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5年生 3学期 2月
別れ、指輪、そして日本へ
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その後、僕と彩歌は、パズズの魔力に当てられて呆然としている警官隊に、同じく動けなくなっている強盗犯たちを引き渡し、ライナルト、ダニロ、ラウラ、ハンナの4人を抱えて、スタコラサッサと逃げてきた。
唯一の犠牲者は眼鏡の男。犯人は、デトレフ・バウムガルテンだ。
>>>
『それじゃ、またな』
ライナルトが、ちょっと寂しそうに笑う。ナイスなガイドありがとう!
『いつか絶対、日本に行くよ!』
ダニロは、忍者を直接見たいそうだ。その時は一緒に行こう。
……えっと、京都でいいかな。
『ねえ、もし近くに来たら、遊びに来てね?』
ラウラが笑顔で言う。必ず来るよ。ドイツには何故か、縁があるんだ。
『2人とも、大好きよ! 元気でね!』
ハンナが、ポロポロと涙を流しながら、彩歌と僕の手を握っている。お前らも元気でな!
仲良し4人組を、"ゼッディナー・ゼー"の、自宅まで送り届けた後、僕と彩歌は帰路についた。
>>>
「達也さん、体、大丈夫?」
「ああ。もう大丈夫だよ。心配掛けてごめん」
僕の魂の損傷は、魔王パズズが塞いでいる。
「それにしても驚いたわ。魂に剣を刺されたまま、魔王相手に、あんな高圧的な態度をとるなんて……」
「うん。実はあれも、ブルーの入れ知恵なんだよ」
星の化身らしく、尊大で高圧的な態度で臨めば、それまでに見せた、僕の人間離れした特性と相まって、交渉を有利に進められるだろう。と、ブルーは言った。
……っていうか、僕も怒ってたから、ブルーに言われなくても、あれ位は言っていたかもしれないけどね。
「でも、"魂の傷"を、魔王で塞ぐなんて、いったいどういう仕組み?」
「いや、それがね。僕も知らなかったんだけど……」
『"光合成"を使ったんだ。普通の使い方とは違うけどね』
どうやら、他者の肉体と能力を、自分に取り込んでしまうというのが、僕の持つ特性、"光合成"の本来の使い方らしい。
「葉緑素とか、二酸化炭素と光でデンプンとか、そういう話だと思ってたよ」
『キミは、私から際限なくエネルギーを供給されている。その光合成は必要ない』
「いや、おかしいなとは思ってたんだけどさ……」
さて、その光合成だが、やり方は簡単。
相手を拒否出来なくなるまで弱らせるか、完全に服従させてから〝自分の体のどこかに組み込む〟と、宣言すればいい。
『でもね、"光合成"は、他者を体に宿すから、そこから出続ける〝思念〟の影響を受け続けてしまうんだ。だから今まで、キミには説明しなかった』
「例えば、ダーク・ソサイエティの怪人を倒して吸収すると、その怪人の邪悪な思想や行動原理、趣味嗜好まで一緒に取り込んでしまうらしい。僕が僕じゃ無くなってしまうな」
『そうだね。いくら光合成でキミを強化しても、心が別人になっては、意味がない』
「そして、ここからが応用編だ。今日僕は、パズズを、自分のどこに組み込むか決める時、"魂の損傷した部分"を指定した」
「まって達也さん。それじゃ、魔王の思念が……」
「パズズの邪悪な思念は、頭に届く前に、僕の"偉大なる魂"に吸い込まれて消える。僕の思考が魔王化する事はないから安心して」
『そしてもうひとつ、重要な点がある。肉体を持つ者を光合成で取り込むと、分離が不可能になる』
「でも、パズズは魂だけの存在だから、用が済めばポイっと取り出せるんだ」
「伝説の魔王を"ポイっと"って……本当に凄いわ、達也さん」
そう? なんか嬉しいな。もっと褒めて!
『星の化身よ。お願いがございます』
うっわ、ビックリした!
