134 / 264
5年生 3学期 2月
命がけプリンセス
しおりを挟む
俺は今、ユーリにお姫様抱っこされたまま、猛スピードで悪魔を追いかけている。
……なんなんだ、この状況?
「やー! あいつ、超速い! すごー!」
「いやいや。お前の方がよっぽどスゴいぜー。俺を抱えたまま、2時間近く走りっぱなしだろー?」
……おっと、こんな体勢のままで悪いが、俺だぜ? 九条大作だ。
俺とユーリと栗っちの3人は、たっちゃんと藤島さんの〝魔界行き〟に、こっそりついてきたんだ。
〝ふたりのラブい感じをギリギリまで見届けよう〟って……いやいや、俺じゃないぜ? ユーリが言いだした事だ。
「えへへー! でも、ついて来て正解だったね!」
ユーリと並んで高速移動中の栗っちもスゴい。
この2人、生身なのにジェットコースターなんかとは比べ物にならないくらい速い。
「ユーリ、頼むから落とさないでくれよなー……」
今朝、たっちゃんたちを送り出したあと、ユーリのヤツ、いきなり俺を抱きかかえて〝じゃ、行こうか!〟って言って、そのままずっとこの調子だぜ? 最初は何が起きたのか分からずパニックだ。
「ビックリしたよね。〝栗っちも行こう!〟って言って、そのまま一直線だもんね!」
「そう言われてついて来る……いや、むしろついて来れる栗っちも相当なもんだけどなー!」
たっちゃんたちと同じ電車やバスに乗るとバレちまうからって、山越えはするわ、屋根の上や木の上とかをピョンピョン飛ぶわで、とにかく俺を抱えたまま走りっぱなしだ。
せめて変身させてくれ、死んじまう。
「やー! そっか、大ちゃん変身すればいいんだ!」
「おいおい。俺、4回言ったぞ?」
この時点までで、ターゲットは〝たっちゃんと藤島さん〟から〝悪魔〟に変わったにもかかわらず、ユーリは獲物を追う猛獣のように集中していて、俺の言葉など、聞こえていない。
「まあ、大ちゃんはこのまま抱っこで良いんじゃない? 私は平気だし。ね?」
「ね? じゃないぜ。俺が恥ずかしいんだ。あと、落とされたら死ぬからな?」
……って、もう聞いてないな。
ちなみに、遭遇した時に居た悪魔は3匹。先に攻撃してきたのは向こうだ。
「こんにゃろー! 急に襲ってきやがってー! たっちゃんとアヤちゃんが魔界のゲートをくぐる所、見れなかったじゃんか!! ユーリちゃん怒ったんだからな!」
というセリフの後なのに、ユーリは満面の笑みで襲いかかる。
最初に犠牲となった悪魔は、呪文を唱える間もなく、ユーリの餌食となった。
……あ、餌食って言っても、食ってないぜ? 例えだぞ、例え。
確かに〝美味しいんかな?〟とは言ってたけど。必死で止めたけど。
「で、念のため僕が、止めを刺したんだよね」
悪魔は殺された時、〝呪い〟を残すらしい。
神様には呪いが効かないから、最後の一撃は栗っちに任せるのが安全だ。
「でも、どこに向かってるんだろう? あの子たちの思考は読めないけど、ほぼ一直線に進んでるよね」
さすが栗っち。気付いていたかー!
「やー! まじでー? そうでも無いんじゃない?」
さすがユーリ。気付いてないと思ったぜー!
「俺の記憶では、この方角はアレだなー……」
山岳地帯を、平地と同じ速度で移動し続ける。
悪魔はさておき、ユーリも栗っちも、どんな体力してるんだ?
