同行してもらって構わない』
「そうか、学校とか、休むことになるもんね。たっちゃんは、学校どうするの?」
「僕はもうすぐ、自分そっくりの人形を作れるようになるんだって」
『〝土人形〟という。土といっても、見た目や質感、内部構造は、完全に人間と同じだ。残念ながら、強度も人間並みだが』
「へぇ! 分身を作れるんだ。便利そうだね」
「ところが、操作は自分でしなくちゃならないらしい」
『土人形の五感は、痛覚以外、自分にフィードバックされるので、慣れれば本当に自分自身のように操れるようになるし、極めれば、本体と分身を、同時に動かせるようになるよ』
「でも、すごく難しそう。たっちゃん、頑張ってね!」
「うん。栗っちも超能力の練習、一緒に頑張ろう!」
『ん。まてよ……もしかしたら……』
「どうしたんだ、ブルー?」
『タツヤがカズヤの土人形を作れれば、ちょっとした細工で、カズヤも遠隔操作できるかもしれない』
「マジで!? それ良いじゃん!」
「わあ! それが出来れば、僕もたっちゃんについて行けるね!」
『だが、カズヤが一緒に行くのは、あくまでも、もう少し覚醒が進んでからだよ。危険な事も、あるかもしれないからね?』
「うん。わかったよ!」
『さあ、それじゃ、カズヤ、少しだけ、〝精神感応〟の練習、やっておくかい?』
「はーい! ブルーさん、よろしくお願いします。たっちゃんも、手伝って!」
「おう、任せとけ! で、ブルー、どうすれば良い?」
『まずは、聴覚と精神感応を、切り分ける事から始めよう。簡単な言葉を、発声と思考で交互にカズヤに伝えるんだ。カズヤは、タツヤが口に出した言葉だけを、同じく、口に出して返して』
なるほどね。意外と面白そうだ。
『じゃ、最初は、動物の名前でやってみようか』
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