いきなり、胸の辺りから声が聞こえた。
『パズズか?! 脅かすなよ!』
『大変申し訳ございません。どうか、発言をお許し下さい』
変な感じだなぁ。
前に、心臓から僕の声が聞こえて、ビックリしていた彩歌の気持ちが、分かった気がする。
……でも僕のは、魔王の声だからな? そりゃ驚くさ。
『いいよ。どうかしたのか?』
『先ほど話されていた件です。その……御魂が修復されたら、私をお捨てになる、と……』
『まあ、そこまでが、お前の役目だからな。魂が治ったら、出てっても良いよ?』
『いいえ、どうか! どうかこのまま、私をお側に置いて頂きたい! 何卒! 何卒!』
『って、何でだよ! どうしたんだよ? 急に!』
『星の化身である貴方様の魂に、こうして直接触れる事により、改めて貴方様の素晴らしさを、恐れながら思い知らされました次第で御座います。どうか、末永くお側に仕えさせて頂きたいと存じます! どうか何卒!』
忠誠を誓われたよ。伝説の魔王に。
『いいけど。もう、悪さすんなよ?』
『はい、誓って致しません……お約束の証に、これをお持ち下さい』
眼の前に、テニスボール大の、緑色に光る玉が現れた。スルスルと形を変えて、指輪になる。
『それは、私の命です』
命って、おいおい!
「魔王の指輪! 達也さん、それは魔王との契約の証よ。絶対の忠誠を約束した者にだけ、手渡されると言われているの」
『万が一、何かお気に触るような時は、握り潰して下さいませ。私は死にます』
『うっわ! 別にここまでしなくても!』
『いいえ。どうかそれを御指に。私は永遠の忠誠を誓います』
魔王の指輪を手に入れた! ……呪われてないだろうな。
左手の人差し指に嵌める。
『我が主よ。全ては御心のままに』
「達也さん、なんて言ったら良いか……本当に凄いわ!」
そうだろ? すごく嬉しいな。もっと褒めて!!
『タツヤ、気付いているとは思うが、キミは現在、体のいろいろな所から声が出る。実に面白いな!』
……合計3箇所だ。すっごい嫌な気分になった。
本当にそういうの上手いなブルー。
>>>
電車とバスに乗り、3時間かけて〝ヘルムシュテット〟まで移動した。
ここに、ドイツから日本へ向かう〝ルート〟の入り口がある。
「一旦、オランダに戻るのかと思ってたよ」
「私も」
『いや、それは遠回りだ。ここからの方が近い』
ルートの入口が開いた。ここに飛び込めば、石川県小松市に着くらしい。
……それからの事は、向こうに着いてから考えようか。
唯一の犠牲者は眼鏡の男。犯人は、デトレフ・バウムガルテンだ。
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『それじゃ、またな』
ライナルトが、ちょっと寂しそうに笑う。ナイスなガイドありがとう!
『いつか絶対、日本に行くよ!』
ダニロは、忍者を直接見たいそうだ。その時は一緒に行こう。
……えっと、京都でいいかな。
『ねえ、もし近くに来たら、遊びに来てね?』
ラウラが笑顔で言う。必ず来るよ。ドイツには何故か、縁があるんだ。
『2人とも、大好きよ! 元気でね!』
ハンナが、ポロポロと涙を流しながら、彩歌と僕の手を握っている。お前らも元気でな!