「……っていうか、そろそろ変身させてくれないか?」
大木から大木へと飛び移っていくユーリ。恐怖感が麻痺してきたのが、逆に恐怖だ。
「まあまあ、遠慮せずに!」
「遠慮じゃないんだ。命の危機なんだ!」
「大ちゃんと一緒なら私、死んでもいい!」
「いやいやいや! 死ぬのは俺だ! お前は死なない!」
「〝お前の事は俺が守る!〟 的な?! 大ちゃん! 愛してる!!」
「ちがうちがう! お前わざとやってるんじゃないか?! い、痛たたたたた! 抱きしめないでくれ! 本当に死んじゃうだろー!」
「えへへー! ふたりとも、アツアツだね」
「ちょ! 栗っち! 助け……あ痛たたたたたた!!」
……俺たちは悪魔を追いながら、人里離れた山奥へと突き進んで行った。俺は相変わらず変身できないままだ。もう、好きにしてくれ。
>>>
しばらくすると、巨大な人工構造物が視界に入った。
「やっぱりな。ここが目的地だと思ったぜー!」
瀬之宮ダム。一級水系、佐波川水系、上津川に建設された多目的ダムだ。
「ふわあ! ダム! ダムダム!!」
ユーリ……もっと何か無いか? 気持ちは分かるけどな。
「あの子たち、ここを目指していたの?」
「たぶんなー。俺の記憶では、確かこのダムは……」
と、言いかけた時、悪魔が二手に分かれた。おいおい、マズいな!
「2人とも、よく聞いてくれ。このダムは下流が3つに分かれていて、その先にはそれぞれ大きな都市がある。あの悪魔たちの目的は、ダム湖の底だ。水を抜くために、きっとこのダムを壊そうとするだろう」
「……〝だむこ〟って何?」
ああー、そこからかユーリ。
「元々ある小さな川を、コンクリートの壁で堰き止めて出来たのがダム湖だぜー」
「へぇぇ! さっすが大ちゃん! 物知り過ぎるよ!」
……時間が無いのでツッコミは無しだ。
「で、このダムが建設される前に、川の周辺に町があったんだが……」
「えええ?! 町が水の底に? 町の人たちは?! ひどいよ! あんまりだよー!」
「いや待てユーリ。もちろん町の人たちは立ち退いたぞ? なんで水攻めにするんだ!」
「やー! 良かったよ! あいつにも、人の心は残ってたんだ!」
どいつの話だよ? 時間がないって言ってるだろー。ほっといて次行くぞ!
「で、俺の記憶では、ここにあった町の名は、威吁都町。何の問題も無い、ごく普通の町だった。けど……」
栗っちが、ハッとした表情でダムの方を見る。
「大ちゃん。ここ、何か〝良くないもの〟が居るよね……?」
さすが栗っち。気付いたのか。
「良くないものって? うなぎと梅干しみたいな?」
このタイミングで、よく〝食い合わせ〟の話が出てきたなユーリ。天才か!
いや、褒めてないから。ベロ出すなよ、かわいいな!
「威吁都町の神社には、大昔、国をも傾ける程の被害をもたらした、妖怪が封じられたという言い伝えがあるんだ。良くある昔話だけど……」
そう。ここまでの話は、むかし訪れた〝郷土史資料館〟で普通に展示されていた〝おとぎ話〟だ。何の変哲もない創作だろう。
「やー! それ、聞いたことある!」
けど、この話は〝バベルの図書館〟の蔵書にも〝史実〟として載っている。
こっちは二人には言えないぜ。〝持ち出し禁止〟の情報だ。
……下手に喋ろうとすれば、途端に俺の記憶から消えちまう。
「たぶん、悪魔はその妖怪を狙ってるんだぜー!」
……なんなんだ、この状況?
