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5年生 3学期 2月
その力は愛のために
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ガロウズ星人の〝ヴォルフ〟は、大ちゃんの頭を片手で掴み、持ち上げている。
……気持ちの悪い含み笑いを漏らしながら。
「ククク。苦しいか? 頭が砕けそうだな」
バリバリという音が響き、とうとうヘルメットに大きな亀裂が入る。
『大ちゃん!』
『タツヤ。ダイサクは大丈夫だ。まだ生きている』
ヴォルフの右手にヘルメットを残し、大ちゃんは仰向けに倒れた。
「おっと、落としてしまったな。死んだか? 子ザル」
今まで隠れていた、大ちゃんの素顔が露わになる。
「たっちゃ……え?! だ、大ちゃん?! 大ちゃんにゃ?!」
「ユ……ユーリ、逃げ……て……くれ……」
「大ちゃん! にゃんで? にゃんで大ちゃんが?!」
「ほう。まだ息があったか。ではそこで、この娘の死にゆく様を見ているがいい」
ヴォルフは、くるりとユーリの方を向いた。
放り投げたレッドのヘルメットが、大ちゃんの前に転がる。
「くっ! ……や、やめろ」
「はあぁ? やめるワケないだろう。クックック!」
ヴォルフは背中から斧のような武器を取り出して、ユーリに近付いていく。
「いやにゃ! やめて! いやにゃあぁぁ!!」
「やめろ! やめろおおお!!」
必死で叫ぶ大ちゃんの前には、半壊したヘルメットと、ブルーの欠片が転がっている。
『そうだ。タツヤ、あるぞ。ダイサクとユーリを助ける方法が』
突然、ブルーが思いついたように声を上げた。
『本当かブルー?! どうすればいい?』
『タツヤ、覚えているだろうか? 私の欠片には、膨大なエネルギーが蓄えられていて……』
『……! そうだ! どんな複雑なチカラも制御する事が出来る!』
僕は慌てて土人形を操作し、グラウンドに飛び出す。
「大ちゃん! ヘルメットを被れ! ブルーの声を聞いてくれ!」
ヴォルフが。ユーリが。そして大ちゃんが。一斉にこちらを見る。
「たっちゃん……!」
大ちゃんは、必死で手を伸ばし、目の前にあるボロボロのヘルメットを被った。
……無事でいてくれよ〝凄メガネ機能〟!
『ダイサク、聞こえるか?』
大ちゃんの目の前に落ちている青い欠片から、ブルーの声が響く。
『……あー。今日もいい声だなブルー。オランダはいい所だろー?』
よし、聞こえてる! 頼んだぞブルー!
『ダイサク、よく聞いて欲しい。今から形を合わせるから、私の欠片を、ベルトにセットするんだ』
パキパキと音を立てて欠片は変形していく。
彩歌の心臓に変化したように〝ベルトの制御基板〟の形に。
『……! なるほど、そうか……わかった!』
ベルト前面の〝複雑なシャッター構造〟の蓋が開き、中の基盤が取り出される。
そして、青く光るブルーの欠片が、ベルトの中に納められた。
『ベルトを通して、私の欠片のエネルギーが、直接ダイサクの体に供給される』
大ちゃんを青い光が包み込み、周囲の空間が陽炎のように揺らいでいるのがわかる。
『凄い! どうなってるんだブルー? スーツまで直っていくぞ!』
ベルトは普段の赤い光と、ブルー欠片の青い光が混ざり、紫の光を放つ。
みるみる内に、スーツの破れた部分は塞がった。
驚いたことに、破損した胸、腹、頭の装甲も、元に戻っていく。
『これは……ダイサクが新たな力を……! 凄いぞタツヤ。 今、ステータスを表示するよ』
***********************************************
九条 大作 Kujoh Daisaku
AGE 11
H P 32 + 2048
M P 0
攻撃力 24 + 512
守備力 1001 + 2048
体 力 24 + 1024
素早さ 20 + 512
賢 さ 5882
<特記事項>
機械仕掛けの神 ← NEW!
超回復 ← NEW!
不老 ← NEW!
高耐久 ← NEW!