仲良し4人組を、"ゼッディナー・ゼー"の、自宅まで送り届けた後、僕と彩歌は帰路についた。
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「達也さん、体、大丈夫?」
「ああ。もう大丈夫だよ。心配掛けてごめん」
僕の魂の損傷は、魔王パズズが塞いでいる。
「それにしても驚いたわ。魂に剣を刺されたまま、魔王相手に、あんな高圧的な態度をとるなんて……」
「うん。実はあれも、ブルーの入れ知恵なんだよ」
星の化身らしく、尊大で高圧的な態度で臨めば、それまでに見せた、僕の人間離れした特性と相まって、交渉を有利に進められるだろう。と、ブルーは言った。
……っていうか、僕も怒ってたから、ブルーに言われなくても、あれ位は言っていたかもしれないけどね。
「でも、"魂の傷"を、魔王で塞ぐなんて、いったいどういう仕組み?」
「いや、それがね。僕も知らなかったんだけど……」
『"光合成"を使ったんだ。普通の使い方とは違うけどね』
どうやら、他者の肉体と能力を、自分に取り込んでしまうというのが、僕の持つ特性、"光合成"の本来の使い方らしい。
「葉緑素とか、二酸化炭素と光でデンプンとか、そういう話だと思ってたよ」
『キミは、私から際限なくエネルギーを供給されている。その光合成は必要ない』
「いや、おかしいなとは思ってたんだけどさ……」
さて、その光合成だが、やり方は簡単。
相手を拒否出来なくなるまで弱らせるか、完全に服従させてから〝自分の体のどこかに組み込む〟と、宣言すればいい。
『でもね、"光合成"は、他者を体に宿すから、そこから出続ける〝思念〟の影響を受け続けてしまうんだ。だから今まで、キミには説明しなかった』
「例えば、ダーク・ソサイエティの怪人を倒して吸収すると、その怪人の邪悪な思想や行動原理、趣味嗜好まで一緒に取り込んでしまうらしい。僕が僕じゃ無くなってしまうな」
『そうだね。いくら光合成でキミを強化しても、心が別人になっては、意味がない』
「そして、ここからが応用編だ。今日僕は、パズズを、自分のどこに組み込むか決める時、"魂の損傷した部分"を指定した」
「まって達也さん。それじゃ、魔王の思念が……」
「パズズの邪悪な思念は、頭に届く前に、僕の"偉大なる魂"に吸い込まれて消える。僕の思考が魔王化する事はないから安心して」
『そしてもうひとつ、重要な点がある。肉体を持つ者を光合成で取り込むと、分離が不可能になる』
「でも、パズズは魂だけの存在だから、用が済めばポイっと取り出せるんだ」
「伝説の魔王を"ポイっと"って……本当に凄いわ、達也さん」
そう? なんか嬉しいな。もっと褒めて!
『星の化身よ。お願いがございます』
うっわ、ビックリした!
いきなり、胸の辺りから声が聞こえた。
『パズズか?! 脅かすなよ!』
『大変申し訳ございません。どうか、発言をお許し下さい』
変な感じだなぁ。
前に、心臓から僕の声が聞こえて、ビックリしていた彩歌の気持ちが、分かった気がする。
……でも僕のは、魔王の声だからな? そりゃ驚くさ。
『いいよ。どうかしたのか?』
『先ほど話されていた件です。その……御魂が修復されたら、私をお捨てになる、と……』
『まあ、そこまでが、お前の役目だからな。魂が治ったら、出てっても良いよ?』
『いいえ、どうか! どうかこのまま、私をお側に置いて頂きたい! 何卒! 何卒!』
『って、何でだよ! どうしたんだよ? 急に!』
『星の化身である貴方様の魂に、こうして直接触れる事により、改めて貴方様の素晴らしさを、恐れながら思い知らされました次第で御座います。どうか、末永くお側に仕えさせて頂きたいと存じます! どうか何卒!』
忠誠を誓われたよ。伝説の魔王に。
『いいけど。もう、悪さすんなよ?』
『はい、誓って致しません……お約束の証に、これをお持ち下さい』
眼の前に、テニスボール大の、緑色に光る玉が現れた。スルスルと形を変えて、指輪になる。
『それは、私の命です』
命って、おいおい!
「魔王の指輪! 達也さん、それは魔王との契約の証よ。絶対の忠誠を約束した者にだけ、手渡されると言われているの」
『万が一、何かお気に触るような時は、握り潰して下さいませ。私は死にます』
『うっわ! 別にここまでしなくても!』
『いいえ。どうかそれを御指に。私は永遠の忠誠を誓います』
魔王の指輪を手に入れた! ……呪われてないだろうな。
左手の人差し指に嵌める。
『我が主よ。全ては御心のままに』
「達也さん、なんて言ったら良いか……本当に凄いわ!」
そうだろ? すごく嬉しいな。もっと褒めて!!
『タツヤ、気付いているとは思うが、キミは現在、体のいろいろな所から声が出る。実に面白いな!』
……合計3箇所だ。すっごい嫌な気分になった。
本当にそういうの上手いなブルー。
>>>
電車とバスに乗り、3時間かけて〝ヘルムシュテット〟まで移動した。
ここに、ドイツから日本へ向かう〝ルート〟の入り口がある。
「一旦、オランダに戻るのかと思ってたよ」
「私も」
『いや、それは遠回りだ。ここからの方が近い』
ルートの入口が開いた。ここに飛び込めば、石川県小松市に着くらしい。
……それからの事は、向こうに着いてから考えようか。
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