「やー! あいつ、超速い! すごー!」
「いやいや。お前の方がよっぽどスゴいぜー。俺を抱えたまま、2時間近く走りっぱなしだろー?」
……おっと、こんな体勢のままで悪いが、俺だぜ? 九条大作だ。
俺とユーリと栗っちの3人は、たっちゃんと藤島さんの〝魔界行き〟に、こっそりついてきたんだ。
〝ふたりのラブい感じをギリギリまで見届けよう〟って……いやいや、俺じゃないぜ? ユーリが言いだした事だ。
「えへへー! でも、ついて来て正解だったね!」
ユーリと並んで高速移動中の栗っちもスゴい。
この2人、生身なのにジェットコースターなんかとは比べ物にならないくらい速い。
「ユーリ、頼むから落とさないでくれよなー……」
今朝、たっちゃんたちを送り出したあと、ユーリのヤツ、いきなり俺を抱きかかえて〝じゃ、行こうか!〟って言って、そのままずっとこの調子だぜ? 最初は何が起きたのか分からずパニックだ。
「ビックリしたよね。〝栗っちも行こう!〟って言って、そのまま一直線だもんね!」
「そう言われてついて来る……いや、むしろついて来れる栗っちも相当なもんだけどなー!」
たっちゃんたちと同じ電車やバスに乗るとバレちまうからって、山越えはするわ、屋根の上や木の上とかをピョンピョン飛ぶわで、とにかく俺を抱えたまま走りっぱなしだ。
せめて変身させてくれ、死んじまう。
「やー! そっか、大ちゃん変身すればいいんだ!」
「おいおい。俺、4回言ったぞ?」
この時点までで、ターゲットは〝たっちゃんと藤島さん〟から〝悪魔〟に変わったにもかかわらず、ユーリは獲物を追う猛獣のように集中していて、俺の言葉など、聞こえていない。
「まあ、大ちゃんはこのまま抱っこで良いんじゃない? 私は平気だし。ね?」
「ね? じゃないぜ。俺が恥ずかしいんだ。あと、落とされたら死ぬからな?」
……って、もう聞いてないな。
ちなみに、遭遇した時に居た悪魔は3匹。先に攻撃してきたのは向こうだ。
「こんにゃろー! 急に襲ってきやがってー! たっちゃんとアヤちゃんが魔界のゲートをくぐる所、見れなかったじゃんか!! ユーリちゃん怒ったんだからな!」
というセリフの後なのに、ユーリは満面の笑みで襲いかかる。
最初に犠牲となった悪魔は、呪文を唱える間もなく、ユーリの餌食となった。
……あ、餌食って言っても、食ってないぜ? 例えだぞ、例え。
確かに〝美味しいんかな?〟とは言ってたけど。必死で止めたけど。
「で、念のため僕が、止めを刺したんだよね」
悪魔は殺された時、〝呪い〟を残すらしい。
神様には呪いが効かないから、最後の一撃は栗っちに任せるのが安全だ。
「でも、どこに向かってるんだろう? あの子たちの思考は読めないけど、ほぼ一直線に進んでるよね」
さすが栗っち。気付いていたかー!
「やー! まじでー? そうでも無いんじゃない?」
さすがユーリ。気付いてないと思ったぜー!
「俺の記憶では、この方角はアレだなー……」
山岳地帯を、平地と同じ速度で移動し続ける。
悪魔はさておき、ユーリも栗っちも、どんな体力してるんだ?
「……っていうか、そろそろ変身させてくれないか?」
大木から大木へと飛び移っていくユーリ。恐怖感が麻痺してきたのが、逆に恐怖だ。
「まあまあ、遠慮せずに!」
「遠慮じゃないんだ。命の危機なんだ!」
「大ちゃんと一緒なら私、死んでもいい!」
「いやいやいや! 死ぬのは俺だ! お前は死なない!」
「〝お前の事は俺が守る!〟 的な?! 大ちゃん! 愛してる!!」
「ちがうちがう! お前わざとやってるんじゃないか?! い、痛たたたたた! 抱きしめないでくれ! 本当に死んじゃうだろー!」
「えへへー! ふたりとも、アツアツだね」
「ちょ! 栗っち! 助け……あ痛たたたたたた!!」
……俺たちは悪魔を追いながら、人里離れた山奥へと突き進んで行った。俺は相変わらず変身できないままだ。もう、好きにしてくれ。
>>>
しばらくすると、巨大な人工構造物が視界に入った。
「やっぱりな。ここが目的地だと思ったぜー!」
瀬之宮ダム。一級水系、佐波川水系、上津川に建設された多目的ダムだ。
「ふわあ! ダム! ダムダム!!」
ユーリ……もっと何か無いか? 気持ちは分かるけどな。
「あの子たち、ここを目指していたの?」
「たぶんなー。俺の記憶では、確かこのダムは……」
と、言いかけた時、悪魔が二手に分かれた。おいおい、マズいな!
「2人とも、よく聞いてくれ。このダムは下流が3つに分かれていて、その先にはそれぞれ大きな都市がある。あの悪魔たちの目的は、ダム湖の底だ。水を抜くために、きっとこのダムを壊そうとするだろう」
「……〝だむこ〟って何?」
ああー、そこからかユーリ。
「元々ある小さな川を、コンクリートの壁で堰き止めて出来たのがダム湖だぜー」
「へぇぇ! さっすが大ちゃん! 物知り過ぎるよ!」
……時間が無いのでツッコミは無しだ。
「で、このダムが建設される前に、川の周辺に町があったんだが……」
「えええ?! 町が水の底に? 町の人たちは?! ひどいよ! あんまりだよー!」
「いや待てユーリ。もちろん町の人たちは立ち退いたぞ? なんで水攻めにするんだ!」
「やー! 良かったよ! あいつにも、人の心は残ってたんだ!」
どいつの話だよ? 時間がないって言ってるだろー。ほっといて次行くぞ!