瞬間記憶
思考加速
過集中
バベルの司書
星の守護
***********************************************
『機械仕掛けの神……?! ブルー、これって……』
『ダイサクは、新しい能力を手に入れたんだ』
大ちゃんは……いや、レッドは静かに立ち上がった。
呆然と見ていたヴォルフは、レッドに向き直り、驚きの声を上げる。
「な……何が起きた? お前、な、何をした?!」
「その娘を守るため、星の力を借りたのだ」
レッドは、ピタリとヴォルフを指差した。
「……お前は絶対に許さない」
「にゃあ……大ちゃん……」
レッドを見つめるユーリの瞳が、心なしか潤んでいる。
「ほざけ辺境のサルめ! もう一度ズタズタにしてやる!」
恐ろしいスピードで接近するヴォルフを、レッドは微動だにせず待ち構えていた。
ヴォルフは斧を振り下ろす。しかし、もうそこには誰も居ない。
「何?! どこだ!」
ヴォルフは、完全にレッドを見失っているようだ。
後退りして、キョロキョロと周囲を見回す……レッドは、その数センチ後ろにピタリとついていく。
「さっきのローボとかいう奴は、ここを、こうイジっていたはずだ」
レッドが背後から、ヴォルフの腰にある装置を操作する。
「何?! そ、そんな……何を?! ぐあああああああっ!?」
ヴォルフの体は、ボコボコと肥大化した後、萎む。そして体の周りに光の膜が現れた。
「全力を出してもらわないとな。後で〝本気じゃなかった〟などと言われるのは困る」
「フゥー! フゥー! ヨくも……ヨクもやってクれたナ! コウなっタらもウ、おワリナんだゾ?!」
「〝終わり〟なのは知っている。お前の言っているのとは、違う意味でだが」
「グおオォォおあぁァ!! 死ネしねシネ死ネェェエェえェ!!」
ヴォルフは、さらにスピードを増している。土人形の目では、追うことが難しいレベルだ。
……だが、レッドはその攻撃の全てを、左手で軽く払い除けてから、こう呟いた。
「メルキオール・マリオネット、発動」
『Ready』
フォン! という無機質な音と、目に見えるはずのない〝威圧感〟が辺りを包んだ。
一瞬、怯んだように見えたヴォルフだが、不意に芽生えた己の恐怖心を認めたくない一心で叫ぶ。
「ころス……! コロシてやル!!」
やれやれ。そういう仕草の後、レッドは腕から飛び出した銀の筒を持ち、構えた。
「パープルブレード」
レッドブレード本来の赤い光が、ブルーのエネルギーと混ざって、紫に輝く。
「ふむ。違うな。お前が言うセリフは〝殺してやる〟ではなく……」
>>>
……数分後。
圧倒的な力の差で勝利したレッドは、〝殺してくれ〟と懇願するヴォルフに、ゆっくりと止めを刺した。
……気持ちの悪い含み笑いを漏らしながら。
「ククク。苦しいか? 頭が砕けそうだな」
バリバリという音が響き、とうとうヘルメットに大きな亀裂が入る。
『大ちゃん!』
『タツヤ。ダイサクは大丈夫だ。まだ生きている』
ヴォルフの右手にヘルメットを残し、大ちゃんは仰向けに倒れた。
「おっと、落としてしまったな。死んだか? 子ザル」
今まで隠れていた、大ちゃんの素顔が露わになる。
「たっちゃ……え?! だ、大ちゃん?! 大ちゃんにゃ?!」
「ユ……ユーリ、逃げ……て……くれ……」
「大ちゃん! にゃんで? にゃんで大ちゃんが?!」
「ほう。まだ息があったか。ではそこで、この娘の死にゆく様を見ているがいい」
ヴォルフは、くるりとユーリの方を向いた。
放り投げたレッドのヘルメットが、大ちゃんの前に転がる。
「くっ! ……や、やめろ」
「はあぁ? やめるワケないだろう。クックック!」
ヴォルフは背中から斧のような武器を取り出して、ユーリに近付いていく。
「いやにゃ! やめて! いやにゃあぁぁ!!」
「やめろ! やめろおおお!!」
必死で叫ぶ大ちゃんの前には、半壊したヘルメットと、ブルーの欠片が転がっている。
『そうだ。タツヤ、あるぞ。ダイサクとユーリを助ける方法が』
突然、ブルーが思いついたように声を上げた。
『本当かブルー?! どうすればいい?』
『タツヤ、覚えているだろうか? 私の欠片には、膨大なエネルギーが蓄えられていて……』
『……! そうだ! どんな複雑なチカラも制御する事が出来る!』
僕は慌てて土人形を操作し、グラウンドに飛び出す。
「大ちゃん! ヘルメットを被れ! ブルーの声を聞いてくれ!」
ヴォルフが。ユーリが。そして大ちゃんが。一斉にこちらを見る。
「たっちゃん……!」
大ちゃんは、必死で手を伸ばし、目の前にあるボロボロのヘルメットを被った。
……無事でいてくれよ〝凄メガネ機能〟!
『ダイサク、聞こえるか?』
大ちゃんの目の前に落ちている青い欠片から、ブルーの声が響く。
『……あー。今日もいい声だなブルー。オランダはいい所だろー?』
よし、聞こえてる! 頼んだぞブルー!
『ダイサク、よく聞いて欲しい。今から形を合わせるから、私の欠片を、ベルトにセットするんだ』
パキパキと音を立てて欠片は変形していく。
彩歌の心臓に変化したように〝ベルトの制御基板〟の形に。
『……! なるほど、そうか……わかった!』
ベルト前面の〝複雑なシャッター構造〟の蓋が開き、中の基盤が取り出される。
そして、青く光るブルーの欠片が、ベルトの中に納められた。
『ベルトを通して、私の欠片のエネルギーが、直接ダイサクの体に供給される』
大ちゃんを青い光が包み込み、周囲の空間が陽炎のように揺らいでいるのがわかる。
『凄い! どうなってるんだブルー? スーツまで直っていくぞ!』
ベルトは普段の赤い光と、ブルー欠片の青い光が混ざり、紫の光を放つ。
みるみる内に、スーツの破れた部分は塞がった。
驚いたことに、破損した胸、腹、頭の装甲も、元に戻っていく。
『これは……ダイサクが新たな力を……! 凄いぞタツヤ。 今、ステータスを表示するよ』
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九条 大作 Kujoh Daisaku
AGE 11
H P 32 + 2048
M P 0
攻撃力 24 + 512
守備力 1001 + 2048
体 力 24 + 1024
素早さ 20 + 512
賢 さ 5882
<特記事項>
機械仕掛けの神 ← NEW!
超回復 ← NEW!
不老 ← NEW!
高耐久 ← NEW!
瞬間記憶
思考加速
過集中
バベルの司書
星の守護
***********************************************
『機械仕掛けの神……?! ブルー、これって……』
『ダイサクは、新しい能力を手に入れたんだ』
大ちゃんは……いや、レッドは静かに立ち上がった。
呆然と見ていたヴォルフは、レッドに向き直り、驚きの声を上げる。
「な……何が起きた? お前、な、何をした?!」
「その娘を守るため、星の力を借りたのだ」
レッドは、ピタリとヴォルフを指差した。
「……お前は絶対に許さない」
「にゃあ……大ちゃん……」
レッドを見つめるユーリの瞳が、心なしか潤んでいる。
「ほざけ辺境のサルめ! もう一度ズタズタにしてやる!」
恐ろしいスピードで接近するヴォルフを、レッドは微動だにせず待ち構えていた。
ヴォルフは斧を振り下ろす。しかし、もうそこには誰も居ない。
「何?! どこだ!」
ヴォルフは、完全にレッドを見失っているようだ。
後退りして、キョロキョロと周囲を見回す……レッドは、その数センチ後ろにピタリとついていく。
「さっきのローボとかいう奴は、ここを、こうイジっていたはずだ」
レッドが背後から、ヴォルフの腰にある装置を操作する。
「何?! そ、そんな……何を?! ぐあああああああっ!?」
ヴォルフの体は、ボコボコと肥大化した後、萎む。そして体の周りに光の膜が現れた。
「全力を出してもらわないとな。後で〝本気じゃなかった〟などと言われるのは困る」
「フゥー! フゥー! ヨくも……ヨクもやってクれたナ! コウなっタらもウ、おワリナんだゾ?!」
「〝終わり〟なのは知っている。お前の言っているのとは、違う意味でだが」
「グおオォォおあぁァ!! 死ネしねシネ死ネェェエェえェ!!」
ヴォルフは、さらにスピードを増している。土人形の目では、追うことが難しいレベルだ。
……だが、レッドはその攻撃の全てを、左手で軽く払い除けてから、こう呟いた。
「メルキオール・マリオネット、発動」
『Ready』
フォン! という無機質な音と、目に見えるはずのない〝威圧感〟が辺りを包んだ。
一瞬、怯んだように見えたヴォルフだが、不意に芽生えた己の恐怖心を認めたくない一心で叫ぶ。
「ころス……! コロシてやル!!」
やれやれ。そういう仕草の後、レッドは腕から飛び出した銀の筒を持ち、構えた。
「パープルブレード」
レッドブレード本来の赤い光が、ブルーのエネルギーと混ざって、紫に輝く。
「ふむ。違うな。お前が言うセリフは〝殺してやる〟ではなく……」
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……数分後。
圧倒的な力の差で勝利したレッドは、〝殺してくれ〟と懇願するヴォルフに、ゆっくりと止めを刺した。
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