「で、俺の記憶では、ここにあった町の名は、威吁都町。何の問題も無い、ごく普通の町だった。けど……」
栗っちが、ハッとした表情でダムの方を見る。
「大ちゃん。ここ、何か〝良くないもの〟が居るよね……?」
さすが栗っち。気付いたのか。
「良くないものって? うなぎと梅干しみたいな?」
このタイミングで、よく〝食い合わせ〟の話が出てきたなユーリ。天才か!
いや、褒めてないから。ベロ出すなよ、かわいいな!
「威吁都町の神社には、大昔、国をも傾ける程の被害をもたらした、妖怪が封じられたという言い伝えがあるんだ。良くある昔話だけど……」
そう。ここまでの話は、むかし訪れた〝郷土史資料館〟で普通に展示されていた〝おとぎ話〟だ。何の変哲もない創作だろう。
「やー! それ、聞いたことある!」
けど、この話は〝バベルの図書館〟の蔵書にも〝史実〟として載っている。
こっちは二人には言えないぜ。〝持ち出し禁止〟の情報だ。
……下手に喋ろうとすれば、途端に俺の記憶から消えちまう。
「たぶん、悪魔はその妖怪を狙ってるんだぜー!」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
チート魔力はお金のために使うもの~守銭奴転移を果たした俺にはチートな仲間が集まるらしい~
桜桃-サクランボ-
ファンタジー
金さえあれば人生はどうにでもなる――そう信じている二十八歳の守銭奴、鏡谷知里。
交通事故で意識が朦朧とする中、目を覚ますと見知らぬ異世界で、目の前には見たことがないドラゴン。
そして、なぜか“チート魔力持ち”になっていた。
その莫大な魔力は、もともと自分が持っていた付与魔力に、封印されていた冒険者の魔力が重なってしまった結果らしい。
だが、それが不幸の始まりだった。
世界を恐怖で支配する集団――「世界を束ねる管理者」。
彼らに目をつけられてしまった知里は、巻き込まれたくないのに狙われる羽目になってしまう。
さらに、人を疑うことを知らない純粋すぎる二人と行動を共にすることになり、望んでもいないのに“冒険者”として動くことになってしまった。
金を稼ごうとすれば邪魔が入り、巻き込まれたくないのに事件に引きずられる。
面倒ごとから逃げたい守銭奴と、世界の頂点に立つ管理者。
本来交わらないはずの二つが、過去の冒険者の残した魔力によってぶつかり合う、異世界ファンタジー。
※小説家になろう・カクヨムでも更新中
※表紙:あニキさん
※ ※がタイトルにある話に挿絵アリ
※月、水、金、更新予定!
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)
クラス全員で転移したけど俺のステータスは使役スキルが異常で出会った人全員を使役してしまいました
髙橋ルイ
ファンタジー
「クラス全員で転移したけど俺のステータスは使役スキルが異常で出会った人全員を使役してしまいました」
気がつけば、クラスごと異世界に転移していた――。
しかし俺のステータスは“雑魚”と判定され、クラスメイトからは置き去りにされる。
「どうせ役立たずだろ」と笑われ、迫害され、孤独になった俺。
だが……一人きりになったとき、俺は気づく。
唯一与えられた“使役スキル”が 異常すぎる力 を秘めていることに。
出会った人間も、魔物も、精霊すら――すべて俺の配下になってしまう。
雑魚と蔑まれたはずの俺は、気づけば誰よりも強大な軍勢を率いる存在へ。
これは、クラスで孤立していた少年が「異常な使役スキル」で異世界を歩む物語。
裏切ったクラスメイトを見返すのか、それとも新たな仲間とスローライフを選ぶのか――
運命を決めるのは、すべて“使役”の先にある。
毎朝7時更新中です。⭐お気に入りで応援いただけると励みになります!
期間限定で10時と17時と21時も投稿予定
※表紙のイラストはAIによるイメージです
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
